雨上がり。春は曙。てらいなくそんなつぶやきがこぼれる。
あたたかい陽の光、雲を追いやる。
昨夜来の風雨をふくんだ土から、この暖かさのおかげで、たくさんの春が芽生えるだろう。
どこかでは、彼岸桜なども咲いていそう。
晴れやかなことが大好きだった清少納言、枕草子の書き出しは、ほんとにいきいきしている。
更級日記の冒頭なども思い出す。「あづまぢのみちのはてよりもなほおくつかたにおひいでし……」
どちらもみずみずしく、なにか、とてもきれいな音楽のテーマのよう。
春の歌。
メンデルスゾーンとか、唱歌の「春の小川」とか。
そんな陽射しになりそうな。