シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

恋愛小説家

2005-04-11 | シネマ ら行
大作「タイタニック」がアカデミー賞を席巻した年の主演男優賞と主演女優賞をジャックニコルソンヘレンハントがダブル受賞した作品です。
この二人の演技、本当に自然でイイです。

自分勝手で偏屈で潔癖症のオヤジ(ニコルソン)がこの物語の主人公です。
ウエイトレス(ヘレンハント)に好意を持ち、彼女の息子の病気を治すためいい医者を紹介し、医者代を払ってあげることにした彼。彼女は背に腹は変えられないとその好意に甘えますが、「こんなことしてくれて感謝してるけど、あなたとは、絶対の絶対に寝ないわ。」と宣言されるし、隣りのゲイグレッグキニア(偏屈で潔癖症のオヤジはもちろん彼のことが嫌いです。)が暴漢に襲われ、犬(もちろん犬のことも嫌いです)を預かることになるし、このオヤジにすれば最悪の展開です。
しかし一人の女性を意識し、ゲイと犬と仲良くなり始めたところから、このオヤジの変革が始まるのです。

脚本もさることながら、やはりこの作品の素晴らしいところは、この3人の演技ですね。
息子の病気のことを知らずに、とやかく言われたときのヘレンハントのこわばった表情。
「あなたと寝ない」宣言されたときのニコルソンの微妙なしょんぼり顔。
二人で食事に行くシーンのぎこちなさ。
そして、アカデミー賞は取らなかったけどグレッグキニアのゲイの演技もオーバー過ぎず好感が持てました。
派手な作品ではないけれど、ダメな大人がオロオロ、ヨレヨレしながらも遅ればせながらやっと成長するお話です。

いい台詞もたくさんあるんですが、ヘレンハント演じるキャロルが言う
「外で出される食器で食事をするのもアドベンチャーのうちよ」
些細な台詞だけどなんか印象に残りました。

それから、アカデミー賞のスピーチでニコルソンが少しの場面にしか登場しなかったスキートウールリッチやワンチャン(上写真)にまでお礼を言っていたのが大物なのにスゴイなって思いました。