雪香の星月夜日記

山口雪香の歌がたり、ささやき、ひとりごと

金魚祭あかりは緋いろ手をつないで泳ぐひらひら夏の夜のゆめ

2008-06-06 20:09:40 | Weblog

    もうすぐに花よと言ひて坂くだる金魚祭すお城の坂を


                         前川佐美雄さんから


 初めて知ったのだけれど、この方「歌の鬼」と呼ばれたとか。

 


 たしかに、鬼気迫る歌、たくさん。


 青春時代の彼の詠草は、純でひたむきだ。


   何といふひろいくさはらこの原になぜまっすぐの道をつけないか

   ひじやうなる白痴の僕は自転車屋にかうもり傘を修繕にやる


 

 山崎方代さんの歌に似る。でも、この方、一途で激しい。まっすぐ。

 まっすぐはいかない人生をさまざま味わい、金魚祭は六十代、晩年の歌。


 
 斉藤史さんもそうだけれど、波乱の生の軌跡が歌のなかにこもる。


 

 最晩年の歌群から眼にとまったもの。

   傷つきてゐるにはあらねどふき出づる血のかなしみは心のうちに

   いろいろのこと忘れ昼の月もわすれ泥々のなかに我ぞありける


 すばらしいと思う。


 

 みずみずしさを保って、生涯詠われた歌人のひとり。



 なにげなくひらいた一冊からいただいた感動。

 
 








 
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女人ふっと味蕾(みらい)うるおす夕まぐれかなしみはなほ月に読まする

2008-06-06 18:17:30 | Weblog

 月読……つくよみ、は月の古語。



 今夜はひさしぶりにきれいな月あかりかもしれない。



 















 
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たそがれのひかり地に這ふ静けさよ声消すときに海は聴こえる

2008-06-06 16:32:07 | Weblog


 ゆうぐれ。


 静寂がはじまると、自分のなかに、いろいろな音が聴こえる、様な気がする。



 



 




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まろやかに瞳ひらけり紫陽花の雨抜けて微笑(ゑま)ふ朝むらさきに

2008-06-06 08:08:35 | Weblog


 梅雨の晴れ間。

 これから数日続きそう。



 まもなく夏の陽射し。


 昨日の霧雨にうっすら濡れた紫陽花、みずみずしく。




















 
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