雪香の星月夜日記

山口雪香の歌がたり、ささやき、ひとりごと

明日を待つこころ尽くしてけふしまふ塵も芥もいとおしいこと

2011-12-31 08:38:28 | Weblog


 大晦日。



 これから、またすこし、後片付けなど始めるつもり。


 いっぺんに大掃除するのはたいへんなので、毎日あちこちを済ませてきた年の瀬。





 そうすると、思いがけないところにたまっっているごみや埃。



 時間と動作の堆積。






 どこもかしこもピカピカ、とまではゆかないけれど、室内のふしめを自分なりにきちんとして新年を迎えようと思う。





 そんなときに思うのは、やはり震災で、大事な思い出のすべてを「がれき」にしてしまった方たちのこと。

 「がれき」はごみではなくて、それぞれにだいじな追憶、だいじな財産でもあるのに、どうなるんだろうと思った。







 政治も経済も混迷の様相だけれど、困っている庶民と底辺の暮らし、来年にはもう少し建設的に立て直してほしいなあ。




 

 みなさま、健康でよい新年をお迎えください。

 このちいさな部屋を訪ねてくださってありがどうございました。




















 
 



 
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風の手にひきしぼられて逆髪(さかがみ)の美しい夜咽ぶを怖れず

2011-12-29 17:38:29 | Weblog


 夜に。












  
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まぼろしか知りつついのち深みゆく我に沈めて炎(も)ゆる夕光(ゆふかげ)

2011-12-28 16:23:54 | Weblog


 冬のつめたく澄みとおった夕光(ゆふかげ)が射す。




 しばらく前に、貝原易軒のエピソードをふと思い出した。



 易軒と、その老母との対話のエピソード。聡明でしられた母堂とか。



 「母上、女人はいつまで女人か?」

 
 というようなことを、易軒はたずね、七十を越えた母君は、静かに黙って、眼の前の火鉢の灰をゆっくりと火箸で掻いていた、と。


 言葉はなくて。


 灰になるまで。





 『雪香ものがたり』の冒頭に、「美しく老いる、ということのむつかしさ…」というような記述があったと思う。

 つくづくと、この名前にこめられた密度を感じた一年でもあった。


  


 ……。易軒の母君は、うつくしい方だったのだろうか。老境にさしかかり、成人した息子がそのようななまめいた質問をしたくなるのならば、たぶん、魅力的な女性だったのだろう。


 

 今年もまもなく終わる。


 しみじみと、さまざまなことがあったと思う。






 


 









 




 


 
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こっくりと林檎煮詰めぬ茜深く揺らぐ果肉もいづれ呑みこむ

2011-12-27 15:49:47 | Weblog


 林檎のコンポート。




 つまり、林檎の甘煮。



 歌は、すこし深刻だけれど、赤ワインで煮込んだコンポートは、なだらかな食材の多い食卓で、なんだか非日常的な刺激に見える。濃いいろどり。


 とはいえ、クリスマスからお正月それぞれ、祝いごとのお料理みな、すいぶん華やかなのだけれども。赤葡萄酒の深緋色は、和の食膳には、あまり見られないかも。

 茜いろと呼ばれても、日本の小豆いろとは違う。







 よしなしごと。ふと、息抜き。












 
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我が胸にいくつ水底ありしことつまづくたびにちゃぽんと投げる

2011-12-26 15:39:50 | Weblog


 夕暮れに













































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クリスマス花より何も持たぬ朝の百合のすがしさ水に映しぬ

2011-12-26 09:18:52 | Weblog



 朝。




 待降節は、まだしばらく続く。



 でも、巷ではすぐにお正月のしたくが始まるし、始まっている。


  

 花瓶に活けた百合が、ゆっくりと次々にひらいてゆく。ひんやりとした朝の空気、ほのかにその香が漂う。淡い、ゆっくりとした匂いだ。







 夕べは、ご近所の教会のキャンドルサービスにあずかった。御宗旨はちがうけれども、なごやかで、つつましく、こころあたたまる素朴な集いだった。







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いつはらぬ雪の結晶ひいやりと聖夜の指を傷に揃へぬ

2011-12-24 17:14:47 | Weblog


 『未来』新年号がはやくも届いた。



 出掛けついでに、図書館に行って鈴木しづ子さんの句集を借りる。



 『夏みかん酸っぱしいまさら純潔など』


 謎の多い女流俳人。このなかに、句集「春雷」「指輪」をおさめる。


 一句、一句、きざまれるような自己表白。露悪ではない省察。

 このひとの生きざまを語る十七文字。


  雪こんこんしびとのごとき男の手

  コスモスなどやさしくふけば死ねないよ

  月の夜の蹴られて水に沈む石


  ……。


 わたしは橋本多佳子さんのファンで、彼女の裂帛の吐露をいくつも心にとどめている。


  雪はげし抱かれて息の詰まりしこと

  夫(つま)恋へば我に死ねよと青葉木兎

  乳母車夏の怒涛に横向きに


 俳句もどき、を作っていたころ、感動して読んでいた。対照的な女性ふたり、相通うものは、嫋嫋とした風情のなかの鋼のような強さ、だろうか。


 見てくれの佳さを超えて、芯の強さが立ち昇り、ときにたじろぐ。


 口当たりのよさに傾きがちなわたしは、ときにこういう作家に出会うと、息を呑み、たちすくむ思いになる。



 


 


 今夜はクリスマスイブ。

 さまざまなひとが、いろいろな思いをこめて集い、祝い、祈る。


 被災地の方の寒さが、あまりつらくありませんように、と。

 また、被災者ではない、日常の中で、さまざまに疲れ、心いたむひとにも、やわらかな時間がありますように。


 
 このちいさな部屋を覗いてくださったあなたに、良い聖夜でありますように。









 
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雪よただ互ひ触れ合ふ体温の何も持たずにいとしい君へ

2011-12-23 15:34:10 | Weblog


 雪のけはいに。


























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なめらかに打たれむとして汝(な)のうへに崩しゆく午後の我ぞまばゆき

2011-12-21 14:37:11 | Weblog


 午後の光りに。














 





 人しれず絶えなましかばわびつつもなき名ぞとだに言はましものを          伊勢


 などから。



 画像はフランチェスコ・メルツィの「フローラ」










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ひと恋へば雪も桜と降りしきる幻野白ならず恋ふて純白

2011-12-20 12:56:48 | Weblog


 雪の季節に。





 白は……眺めるひとのこころさまざまに、彩を変えるような気がして。



 






















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アルファポリス