未来の歌人、谷とも子さんから第一歌集をいただきました。
杉のしおりの匂いがさわやかです。
いくつか、谷さんの歌を掲載させていただきます。
逆光にいくつも浮かぶ宿木は許されてゐるこころの丸さか
出来ないと言へたらどんなに軽からう 袋ばかりがあふれるごみ箱
木とわたし話すことなどもうなくて霧にからだを湿らせてをり
谷側へ下りてはいけない暮れやすきものを呑み込む水の音する
雪になりそうな雨ならば待ちませう手のうへにもつとかたちが欲しい
水槽にかほ照らされて私たちまるで平和の目前にゐる
ここにゐない人を言ふとき一斉にさくらの花芽ふくらむやうな