コスモスの風景を見て。かげろう。
夕方には、もううすら寒い。
明日はさわやかな秋晴れのよう。
行き帰り、きれいなうろこ雲、イワシ雲が青い空にひろやかに流れていた。
雲の銀河、まひるの天の川みたいだった。
絵筆で、ふっさりと刷いたような離れ雲、ちぎれ雲。
写真を撮ればよかったなァ
秋模様。
台風一過の街。
今日は秋分の日、ほんとうにがらりと大気が変わる。
大風に吹き散らされた葉っぱ、そうしてなお木々の枝にのこる緑は、輪郭から黄変して吹き抜ける北よりの風に、乾いた音でひびく。
夕方の陽射しも乾いて、ひんやりとした明るさはすっかり秋。
野を分けて風が行き、夏のなごりを清潔にさらっていった。
台風で被害を蒙った方たちをいたみつつ。
雨の音に。
でも……。
台風のために立て続けに大災害が。
日常はほとんど身の回りのこまごました出来事に忙殺されてしまう。
そうして、各地のニュースなど耳にし、また目の当たりにすると、はっとする。
なだらかに過ぎていった今日の時間に、感謝。
そうして被害をうけたひとたちに心を砕く。
晩夏の光は初秋のまばゆさ?
陽射しはじりじりと照りつけ、物陰に入ると大気はかわいてさらりと涼しい。
幾日か前に、水田に秋アカネを見た。そのあとギンヤンマも。
夜の月明かり、澄みきってことにきれい。
昨晩は、半月に星明りもまたたいた。
ひぐらし。
ススキ原も秋の陽射しを吸うように、白い穂をふくらます。
コオロギの合唱も聞こえる、夜。
朝とアメリカンコーヒーに。
さぁっと、お天気雨が窓の外をよぎってゆく。季節のちいさな変わり目、つぎつぎと。
昨年の「ガラスの動物園」上演から一年ぶりに、また一人芝居をいたします。
今回は、アイルランドの怪談作家シェリダン・レ・ファニュの作品を。
それほど著名な作家ではないと思いますが、代表作は『吸血鬼カーミラ』など。
このひとの作品はどれも、わたしの読後感では、恐怖よりも、抒情的なニュアンスが深く漂い、なつかしく、古風な風景画のような印象が好きです。そうですね、カミーユ・コローの描く油彩のような感じ。
今回、二日間の上演ですが、初日にチェロも奏でることにいたしました。
ロココの宮廷音楽家、デルブロワの舞曲などいくつか演奏しようと思っています。
芝居もチェロも、「遠ざかる時間」と夢へのノスタルジーのような雰囲気です。
そのような風情を、やわらかく、戦慄をまじえて語ることができたら、と考えています。
10月15日(土) 17:00~
一人芝居とチェロ/雪香
10月16日(日) 15:00~
チェロ/山口椿 芝居/雪香
両日ともに3000円(1drink)
予約はL’atelier(ラトゥリエ)にて承ります。
東京都南青山5-17-6-102 03-3486-5343
http://www.atelier-aw.com/
秋風、風鈴を揺すって涼しい。昨日今日、風の景色も変わったよう。
夕べはひさびさにさやかな月あかり。
今夜はどうかな…。
うたは
雲南の白き翡翠をもてあそびたなごころ冷ゆ天日は冷ゆ 葛原妙子
などから。