オールスター前の最後の試合は、KAT-TUNの亀梨和也の始球式で幕を開けました。
西岡繋がりでの登場だと思われ、当然のごとく西岡が打席に立ちましたが、芸能界でも野球通で知られる亀梨のストライクのボールを打ち損じてスタンドを沸かせてしまったシーンが今日の一番の盛り上がりにならなければいいと、そう思ったロッテファンは多かったのではないかと思います。
幸いにもその西岡の先頭打者初球ホームランで先制をしたまま、必死の継投で何とか逃げ切ることができました。
今日の千葉マリンは7~9メートルの数字以上の強風が吹き荒れていたために、ホームランが出るとは思ってもいませんでした。
向かい風の場合はライナー性の打球は逆に伸びるとも言われていますが、西岡の打球は高く舞い上がったもので、打った瞬間はいったという当たりではありましたが、折からの強風に戻されるであろうと思って眺めていたところ、意外にもバックスクリーンにそのまま吸い込まれていきました。
自らのブログに包帯を巻いた左手首の写真を載せていたのはブラフではないでしょうが、押し込む左手が万全ではない打撃であそこまで飛ぶとは、ちょっと驚きました。
この先制パンチで昨日の嫌な流れを断ち切ったことは効果抜群で、その後は攻めあぐねながらも主導権を握ったまま試合を進めることができたのは、西岡のおかげでしょう。
ただ2打席目に死球を受けた際に、外国人投手だけに狙ったと思って怒るのはいいのですが、商売道具であるバットを高く放り投げたのは反省をしてもらわなければなりません。
しかも投げた先に誰がいるかも見ずにかなり遠くに放りましたので、ベンチから出てきたバレンタイン監督の側まで飛んでいき、ちょっとヒヤッとしました。
以前にも里崎が折れたバットをボールボーイの方向に投げつけたことがありましたが、これも何度も書いているのですが、プロ野球選手は自分の一挙手一投足が多くのファンに見られているこということを常に意識をしてもらいたいです。
今日のヒーローに呼ばれた西岡はプレーでは正真正銘のヒーローでしたが、野球選手としての行動としてはお立ち台に呼んではならなかったと思います。
もう一人のヒーローである福浦は、久しぶりのインタビューで舞い上がってしまったのでしょうか。
インタビュアーの質問を聞き漏らしてしまって聞き直すという、ちょっと恥ずかしい姿を見せてしまいました。
それにしてもこの福浦のホームランも低めのボールをすくい上げた高めの弾道で、まさかスタンドに届くとは思いもよらなかったのですが、全く勢いが衰えることなく完璧とも言えるような軌道を描いてライトスタンドのファンのもとに達しました。
福浦としては1本のホームランより2本のヒットの方が嬉しいのかもしれませんが、久しぶりの貴重なホームランを見ることができたのは、ファンとしては喜ばしいことです。
2割5分にも達しない打率は福浦としては不本意でしょうから、これを機に猛ラッシュをかけてくれることに期待をします。
先発の小野はチームトップの6勝目をマークしましたが、ピッチングとしては今ひとつの内容でした。
やたらと外野に打球が飛ぶ小野らしくないピッチングで4回までノーヒットというのは巡り合わせだったのでしょうが、適度な風は小野の味方であっても、今日のような強風ではコントロールを乱す要因にしかならなかったようです。
ボールが先行をしてしまい、ストライクゾーンでの勝負も勢い真ん中近辺に放らざるを得ず、序盤は微妙にポイントを外すことが出来ていたために何とか凌げていたのですが、疲れが出始めた中盤に一気に捕まってしまいました。
気になるのは5回の攻撃の前にソフトバンクがベンチ前で円陣を組んでいたことで、単なる偶然なのかもしれませんが、その5回から小野がヒットを打たれ始めたわけで、どういった指示がされたのかを聞いてみたいところです。
6回途中での降板は小野も不満の表情を見せていましたが、とりあえずは7月にして昨年の5勝を上回ることができましたし、この鬱憤は次の登板でお返しをしてもらいましょう。
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小野の後は中継ぎ陣のお披露目でもないでしょうが、細かい継投で逃げ切りを図りました。
昨日の橋本健と同様にオールスター休みの恩恵もあってか久しぶりの1軍登録となった松本は、先日のイースタンで見たとおりの、左キラーぶりを発揮してくれました。
フルカウントとなって押し出しのプレッシャーに負けないようにか、マウンドから数歩下がって自分に何かを言い聞かせるようにつぶやいていた姿が、松本の必死さの表れでしょう。
打ち取った際の体全体からほとばしる喜びは、見ている方も嬉しくなりますし、こういった感情を忘れかけている選手たちにも何かを感じてもらいたいです。
7回の頭からはリードをしている場面で内が登場をして、ようやくバレンタイン監督も育てるということを考えてくれたのかとの思いが脳裏をよぎったのですが、四球を出したところであっさりと川崎にスイッチをするわけですから、例によって走者を出したら交代という後手後手の継投でしかなかったようです。
それにしても内は同じ過ちを繰り返しすぎで、自分に何が足りないかが分かったでしょうから、持ち味を活かしつつ課題克服のために浦和に戻った方がよいような気がします。
このまま1軍で経験を積ませることも手だとは思いますが、今日のように気持ちの弱さが出るようですと、かえって逆効果になりやしないかと、そんな心配をしています。
その内を継いだ川崎は回またぎのリリーフにも耐えて、昨日のお返しをしっかりとしてくれました。
8回をきっちりと抑えたことが試合の流れを完全にロッテのものとしたという意味で、今日の隠れたヒーローと言ってもよいでしょう。
何だかんだ言っても一時の不調からは完全に脱したようで、それでも昨年に比べれば物足りないことは間違いないのですが、ストレートも130キロ台後半まで戻ってきましたし、オールスター明けから調子を上げてくれるのではないかと期待をしています。
最後を締めくくったシコースキーは、あっさりと先頭打者をストレートの四球で歩かせたことでドキドキとさせてくれましたが、その後は得意のストレートでガンガンと押しまくり、守護神としての役目をしっかりと果たしてくれました。
シコースキーもコントロールに課題があるのですが、150キロのストレートを投げれば多少のボール球には手を出してくれますので、そこが内らとの違いでしょう。
フォークも決まっていましたし、今日のセーブで気持ちの整理がついたのであれば、意味がある試合であったと思います。
序盤の得点を継投で逃げ切ったような試合ではありましたが、その逃げ切りを助けたのは意外にも外野手の守備でした。
地元ですから当たり前ではあるのですが、強風の中で高く上がった打球に右往左往することなく余裕で捕球をしたサブロー、大松、竹原の地味なプレーが、投手に安心感を与えたことは間違いのないことだと思います。
5回の小久保の本塁憤死は、おそらくは里崎の「ボールが返ってきそうにない」素振りに騙されてスライディングをするどころか走るスピードを落としたというボーンヘッドで、このトリックプレーが無ければ試合はどうなったかは分からなかっただけに、非常に大きなプレーでした。
今日は投手ではなく野手が守りきったと、そう言ってもよいでしょう。
その一方で終盤の先頭打者が四球を選んだ無死一塁の場面で、またしても里崎と今江がバントを失敗して追加点の足がかりを作れなかったことは、いつもながらの見慣れた光景だとは言っても、何をやっているのかと怒鳴りつけたくなるようなものでした。
この2人はチーム内ではバントが上手い方で、スクイズやセーフティは器用に決めるのに対して、構えたバントをミスすることが多いのには、何か理由があるのでしょうか。
こうなったら端っからセーフティのサインを出せばいいのに、というのは以前にも書きましたが、試してみる価値はあると思います。
オリックスが負けたことで、オールスター前に最下位に落ちる可能性はほぼ無くなりました。
これがチームにとっていいことなのか、悪いことなのかはオフになってからの判断となるのでしょうが、勝つに越したことはないので、日曜日の勝利に喜んでいます。
明日は久しぶりに大嶺が1軍に戻ってきますので、やや勢いが落ちている唐川にカツを入れるためにも、久しぶりの勝利を札幌の地で挙げてくれることを期待します。
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