雪香の星月夜日記

山口雪香の歌がたり、ささやき、ひとりごと

蕊に浮かぶ追憶いくつ如月の花の樹下には袖のみ残り

2009-01-29 08:57:12 | Weblog

 白梅紅梅、まっさかり。




 人はいさこころもしらず ふるさとは花ぞむかしの……       つらゆき


 この季節、そんな古歌を思い出す。



 
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七日経てなほ水澄みぬ切花のかおりたつ朝は天窓のごと

2009-01-27 11:17:07 | Weblog
 今朝もさわやかな光。


 すこしづつ、春のけはいだろうか。

 ミス日本に、高校生、17歳の美少女!

 わあ、きれいな子、かわいいなあ。


 ショッキングピンクのビキニなんて、わたしは苦手だけれど、こういうはなやかな催しには陽気でいいかも。

 こういう美人さんたちなら、なにを着たって似合うから、何色でもきっとすてきだろうな。

 全国一の美人さん、小柄、とはいえ165cm。わたしより大きい。


 宮田さん、親しみやすく明るい、いかにも和風の美貌。

 ミスユニバースでも健闘してね。


 あかるい話題。こういうのはいい。


 源氏物語にも、何度も書かれている。

 「きれいなもの、うつくしいものを見ると、命が延びる」

 
 今回は、外見だけじゃなく、雰囲気、というか内面的な印象の佳さも評価されたそうだ。

 長谷川時雨さんの「近代美人伝」なども、そういったことが縷々書かれていたっけ。

 いやおうなしに時は流れ、年を重ねてゆくのだけれど、こころのすがた、かたち、きれいでありたい。

 

 

 

 

 先週から花瓶に活け続けた水仙。毎朝水切りして、すこしづつ散っては咲いて、残った花は、まだきれいに褪せない。

 朝の光が、花瓶に触れる、その瞬間に香りがさあっとたちのぼる。


 空からだけではなく、花のなかから、べつなひかりが射しのぼるよう。








 今日も、ていねいに過ごせますように。できるだけのことができますように。

 画像はアンダーソンの「絵本」

 
 彼女の作風だけ眺めていると、ラファエル前派とも思えない。健康的な。

 よきビクトリア朝、というのか。



 
 


 














 
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なだらかに髪をまとめぬふゆ空のとほさ朱色の帯など締めむと

2009-01-25 08:13:21 | Weblog

 ココア。




 窓を開けたら、きれいな晴れた空。駐車場の車の屋根に、まっしろな霜。

 おせんたくものを干したら、蒸気がふわりとたってびっくり。

 道理で寒かったわけ。


 朝起きて、勉強する。ねむたい眼がぱちぱち。なんだか昔の受験生時代みたい。

 むつかしいけれど、勉強はたのしい。


 お稽古も好きだった。いまも。



 たまには、ウールのお着物、出してみようかな。

 普段着だし。

 冬だし。




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夜の布をてあらひするとわたつみの記憶のぼれりyokushituのそこ

2009-01-24 21:38:03 | Weblog
 夜に。




 めまぐるしく終わった、今日も。


 詠えるとほっとする。


 時間を埋め尽くす現実のすきま、ちょっと幻影を見たい。











 くらげの記憶。海のゆらゆら。




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ありしこと夜のねむりまへさざめきぬ体温持ちて水は母なり

2009-01-23 21:41:42 | Weblog



 いちにちのおわり。


 今日も、すきまなく時が流れた。


 束ねたままの。


 髪を梳かそう。









 画像は、「命の天使」


 ふしぎな絵。













 
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折りとりし水仙の茎かれは誰ぞ銀の十字架ひとしき慕情

2009-01-21 16:36:32 | Weblog

 たそがれ……に。

 
 山辺は、いまちょうど、野水仙の群落たくさん。


 ケアワークであちらこちらへとびめぐる道すがら、いたるところに咲きのびる。
 

 ありふれた花なのだろうけれど、わたしは大好き。


 今もとなりに活けている。


 すっきりした芳香に、かすかに、土のけはひが混じる。それがいい。


 水仙、雪割草、クリスマスローズ、クロッカス。

 
 白梅紅梅、もう盛り。


 大寒すぎて、春の予感。


 今日もさむかった。明日は雨もよい。みぞれになるだろうか。


 すこし湿度があると風邪ひきのひとはらくになる。


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透視するまなざしよ空へ風となれつばさびとA・ワイエス逝きぬ

2009-01-20 08:29:21 | Weblog


 アンドリュー・ワイエス逝去。91歳と。


 日曜日の日経の文化欄で「クリスティーナの世界」が取り上げられていて、そこに彼の訃報が記されていた。

 ああ、と思った。わたしはこのひとが好きだった。絵も、生き方も。

 死をいたむかなしみよりも、もっと深い感情。

 「クリスティーナの世界」をみたとき、少女(と思えた)の痩せた背中から天空へむかって、大草原の風が、さあっとふきあげる、その音が聞こえ、その大気の感触が頬に触れるような気がした。

 風と光と、大気の流れ。


 緻密なテンペラ描写は「単なるリアリズムではなかった」と。


 今朝の「文化往来」からの引用。

 
 ……「何を、どう見たか」を描く。(文化往来)


 ワイエスの視線、わたしは大好きだったし、たぶん一生好きだろう。

 

 遠ざかってしまった森や、水、さわやかな天空、海からの風。

 質朴に生きて、まなざしの輝きをうしなわないひとびと。


 Bunkamuraに行けなかったのはざんねんだけれど。


 自分のなかに、彼と共鳴するものがあることを、わたしはとてもだいじに思っている。

 
 自然と人、生き物にたいする、誠実な愛情、彼の作品のなかに見て。

 

 
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つぶらかに恋ふる記憶よ遠語りの姫棲む宮を嗅球として

2009-01-19 13:26:18 | Weblog


 先週にひきつづき、午後キャンセル。


 脳で、記憶をつかさどり、匂い、香りなども係わる部位を嗅球と言うそう。

 新聞記事から、ちょっとまめ知識を仕入れて。


  五月待つ花橘の香をかげば昔のひとの袖の香ぞする

 
 これは伊勢物語。橘の花の香気が、昔の恋人の思い出をいざなう、と。


 ケアに入り、すこしずついろんな利用者さんとの関係がこまやかになってゆく。

 認知症では、多かれ少なかれ、記憶がうすらいでゆく。

 身体感覚のなかでは、嗅覚も曖昧になる。



 いつも思う。

 人生の終わりに洗われて残るすがたが、どんなたたずまいを見せるのか。
 
 感情だけは衰えることなく、むしろ「研ぎ澄まされ」敏感になるのだという。



 むかしの記憶を何度も語る。

 思い出、追憶。

 あたらしいことは忘れてしまっても、遠い日のできごとは思いだせる。

 離ればなれの小島のように、時間の海に浮かぶ思い出。


 それがやさしいものであったら。

 御伽噺のようでもいいから。かなしみやくるしみではなく。




 今朝の日経新聞の「街かど人物館」

 視力を失った古矢さんという方、同じ障害を持ったひとの「外出しやすい環境づくり」のために、携帯でアクセスできる音声地図を無料で配信するホームページをたちあげたとか。

 御自身が視力障害を持ちながら、それでも、おひとのために何かできるだろうか、と決意された。


 なにかできるだろうか、困っているひとのために。


 そんなニュースは、この恐慌時代、心をあたたかにしてくれる。

 
 わたしも障害者さんのガイドヘルパー資格をとりたいなあ、と思う。
 
 資格がすべてではないけれど。

 
 学ばなければわからないことが多いから。



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少女想ふ時間聖堂逸れゆくとキリストの眸(まみ)に翅(はね)の射られし

2009-01-18 12:53:18 | Weblog


 少女時間、少年時間


 すっかりおとなになってしまった今も、こころのどこかに濃い甘さで残っている夢の古巣。

 ふと放心すると、かたちのさだかでない、曖昧なそのけはいがたちのぼってくる。



 顔をあげて、正面のキリスト像を仰ぐと、復活の主のひとみがおおきく見える。


 わたしは肩をすくめる。


 

 

 御聖体は、今日もおいしかった。

 ぱりり、とかるい音が口のなかではじけて溶けた。




 画像は、ソフィー・アンダーソンの「鳥のうた」あるいは「さえずり」

 アンダーソンは、耽美的なラファエル前派なのだけれど、とても健康的な少女たちを描くので好き。
 
 ひょこっと、そこらの近所にいそうな女の子たち。




 


 
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森に湧く泉のようにくちづけて熱を退かしむマリア・ナディア・スミレコ

2009-01-17 14:55:10 | Weblog


 すきな女なまえ三人。


 女性の名前はファンタスティックでいいな、とおもう。


 ナディアは、ブルトンのナジャのロシア名でもあるし。


 


 風邪のようやく抜けて。

 スミレは、栽培種のパンジーではなくって、早春の野に咲く青紫の、かわいいちいさな花がいい。

 ヴィオレッタ。






















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アルファポリス