大松の2発を含むクリーンアップの揃い踏みに、来日2年目のサブローにも久しぶりのホームランが出ての都合5発が打ち上がった幕張の昼空は、あたかも2日連続の満員御礼を祝う壮大な花火大会を見るかのようでした。
約3週間ぶりのカード勝ち越しは前回も日本ハム戦ですっかりお得意さんと化しており、しかし借りはまだ半分も返していませんので明日も勝って3タテを食らわせましょう。
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今日の勝利で3勝3敗と五分に戻した唐川ですが、立ち上がりはどうなることかと頭を抱えたくなるような乱調ぶりでした。
とにかくストレートが流れてしまってストライクにならず、あれだけコントロールに苦しむ唐川を見るのも久しぶりです。
それでも二死満塁からスリーボールまで追い込まれながらも苦手にしていた二岡を打ち取ったことが大きく、あそこで1点でも追加をされていたらどうなったかは分からなかっただけに、このあたりが同じような立ち上がりだった昨日の渡辺俊との違いでしょう。
流れとしては味方が逆転をしてくれた次の回を三者凡退で抑えたこと、ここも大きなポイントでした。
逆方向を意識した日本ハム打線に苦しめられはしましたが、味方の大量援護や連日の糸井の走塁ミスにも助けられての8回1失点の勝利は悪いながらも投げきった充実感があるでしょうし、これをきっかけに立ち直ってくれればと期待をします。
年々コントロールが悪くなっている感じがあるのが気がかりではありますが、まだ成長期で大きくなる体を持てあましているのではないかと思われ、今日はいつもよりストレートにスピードがありましたから、そのあたりと上手く付き合って成長をしていってくれればと思います。
序盤にふらふらだった唐川ですから伊藤がブルペンでピッチングをしないで済んだかどうかは微妙ですが、中盤以降は左うちわの展開でしたから2番手で登場をしたのはほとんどのロッテファンが予想をしたであろう秋親でした。
個人的には唐川が中5日での登板でしたから8回から秋親でよかったのではないかとも思ったのですが、まあそれはよいです。
その秋親ですが何となく白武を思い出させたのは置いておくとして、やはりもう一つ魅力に欠けるというのが正直な感想です。
ストレートを中心にスライダー、フォークといった変化球を交える組み立てでしたが、何を武器にするかが今ひとつ見えません。
そのあたりは里崎の試行錯誤によるところもあると思われますし、秋親としても今は久しぶりのNPBに慣れるので精一杯なのでしょう。
実績のある投手だけに自信さえ取り戻せばチームに貢献をしてくれるだけの力はあるのでしょうから、やはりもっと使いたい投手の一人ではあります。
とりあえずは目を開けて投げろと、言えることはそれだけです。
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打線は今日も日本ハムの二線級の投手を打ち砕き、14安打10得点と期待通りに唐川を援護してくれました。
初回に四球を連発する吉川を攻めての二死満塁からサブローが三振を喫し、2回の二死一二塁のチャンスでも荻野貴のいい当たりを糸井に好捕されるなど嫌な流れであっただけに、小椋の悪夢が脳裏をよぎったロッテファンの不安を取り除いてくれた井口の同点アーチは値千金の一発でした。
外のボールを逆らわずに右方向に運んだ井口らしいバッティングで、これで吉川が一気に崩れましたので隠れたMVPであったと思います。
二塁打ばかりが目立ちますが四球も今日の2個を含めて36個とリーグダントツですし、同じくリーグトップの出塁率は次を打つ金泰均への信頼の証でしょう。
その金泰均の爆発も止まらず、今日も豪快にレフトスタンドに打ち込むホームランを放ち、ロッテリア前にたむろっていたロッテファンの期待を裏切りませんでした。
そうなると今日のように四球で歩かされるケースが増えるのでしょうが、後門の狼こと大松も2発を含む猛打賞で3割に復帰をし、クリーンアップの破壊力はソフトバンクに優るとも劣らずとは贔屓目に過ぎるかもしれませんが、他球団にとって脅威であることは間違いありません。
そのソフトバンクの左腕に苦しめられた大松が左腕からヒットを打ち始めたこと、これが非常に大きいです。
クリーンアップが好調ともなると下位打線が重要になりますが、今日は三度目の正直とばかりに「金泰均ホームラン→大松ヒット→サブロー併殺」の流れを断ち切るサブローのホームランを見ることができたことは僥倖の一語に尽きます。
私はバントをしろと叫びましたし、周りからも「サブローかぁ」という声が聞かれたのが今のサブローのポジションを表しています。
相変わらず三振が多いのは里崎と同じで宝くじとでも思えば気が楽になるのかもしれませんが、6番打者ですからそこまでの達観はできません。
ホームランの際の走塁を見る限りではやはり足腰に不安があるのではないかと思えるのですが、数字だけを見れば必要な戦力であることは間違いありませんし、幸運にも恵まれたものの南も猛打賞で踏みとどまっていることを考えれば、今後も左腕のときのスタメンには頭を悩ませることになりそうです。
また同じことの繰り返しになりますが、今日は7回から控えを出して欲しかったです。
得点差もありましたし、日本ハムも稲葉と金子誠を交代させて逆転をされる可能性はゼロに等しかったのですから、あそこで使わずしていつ使うのかと問い質したい気分です。
井口に根元、サブローに神戸、里崎に的場、荻野貴に早坂、私だったらこういった代打策を採ったでしょう。
ただ控えに出番を与えるだけではなく少しでもレギュラーに休息を与えることを、疲労は注意力の散漫と故障の遠因になることをベンチには考えてもらいたいです。
明日も勝ってGW9連戦を勝ち越しで締めくくりたいところですが、香月も中4日の次が中5日ですから5回を投げきってくれれば御の字でしょう。
そうなると中継ぎの奮闘が勝負の鍵を握ることになりますが、明日を乗り切れば2日間の休養があると思って頑張ってくださいとお願いをするしかありません。
誰かが壊れるまで分からないのかと怒鳴りつけたい気持ちではあるのですが、誰にも壊れて欲しくはありませんし、自分の身は自分で守ることも一つの手段です。
手を抜けと言うことではなく、一線を越えそうであれば自ら休養を申し出ることも大切なことであり、選手としては使ってもらえなくなる懸念があるので勇気のいることではありますが、致命的な故障をしてからでは悔やんでも悔やみきれません。
とまあ不安ばかりを口にしても暗くなるだけですので、明日もスカッとした勝利に期待をします。
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