雪香の星月夜日記

山口雪香の歌がたり、ささやき、ひとりごと

身のうらを灼きたる夏の幻想の濃き影揺する君はいまさず

2022-07-29 20:37:00 | Weblog

 真夏の潮騒と風音に。

 


 生きてよも明日まで人もつらからじ
   このゆふぐれをとはばとへかし


 強い陽射しの作る濃い緑蔭を眺めながら、平安時代末期、式子内親王の有名な恋歌を思い出した。

 彼女独特の激しい歌いかたは、古典和歌とは思えないほど。恋人を甘く優しく誘うどころのレベルではなく、相手に挑むような、試すような、真っ直ぐな情感で、新古今調の技巧を凝らしているとも言えない。まるで明治の明星短歌、与謝野晶子のようだ。いや、晶子ならもっと色っぽく、男の好き心をくすぐるだろう。

 式子内親王は生涯独身で、少女時代を伊勢斎宮として神に仕えた。都に戻ってからも浮いた噂は皆無で、和歌の世界で繋がっていた藤原定家などが彼女の恋人ではないかなどと憶測されているが、現在まで研究諸説あり、多分違う。
 
 彼女は、幻想の光源氏、あるいは伊勢物語の主人公である在原業平に向かって歌い込んだのではないだろうか。平安時代初期の実在人物在原業平は、禁域の聖少女である伊勢斎宮と艶聞をたてた美男で、多感な式子内親王のロマンティシズムを掻き立てたに違いない、と私は想像している。

 そんなことをぼんやり考えながら、涼をくれる風音を喜んでいた午後だった。
 
 愛と感謝。
 
 
 
 
 
 
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がらすだま金魚猫犬小鳥虫ちひさきものはすべてうつくし

2022-07-27 21:36:00 | Weblog

 枕草子の真似^_^

 行方不明の金魚は帰ってこない。

 からっぽの水鉢は寂しいので、残った金魚たちの住処レイアウトを変えようと思う。

 


 
 今日はテレビで久しぶりに「ハンニバル」を観た。原作よりだいぶ柔らかい、一般向けの口当たりにされていたが、面白かった。


 先日は「ジュラシック・ワールド」を観たし、今夏はテレビの映画漬けになりそう。
 thank you Mr Spielberg.

 時々映画館に行きたいと思うけれど、家事のできない、病気の家族を残して、なかなか外出できない状況。

 愛と感謝。




 
 

 

 
 

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天に泳ぐ金魚を見たかこの次は恵まれた子に生まれ変はれよ

2022-07-26 20:50:00 | Weblog

 大事にしていた金魚が、留守中、庭の金魚鉢からいなくなってしまった。しばらく前に怪我をして死にかけた子だった。
 急いで手当?し、隔離して労り、水換えなど適当を測って毎日毎日、朝晩様子を確認していた。
 この数日、ぼろぼろだった鱗が滑らかに生え揃い、ようやく普通にエサを食べるようになり、私の近寄る気配にも怯えなくなり、すいすい泳ぎまわって、すっかり元気になったところ。
 なのに、誰かが鉢から。。。
 庭の水鉢には金網を被せ、その上に重石や板を置いている。猫やカラスの仕業でない。帰宅した私が板や重石を開けるまで、それらは朝と同じようにきちんとしていた。金魚を掬ったあと、人の手でまた元に戻したとしか思えない。

 人間はこんな悪意を仕掛ける。悲しくて口惜しい。防ぐために、私はなす術がない。

 戦争なども。

 


 
 金魚ちゃん、死んでしまったなら、すぐに幸せな人間の子に生まれ変わって、長生きしてください。神様にお願いしますから。

 愛と感謝。

 


 
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月あかり庭を包みてやはらかし夢に憩ふも平和ありてぞ

2022-07-25 16:58:00 | Weblog

 油彩F10号  月の園


 




 
 世界各地で戦争や災害、病が絶えない。

 こんなふうに絵を描いて楽しめるのも、日本社会がまずまずおだやかなおかげ。
 
 それが日常当たり前となって、どこかの辛口メディアからは、平和ボケなどという舌打ちも聞こえる。

 病んだ老親を抱え、また家族の通院入院に寄り添い、もう56歳の私自身も、はっきりと忍び寄る老いを自覚するせいか、日本の平和、自分の置かれている世界のすこやかさ、静けさに感謝している。

 皆を苦しめる争いや流血、災害は止んでほしい。日常の平穏は、人生で本当に貴重な時間だ。

 愛と感謝。

 主に栄光を。
 神に感謝。

 

 

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まなかひにまばゆき大暑の風吹きぬ朱夏の頂点草を薙ぎたり

2022-07-23 16:38:00 | Weblog

 大暑に。風音、ひぐらし、油蝉。

 潮騒。

 海辺らしい真夏。

 

 


 今日はここまで。


 愛と感謝。
 

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驟雨来て庭虹立てば敷石のみるみる乾く土用前日

2022-07-22 20:51:00 | Weblog

 驟雨に。今日も暑かった。午後に熱帯スコールのような豪雨は1時間で止み、また油照り。

 薔薇園を描き始めた。
 
 



 これは今日描いた部分、眺める目が自然に喜ぶような、きれいな絵にしたいと思う。

 愛と感謝。



 


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無花果は夕陽を帯びて熟したり遂に知りえぬ互ひの味覚

2022-07-20 21:23:00 | Weblog

 無花果に。

 昨日とはがらりと変わり、すっきり晴れて、久しぶりに夏らしい、気持ち良い暑さだった。今年、館山では花火大会も時間短縮で行われるそうだ。海開きもされた。
 以前のように屈託なく、真夏の時間を楽しめるようになればと願う。

 


 愛と感謝。

 


 
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海風の枝鳴らす音人恋ふる刹那もあらば響むうつそみ

2022-07-19 21:19:00 | Weblog

 風音に。

 


 一日中、雨と風で大荒れ。

 植物たちは潤って生き生きしているけれど、各地の豪雨災害はどうだろう。

 言葉を読み取り、記憶する神秘的な水結晶の、最も美しい形を作る言葉は愛と感謝だそうだ。

 愛と感謝。穏やかでありますように。

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死者を入るる時てふ扉あまたたび開くこちらに立ちつくす夏

2022-07-18 20:58:00 | Weblog

 ふと。

 この数年、私の周りで親しかった、または顔見知りの友人知人たちが何人も亡くなった。彼女や彼らの死は、数ヶ月おきとも言える。平均寿命が伸びた当世、まだ老衰には遠い年齢の死者たち。自裁もあれば病死、事故死とさまざまだが。

 哀悼の思いはもちろんだが、このように消えてゆく次々に、無常感がつのる夏。

 気がつくと、私自身、彼岸を眺める歌が多くなっている。同時に、運命に生かされている日々のありがたさが身に沁みる。

 これからの人生に、必要なこととそうでないものを見分け、余分なものは避けるように努めている。

 何よりもこの世界に感謝しながら。


 静かな日だった。

 愛と感謝。

 


 画像は、ガブリエル・フォーレ夫妻。



 
 
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夏の風は星座磨きつすこやかな息弾ませて物語編む

2022-07-17 23:08:00 | Weblog

 夜風に。

 


 油彩M6号  薔薇


 今夜テレビで、フランシス・コッポラの「ゴッドファーザー」を観た。とても面白かくて、容姿魅力的な名優揃い、一瞬も飽きなかった。

 良い日だった。

 愛と感謝。

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アルファポリス