春に。
母親の透析日は朝5時起きから始まる。通院送迎、買い物、掃除片付け、食事の支度、洗濯。それからチェロ。専業主婦の仕事は多い。それでも自分の時間を作って練習できるのだから、ありがたい。
治る可能性のない病人を抱えていると気持ちが滅入りがちになるが、鬱になるエネルギーを音楽に向けて日常の凸凹を均している。
ペンドローイング レオナルドの聖母子模写。
この原画はダビンチの20代のころの油彩で、とても生き生きとして可愛い聖母だ。後年になると、彼独特の「得体の知れない」微笑が魅惑の要素になるのだが、初期にはモデルの瞬間的な笑顔をリアルに描きとる。これも既に名人芸。
いかにも少女らしく、庶民的な丸顔、ぷっくりした聖母のモデルは誰だったのだろう?
良い日だった。
神に感謝。