雪香の星月夜日記

山口雪香の歌がたり、ささやき、ひとりごと

音のうらのふと狭まりぬ青草の翳り追ふごと何を急ぐか

2015-04-29 18:59:46 | Weblog



 お稽古を録音して耳で再度確認。スマホは便利だ。使い慣れなくてもたもたしていたが、二日目で少し慣れた。



 本番は、演奏だけでもお稽古の十倍の負荷がかかる。プラス台詞とジェスチュアの芝居が入る。だから録音で焦るくらいでちょうどいいのかもしれないと思う。


 わたしのようなぼんくらチェロでも、ただもくもくと時間をかけて弾けば、どんなレベルであっても、これからも、一生、死ぬまで成長できるだろう。

 聴きなおせば、一粒の音の裏が足りない。これは昔から口を酸っぱくして諭されたのに、先急ぎしてしまう。こういう心では音楽がせこい。

 ゆったりたっぷり、奏でよう。






 縁起でもないが、自分がみまかる日は、チェロと三味線を気のすむまで弾いて、後片付けをし、お風呂に入って、一番好きな和服を着て、好きな人たちに見守られて、清潔な布団に入って、機嫌よく、この世にさよならしたい。


 好きな人、とは家族だろうか? それとも…。これからの世の中で、ひとびとはどのようなみまかりかたをするのだろうと想像する。家族があろうとなかろうと、たぶんサザエさん的な世界とは、もう多分遠い。デフュージョンした個の世界だから。

 私は心底しぶといから96歳まで達者で生きる。なぜ96なのかわからない。ふとその数字が思いついただけだ。


 長生きしたほうが、自分を生み出してくれたこの世に、たくさんのお礼ができそうだ。



 ちゃんと、自分のためにお金稼ぎもする(お





 芸は身を助けてくれる。心も。



 そう言い聞かせつつ、自分のつたないお稽古録音を耳に入れた。つじつまが合ったな、と聴けたらそのうちネットにアップするかも。





 
 お耳よごしならスルー。あしからずどうぞ。




 




 



 



 



 
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葉脈を静かに伝ふ心には羽根伏すごとく夕空の見ゆ

2015-04-28 16:52:57 | Weblog



 夕べに









 起伏なくなだらかに終わる。






 ずっと静かにおだやかな日々が続くといい。窓を開けると、山の松の新緑が匂う。






 
 これから、もうすこしチェロを弾きたい。疲れたけど、ノルマplusの1時間が作れるかしら。






 感謝
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ゆふべ君は水をこぼしぬ膝のうへに波をすくふと一番星よ

2015-04-27 18:13:02 | Weblog
 


 ゆうべに。





 ひととおりのことはすませた。











 丁寧に努めたと思う。


 さて、女優としての側面を強調すると、今の介護の仕事とどうかねあいをつけられるかと考える。


 短時間労働なので、物理的な面はいまのところ問題ない。

 心理的、社会的人間関係で、齟齬が生じないだろうかと考えることたびたび。

 地味で質実な職域だから、このような一見派手な自己主張を見せると、ゆるやかにしても、まっとうな仲間意識から省かれるに違いないと思って、今までずいぶん抑圧してきた。

 社会的な未成熟や自分達とのそこはかとない違和をうすうす感じながら許容し、加えてわたしのパフォーマンスに足を運んでくれる同僚もいる、という周囲の大目もあった。介護福祉とはいえ、とりわけおだやかな今の職場環境だからできることだ。


 異分子は弾かれるのが集団の自然な流れだが、多様性を認めて集団の流れをふくらませる、という方向もある。こんなことを自分で書くのも…だが。



 芝居お稽古とうかれているだけではない。日々精進はほんとうのこと。現実から遊離したファンタジーを具現しようとするなら、余計にリアルは精確につとめなくちゃと励む。


 自分を信じて。





 感謝。

 
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海風をひかりと聴かむさやさやと心揺するよ飛び立つほどに

2015-04-26 17:20:05 | Weblog


 さわやかな一日だった。



 スマホを買って、昨日今日、仕様に手間取る。結局、こまかいところは親切な夫が手伝ってくれた。


 試しにとりあえず使ってみると、写真がとてもきれいに撮れるのでびっくり。いろんなネットワークにもすぐ入れる。



 こうしてヴァーチャルがリアルを覆う時間が増えていく。わたしのアクセス時間は多い方だろうか、どうだろうか。







 カーミラのお稽古をすませ、これからすこしチェロを弾く。休日はたくさんの予定は入れない。のんびり過ごそうと思う。




 りきんだわざとらしい声色はいやだから、ナチュラルな情緒表現で多人数を演じ分けたい。






 わたしは成長したろうか。



 人格は演技に、表情に、挙措にまた声に現われる。きれいな姿勢と、精神でいよう。


 役者は、自分自身が作品だから。





 








 






 こんな日は海へ行きたい。





 鶯が聞こえる。





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風のこゑは耳すれちがふ囀りと若葉のそよぎ夏は近しも

2015-04-25 10:14:29 | Weblog


 新緑に







 ユーチューブに「カーミラ」全部アップロード完了。






 週末退屈だったら、お覗きください。

 画像は全体的にややソフトフォーカスですが、声はまあまあクリアで、伴奏のチェロの音は、ことにラストがとてもいいです。



 もしかしたら、世界でもっとも長い一人芝居かも、と思います。

 ものがたりがだいすきで、夢中になって読みふけったこどものころと、お芝居をしているときの心のありかたが、ほとんどかわらないのです。単に機械的におぼえる記憶力、というのと演劇とは違うような気がします。





 文学がこれからも良質な夢と希望、ファンタジーを読者に与えるメディアであってほしいと願います。














 
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腕(かひな)より果てなき空へ海へまたあなたの陸へと本たちは飛ぶ

2015-04-24 15:24:12 | Weblog



 ユーチューブに「吸血鬼カーミラ」其の2をアップしました。中盤41分です。


 地顔は、まあ、どう見ても、ファニーフェイスながら、お芝居ではたいてい絶世の美少女そのほかをぬけぬけと演じています(え

 いえ、芝居にのぞむときは、いつも、演じるものがたりの世界に入って、すっきりと美しく立つようにこころがけています。





 兼好法師の「徒然草」にこんな言葉がありました。


 「見ぬ世のひとを友とする」


 わたしの小説を呼んで共感してくださった方、そして画像を見て微笑み、苦笑し、楽しんでくださった方。


 リアルでお会いできなくても、雪香のもっともピュアな世界に感情移入をしてくださったあなたがたこそ、わたしの大切な友人と思います。














 




 
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お祝いのロゼ、シャンパン

2015-04-23 18:23:38 | Weblog


 港の人から出版祝いをいただきました。思いがけず、嬉しかったです。


 帰りがけにたらば書房にも寄って、「海の器」の店頭平積みを眺めました。



 都内のいくつかの書店でも、扱ってくださるそうです。もしかしたら、このブログ読者のお目に触れることもあるでしょう。

 


 手触りのいい、持ち心地のよい装で、料紙の白銀の表紙も、繊細です。

 自分の心に描いたのぞみどおりの本の誕生に、出版社、デザイナーさん、編集さんに感謝。



 いい日でした。
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港の人日記

2015-04-22 13:56:42 | Weblog
 
 『海の器』について、版元の方がこんな紹介文をくださいました。

 ナチュラルで純粋な愛のすがたを追求したかった、若気のいたりとはいえ、タブーとされるテーマを選んだその当時の気持ちを、よく汲み取ってくださり、うれしいです。


 このブログをお覗きになる方、十代、二十代、いらっしゃるでしょうか。狭い世界ながらも、そのなかでいろいろな風景を眺めた私としては、何か悩み事を抱えているかもしれない若いひとたちに、自信をもって生きてね、と言いたい。何の自信かと問われたら、あなたがあなたであることが、自信なのよ、と答えます。

 あなたはあなたでいいのよ、と。

 感謝。



 画像は自作の油彩。最初に描いたたどたどしい習作ですが、気に入っています。


以下「港の人日記」から……






2015-04-17



小説『海の器』を刊行しましたCommentsAdd Star

刊行書籍

『海の器』を刊行いたしました。鎌倉在住の女性作家、山口雪香さんによる小説です。山口さんは、歌人であり、女優であり、音楽や絵画もふくめさまざまな分野の芸術に通じていて、その教養の幅広さや美意識の高さが結晶化されたような作品だと言えるでしょう。装幀に使った絵も、山口さんの作品です。

物語の舞台は鎌倉。若く美しいふたりの女性(冴と朱鷺)と、美しい青年(樹)、この3人の心模様と成長を描いています。恋愛とか、憎悪とか、そんな単純な言葉では言い表せない繊細な精神性に、鎌倉の自然、人間の身体や仕草、ファッションや音楽、文学、アート、そんな世の中のあらゆる美が織りこまれ、複雑な色合いをもった作品になっています。さまざまな美を観察し、体験し、ふかく味わってきた人だけが書ける世界に違いありません。そしてこの小説は、作者の手によって20年にもわたって大事に書き育てられてきた作品なのです。



『海の器』を最初に書いたとき、冴や朱鷺、樹はわたしの友人でした。それから二十年が過ぎ、物語の中の彼らはわたしの子供のような年齢になっています。海風と空の青、樹々のそよぎ、渚のしぶきから、無垢な彼らは妖精のように私の中に現れてくれました。あなたの心が彼らのものがたりをいっしょに生きてくれたらうれしいです。(著者あとがきより)


物語には、時折、激しく赤裸々な性愛の描写も登場します。エロティシズムというものが人間にとっていかに大切なものなのか、若い3人が訴えかけてくるかのようです。







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朝の葉のさやかに告ぐるこのときのふたたびは見ぬきらめきを君へ

2015-04-22 07:25:41 | Weblog


 朝に。







 時間は過ぎ去って二度と戻らない。さまざまなことがあった、と「カーミラ」をアップして思う。



 迷いもあったが、習得した技芸をあきらめず続けてよかったと思うのは、いつも、誰に対しても、クリアで、優しい心を保てることだ。

 自分のなすべきことをみつめていれば、いじわるなど考えない。おかしなねたみも湧かない。少なくともわたしは。

 競争しようと、意地悪を考えようと、それで進歩するなにかがあるわけではない。心がいびつに濁るだけだ。


 よい刺激なら、喜んで吸収する。


 あらゆるものに好奇心を持ち。


 天使の絵、自作デッサン。これもマニエリスム。


分かる人はわかると思うが、こんなめにあった人は歴史上いない、と思う。わたしにとって「さらに」は人権侵害と人間不信を象徴する単語になっている。

 これはわたしのせいではなく、周囲の人間の心の歪みのためだ。奇怪で、いびつだ。気味が悪い。


 人権が守られる時代は終わるということか。たぶん、わたしひとりではすまないだろう。


 しかし、よこしまな作為にはくじけずに、生きることを喜びながら大切に過ごそう。





 これからも過ぎ去る一瞬を丁寧に。




 感謝とともに日々を過ごす。
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カーミラ初演映像

2015-04-21 22:29:58 | Weblog
  

 youtubeに「吸血鬼カーミラ」初演映像をアップしました。12年ほど前の「椿の会」の催しでした。


 cello伴奏は山口椿。場所は銀座金春通り「貴族」。


 全上演時間は2時間10分です。とても長いので、3回ほどに分けて順次アップいたします。


 あらためて椿さんのチェロの確かさ、強靭な音色に驚いています。この夏はわたしひとりで演奏と芝居をこなしますが、師匠とは、ほんとうに超えられない山だなあと感じます。

 

 よほどお時間にゆとりのあるとき、お覗き下さいませ。御照覧を。





 
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アルファポリス