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子どもの王様 |
最初に読んだハサミ男、そして美濃牛でいけると判断をして著書を買い揃えてみたのですが、黒い仏で評価は急落、そして右肩下がりを止めることができなかった殊能将之です。
いろいろな作風があると言ってしまえば聞こえはいいのですが腰が据わっていないと言いますか、あっちにフラフラ、こっちにフラフラ、その方向性が見えてきません。
冒頭からイヤな感じのあったこの作品も何を描きたかったのか、何を訴えたかったのか、さっぱりと分からないままに読み終えてしまいました。
平易な文章に戦隊ヒーローのようなテレビ番組、これは児童向けの作品なのかもしれません。
ただそのテーマは社会問題として挙げられているものでもあり、ショッキングな結末があり、とてもお子様向けとは言えないでしょう。
それでいて大人が読めば簡単に分かってしまうからくりはミステリーとしても中途半端ですし、迫り来るものものもない、同じものでも子どもと大人では見えているものが違う、世界が違う、悩み苦しみながら大人への扉を開ける、超好意的に見ればそうとれなくもないですが、おそらくはそういうことでもないと思われます。
まだ数冊あるのが気が重く、それが晴れる次の作品であることを願ってやみません。
2017年1月24日 読破 ★★☆☆☆(2点)