もうひとつ、とりとめなく。
いちにちのつとめを終えて。
無事に感謝。とても素朴な感想を、日々抱く、帰り道。
梅雨明けさながらの今日も猛暑。陽射しは六月の今が、いちばん強いはず。
還ったら、郵便が届いていた。ピアニストの友人Naokoさんがギャラリーのレセプションでセッションをなさるそう。
彼女は2月に、フランスのプジョー文化センターでコンサート。「大成功!」という便りをいただいだ。今年、来年と、また渡仏とか。
今回は、ピエール・ルイスの「ビリティスの歌」に挑戦。
彼女の作るオリジナルピアノ曲は、センシティブで美しい旋律。
御本人も、デリケートな、ビスクドールめいた美貌。
しばらく会っていないけれど、DMに映る彼女は以前と変わらない「美少女」だなあ…。
「あなたが愛しくて・ビリティスの歌~マルセル・ベアリュ、ピエール・ルイスに捧ぐ」
7月15日(金) 夕方17:00より受付、1000円(1drink)
問い合わせinfo@ifaa.cc
わたしは行けそうもないけれど、このちいさなブログをおたずねくださる方、御興味湧きましたら、どうぞ。
ギャラリー詳細はこちらhttp://www.span-art.co.jp/main/fset_2/fs_e.html
もうひとつ、見たままに。
肩羽根の伸びる夏空いちめんに瞳かげらず風はうたうよ
ケアのかえり道、まなつの光が夕翳を濃くしていた。
南九州、沖縄ではもう梅雨明けと聴いた。
こちらもなんだかそのような気配。朝はすこし湿っていたのに、まひるにはかんかん晴れ。みんな帽子や日傘。
学校帰りのこどもたちは、焦げ茶いろに肌をひからせていた。
わたしの恋歌は漠然とした、時間や空間への「呼びかけ」のようなものだから、実際に対象があるわけではない。
だから、たとえば万葉集の大伯皇女、佐野茅弟上娘子の歌など読むと、うらやましくもあり、単純に胸が熱くなる。
我が背子を大和に遣ると小夜更けてあかとき露に我が立ち濡れし 大伯皇女
君が行く道の長手を繰りたたね焼きほろぼさむ天の火もがも 佐野茅弟上娘子
真夏になる、もう。
かたづけものをして、ふっとひさびさにチェロを奏でた。
忙しくて数ヶ月弾いていなかった上に梅雨の湿度。
でも、四弦ともあまり狂いもなく、調律できた。
たどたどしく、スケール、それから二つばかりの小品。
さすがに音がこもるなあ……。でも、ほっとする。
こころの揺れ、ゆびの加減、みんなわかってしまう自分の音を聴いた。
ゆっくり奏でて、ケースに戻す。
くもりぞら。静かな午後。
夏椿(沙羅)に。
冬から春にかけて咲く寒椿、藪椿とはまたちがい、わたしはこの花がとても好き。
ひと日のいのちで、咲き散り、あくる日はまた、夢のように淡く薄紅の添うた白いはなびらをひらく。
繊細な、気品ある花と思い。
『ひとさらい』が届いた。
日記帳のようにシンプルな装丁の歌集。
いろんなふうに読む……笹井さんの歌の音色を聞こうと、頁をひらいたり。
野菜売るおばさんが「意味いらんかねぇ いらんよねえ」と畑へ帰る 笹井さん
今日も暑い。陽炎がゆらめいていそうな戸外。