雪香の星月夜日記

山口雪香の歌がたり、ささやき、ひとりごと

桜吹く遠野の風やほのぼのと薄くれなゐに朝も匂へり

2012-03-28 07:58:07 | Weblog


 桜の気配、各地で。


 今朝方も、窓をあけたら、さわやかな大気が流れ込んできた。


 沈丁花、水仙、梅に蝋梅、木瓜。そろそろ連翹雪柳もしや。


 染井吉野の繚乱は、その薄紅がとらえどころなく、あわあわとしているからだろうか。

 見る人の追憶幻想、なつかしむ心をかきたてる。






 こんな季節は、やっぱりお能が見たいなあ、と思ってしまう。








 今日も、今のわたしの手でできることを、こまやかに果たせますようにと願う。



 やさしい、深い音色でチェロが響きますように。














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ひそやかにわかれむとして君の頬に呼吸(いき)触れしごとひかる星空

2012-03-27 19:50:56 | Weblog


 星空に。




 昨夜、今晩と、めずらしい星並びがあるとか。













 星の語源は「欲し」なのかしら?

 そうかも……。




 春。わかれと出会いのめぐりめぐる季節。























 
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まなざしに空よかげるな幼年期のしゃぼん玉まだ羽根しか知らぬ

2012-03-26 15:33:18 | Weblog


 昨日だったか…童女が性的に虐待され……という記事を読んで。


 十歳と、もうひとりそれよりは年長の少女だったと。みずみずしい、やわらかい心に、どんなむごいものが残ったろうか。



 彼女たちはながいこと苦しむだろう。忘れても、「忘れられない」何かが、生涯残るかもしれない。


 日々に、無惨なニュースがたくさん報道される。たぶん、日本中に世界じゅうに数知れず起こる。




 ミゼラブルを経験せずに成長した魂は幸福だ。

 時折思う。


 この情報過多の時代、日常的に次々と「悲劇」や「陰惨」がニュースになってしまう。

 そうすると、文字に託された被害者の心を読み取る感覚が鈍くなってしまい、ひとつずつの記事の向こうがわを思い描くことは、あまりしなくなってしまうかも、と。


 でも、ちいさいこどもが、理不尽につらい思いを味わっているのは、ほんとうにかわいそうだ。抵抗することなんか、できっこないものね。


 幼年期、少女時代は、まだ心柔らかく夢いっぱいで、過ごしてほしいものなのに。


 飛んでゆく空しか見えないしゃぼん玉。


 そんなことを考えた。










 


 
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ガラス窓の雫ぬぐひて歌ひつつ指さへ透(とほ)る朝の光りよ

2012-03-26 08:59:19 | Weblog


 さわやかな朝。すっきりと晴れる。



 窓ガラスの雫をふき取ると、ななめの光線を反射しながらきらきらとこぼれる。


 今日はだいじなoffのいちにち。


 全部の曲の流れなど、おおまかにまとめてお稽古したい。


 できることを、まめやかに遂げられる今日でありますように。








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ゆふぐれにほのか朱ともす絃置いて両手のほてりお疲れさまと

2012-03-25 17:51:30 | Weblog


 いちにちを終えて。



 今週、ちいさなリサイタル。時間のすきまを選んで、お稽古。




 聴いていただいた方に、なにかひとつぶでも「よかった、気持ちいい音だった」という演奏を願って。






 
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沈丁花風彩(かぜいろ)含む背を向けてうつくしかりし春の球宴

2012-03-23 07:39:23 | Weblog


 昨日、高校野球の試合のいくつかを、垣間見て。



 勝っても、負けても、彼らのすっきりと伸びた姿勢は、たくましく、うつくしかった。



 どこの高校、地域を問わない。精一杯のちからを尽くすきよらかさを見た記憶。







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人形のごとく古びしメモ破(や)りつ雪消ゆる野にしずく新鮮(あたら)し

2012-03-23 07:30:10 | Weblog


 山ふかみ春とも知らぬ松の戸に絶えだえかかる雪の玉水          式子内親王



 昨日とはうって変わった寒い朝。


 夜明け前から覚め、雨音を待つ。午後の通い道は、たぶん雨。


 温暖な湘南なのに、いまごろ梅などが満開で、季節のめぐりは、一足おそい今年。


 木々の芽ぐみはそれでもつややか。窓を開けると、ほのかに沈丁花の気配。















 
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ほろほろと心ひらきぬ春はこぶ桜鶯ありし日のこと

2012-03-22 15:28:33 | Weblog


 桜餅と鶯餅、道明寺。


 仙太郎の和菓子は、古風で。

 ひさびさに友人と会って、おみやげにいただいた。


 互いの過ぎ来しかたを縷々話す。

 彼女は、以前と変わらない、おっとりした、芯の強い笑顔で終始。

 自分の経験を生かして(生かされて)あたらしいジャンルで健闘している姿が、気持ちよかった。

 しょっちゅう会えるひとではないから、たまさかの対話がたのしい。




 桜の開花はもうじき、かな?。

 


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春風を待ちくたびれて手袋の毛玉撫でつつまた嵌めてゆく

2012-03-20 08:37:55 | Weblog


 今日は春分の日




 でも、まだ北風とか。


 一冬に、ふたつくらいの手袋を普段用でかわりばんこに使う。


 去年は、そろそろ手袋をわすれがちになっていたかも知れないのに、今年はしっかりお洗濯して、今朝も、きっとまた嵌めてゆく。


 毛糸の手袋、ちょっと疲れ顔かな

 モヘアのポワポワがすりへってきたみたい。













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心臓のみぎは追憶ひそやかに寄せる波間に君はたたずむ

2012-03-17 12:24:24 | Weblog


 誰に、というでもなく、追憶のうた。



















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アルファポリス