形ある人こそ見えね花の香の仙女の影を踏みし没日
万雷に七夕竹の荒るるひまふたつの星はひめごとに消ゆ
ややもせば後れ先立つ風の間に見ぬ恋やるかたもなくうたふかなしき
いろもまた恋にかあらむ朱の実をくはへうつろな鬼の休日
バローロとグレゴリオ聖歌にうべなひしあらたまの春誰も知らえず
なやらひのはての真闇に澄みわたるぬばたまの淵星の香の晶
花さやぐわれの念ひにひだる神放ちてゆゆし鬼に豆打つ
けふの曲(わだ)流砂の上の虚貝(うつせがひ)ゆふぐれどきの死者の仮りそめ
日高さんが玲瓏に寄稿された題詠「鬼の休日」20首のなかから、ランダムに選ばせていただいた。
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先日に重ねて、こちらから日本画風のコンテデッサンをまたいただく。洋画クロッキーとは肌合いが異なり、モデルの柔和な表情も印象的。
どれもこれも、拙著のお返しにはあまりに価高い品々で、ただもう丁寧に部屋に飾らせていただきました。
裸婦デッサンのコピーも添えてくださったので、それも紹介する。日高さんの楷書の筆のうなりには眼をみはったが、コピーのデッサン、クロッキーいずれも、モデルの量感をずかりと大胆な線で捉えていらっしゃる。
ありがとうございました。
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