五月は聖母月
ロザリオの月。薔薇は聖母の花と。百合も。
うたわれぬこと。
薔薇玉をめぐる静けさ。帰去来。
今日も、いちにちのつとめを半ばすませた。できることを遂げて。
夕方から夜にかけて、いくつか果たしたいことは残る。
ケアワークを始めて、毎日が自問自答の連続だった。できるかしら? だいじょうぶかな? 今日はどうなることか……できるだけのことを丁寧に…せめて。
そんな積み重ねで足掛け二年が過ぎた。
人生の出来事を、表面だけ知ることはできるけれど、こころのなかの揺らぎや清濁のさまざまは、わからない。
時間が、静かに流れてゆけばいいと思う。それでもときに波風はたつ。
うら若いきよらかな十五歳の聖母。
……なまみの彼女の心に去来した想い……祈りを、わたしはときどき想像する。
画像は聖母ではなくって、ふつうの「羊飼いの少女」 ブーグロー。
まっすぐできれいなまなざし。