雪香の星月夜日記

山口雪香の歌がたり、ささやき、ひとりごと

初雪は幼きまでにうれしうれしけふ触れるものみな追憶に似て

2012-01-20 08:50:55 | Weblog



 はつゆき!







 豪雪の被害にあっている地域や、雪でお困りの方には……なのだけれど、単純にうれしい。


 窓の外は今、ちらほらと雪。すぐに淡く雨がまじる。




 今、という現実感をなくしてしまいそうな初雪。好ましい、なつかしい思い出だけが舞ってくるような初雪。



 思うままの、舌たらずな、朝のうた。
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ふっくらと被災の祈り暖めむ襟巻きに雪の気配埋めて

2012-01-17 09:30:38 | Weblog


 阪神淡路大震災から17年の今日。




 神戸では追悼のさまざまが催される。




 東北地方からも、3・11の被災者の有志が関西を訪問されたとか。


 


 

 被災だけではなく、ごくふつうの日常を過ごしているように見えても、ひとりひとりの抱える人生のなにがしかは……はたからうかつに推察しようもない。


 




 雪もよいの昨日から今朝、湘南には、まだ初雪はないけれど、伝え聞けば、東北各地は厳寒、豪雪。仮設住宅は、さぞ寒いだろう、さびしいいだろうなあ、と思う。



 ときどき、ほんのすこしだけれど(ほんとに雀の涙で)募金しているけれど、ちゃんと活用されているのか、どうなのか。


 
 ボランティアにもゆけないから、せめて、と小銭を気がついたときに寄付。





 おだやかなこの日々、このいちにちでありますように。
















 
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素のままの膝がしらまるく抱え込み頬寄せる君は野原のたまご

2012-01-15 13:27:56 | Weblog



  やすたけまりさんから、歌集をお送りいただいた。


 『ミドリツキノワ』という、きみどりの小熊のぬいぐるみが、空をみつめるつぶらなまなざしで、こちらを見上げているような装丁も可愛く、手にとった一瞬、童話集かと思った。


 このかたも、未来短歌会の歌人で、第52回短歌研究新人賞受賞、というまぶしい履歴。

 先日の新年会で、たしか受付応対つとめたと思うけれど、会話するひまなども、その日はなく。


 ていねいな献辞で、わたしなどにまで、とよろこびながらも、驚いてしまう。


 ブログもお書きです。「すぎな野原をあるいてゆけば」



 いくつか作品を掲載させていただきます。


   

   おひるだよ よばれて立ち上がったからバケツの国は消えてしまった

   なつかしい野原はみんなとおくからきたものでできていました

   正夢のワクチンとしてムーミンのおなかいっぱい分のまつ葉を




 やわらかくて、やさしくていいな、と思う。

 笹井宏之さんの味わいとは、またちがう。

 短歌……短い一行詩のなかで、たちのぼる、察せられる、うたびとの個性の心地よさ。




 それから……今日の歌は、やすたけさんの作品から、インスパイア



 








 



 

 


 


 
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わたつみに光のぼれり天ぬけて鳥船発(た)つと雲の耀(かがよ)ふ

2012-01-12 09:25:19 | Weblog


 夜明けに。





 新年から、知人の影響もあって、わたしも体力づくりを思い立ち、夜明けに鎌倉山周辺を歩いている。


 月光はもちろん、オリオンや北斗七星、冬の星影がまだくきやかに残る時刻から、うっすらと東雲の耀きが空を潤すまでの1時間を、早足で歩きとおす。

 季節のめぐりはたしかで、ウォーキングをはじめてから十日もたたないのに、星々の消えて夜明けの時刻が日々はやまるのがはっきりとわかる。


 裸木に覆われた山々の景色も、うっすらとやわらかな彩りをほのかに増してくる。


 鎌倉山をぐるりとめぐる道なり、いちばん高みにさしかかると、足元からなだらかに傾斜してゆく丘陵と樹々のはざまに、太平洋のふくらみが薄藍を帯びてまはるか。


 時刻と光のうつろいは、毎日見ていても、ああ、きれい、と思う。



 今朝は、東の雲のかたまりが、空にひろがるおおきな鳥のつばさみたいだった。そうして、まばゆい朝日がきらきらと雲をオレンジに、きんいろに染め、炎のように波だっていた。夕焼けよりも、かっちりとした清い耀きのなかで、海と空と樹木が、北よりの風にゆったりと流れていた。




 自然のめぐりは、なんてきれいなんだろう。



 天の鳥船、は万葉語で、たしか「雲」のことだった。


 この世と異界をわたる空の船。









 


 






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帯解いて身になほ残る裾長の絹に華やぐ夢てふものは

2012-01-10 09:23:24 | Weblog


 8日、未来の新年会に出席。





 受付をおつとめした。かつて、椿の会を宰領していたときのことなど思い出したり。


 本多さんにいろいろ教えていただき、さほどとまどうこともなく、その日を終える。


 昨年、歌集をいただいた保田さまにもお会いできたし、あわただしい日常のひとくぎり、柔らかものをまとうて、華やいだ一日だった。


 保田さまの一首を、こちらに掲載させていただく。


   まひるまの人影ゆきてゆふまぐれしづかに海は詩にかはりゆく


 …海の近くにお住まいの方。


 わたしも由比ガ浜を朝昼夕になじんで過ぎた日々があったっけ。



 夢は過去の追憶も含むものかも。


   うたたねに恋しきひとを見てしより夢てふものはたのみ初めてき       小野小町



 江戸小紋にあわせた帯は、小町の和歌の書き帯にした。





 



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絹の重さ手に測る光沢(つや)なみなみと人肌添ふも祖母の縫ひしよ

2012-01-07 16:53:46 | Weblog

 ひさしぶりに、お着物をまとう予定。



 新年の、あらたまった歌会なので、いろいろ迷う。



 紫の江戸小紋にしようと決め、それからまた襦袢選びに。帯に帯締め、半襟、裄丈、着丈、と和服小物の格をそろえようとすると、もろもろ手間取る。


 一年に何度もあることではないし、これからまたせわしなくなることだし、と気長に構えることにし、あれをひろげ、こちらをひもといて、などしている。


 わたしの着物は、振袖を除いて、ほとんど祖母の手縫い。


 手先の器用だったひと。麻の葉もようがことにすきだった。





 着物の重さは、人肌の重さ。かるがると見えて、しっとりと重い。

 そうして、人の加齢と同じように、時がたつにつれ、やわらかく、すこしずつ軽くなってゆく。




 この江戸小紋も、何十年も前のもの。ためしに羽織ると、肩先から背にかけて、しんなりと絹がくずれるように添うてくる。良いのか、悪いのか、これはあたらしい着物にはない感触。


 明日上手に着付けられるといいのだけれど。












 


 
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空白のひそかあふるるからだごと我抑へむと雪の深かり

2012-01-05 16:45:44 | Weblog


 夕暮れに






 さまざまな情緒の濃くなる時間なのか、ふと放心して空や雲をながめやる。



 鈴木しづ子さんの句に、


  花吹雪岐阜に来て棲むからだかな


 とあり、一句のなかの「からだ」という言葉のなまめきに眼をみはる。




 体当たりで生きたひと、という伝説がくっきりと語られる。


 とはいえ、短歌、俳句、さまざまな形で自己表現をつづり、内面と外の世界との隔たりを言葉で、行為で、表現で埋めようとするなら、誰であっても「からだをはって」生きたということなのではないかしら。


 


 いま、手元にあるアンソロジーをぱらぱらとめくり、


  旅人のぱっと椿になりにけり 

  余生とは菜の花に手の届くなり                


 これは中尾寿美子さん、という永田耕衣門下の方の句。ああ、いいなあ、と思う。

 こういうふうに、晩年をうたってみたい。







 





 


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コロッケをからりと揚げて松の内仕事始めにさくさく食べる

2012-01-04 09:29:38 | Weblog

 訪問してくださるみなさま、あけましておめでとうございます。

 今年も気持ちよく覗いていただけましたらうれしいです。




 









 で、今日の予定。






 ポテトコロッケを上手に揚げて、ケアのお稽古(?)



 調理器具や食器に不慣れなケア先でのお料理は、そんなにむつかしいフクザツなものでなくても、ちょっと緊張するので。


 利用者さんからどんなリクエストがあっても笑顔でできるように、念頭の抱負。

 もちろん、利用者さんはやさしいので、ワーカーを困らせるような無理はおっしゃいません、念のため。

 ふつうのものを、ふつうにおいしく作るレパートリーを増やすのが、今年の目標のひとつです。










 



 


 
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アルファポリス