雪香の星月夜日記

山口雪香の歌がたり、ささやき、ひとりごと

しのびかな女人なるまま夕闇はなほ黒髪のごと人を想はす

2010-11-29 18:11:22 | Weblog
 夜に。





















 無事につとめ終へて、静かに夜にうつる。


 また、感謝。






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過ぎし日々の皆やはらかに溶けてゆく沫雪ならばくちびるも優し

2010-11-28 18:51:45 | Weblog


 かたづけものをして。





 











 今日も静かに過ぎていった。


 


 数日前に、したためた昆布醤油がおいしい

 ふだん使いのお醤油、いまひとつ……なので、出汁昆布を適当に切って、お醤油にひたした。そんな簡単なことで、あたりまえだろうけれど、お料理の味が変わる。

 この昆布醤油だけでおいしいから、たまごかけ御飯にたらしたり、半熟卵をトーストに乗せて、それにちょんちょんとかけてみる。洋風のときは、バジルなど散らす。

 和洋どちらにも美味。


 


 隣の半島、大陸では、大惨事、そして不穏な政治情勢。

 戦争はいや。
 

 

 この穏やかな一日に、また感謝。




 




 
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もろきほどひとぞ恋しきうつそみを抜けて韻(ひび)かな鈴のごとくに

2010-11-27 18:59:09 | Weblog

 一日在宅。


 おやすみをいただいて、あれやこれや片付ける。衣装合わせ。それで「ガラス…」をひととおり通してお稽古。

 ひさびさにロマンティックチュチュをとりだして着てみる。以前よりすこし太ったから、どうだろう?大丈夫かな、と心配したけれど、まぁなんとか……。




 原作のなかで、いちばん胸をうたれ、そして好きな台詞。


 トムの台詞。




 「もしもあなたが、細くひきのばされたガラスの糸を目にしたなら、ふたつの想いが心を掠めるでしょう。

 なんと美しいものか……そしてなんと壊れやすいものか、と」

 このガラス糸は、きっとローラのことだと思う。


 ローラは、作者の実の姉ローズをそのまま映している、という。



 繊細な、彼女じたいが華奢なガラス細工のような少女。



 テネシー・ウィリアムズは、どれほどの思いをこめて、処女作に、この一行を書いたんだろう。


 このうつくしい言葉を、感情移入しすぎず、さりとて淡白でもなく、深い哀惜といつくしみをこめて、語りかけたい。


 芝居ぜんぶが、この短いひとくだりに象徴されているような気がするから。









 
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去りゆくは皆あかるくて君のうへに天上のごと落ち葉散るらむ

2010-11-26 19:48:23 | Weblog


 朝はべた曇り。でもお昼前から陽射しがこぼれる。


 晩秋から初冬へのうつりゆき、あらかた葉っぱを落とした木々は、雨あがりに潤い、陽光を浴びて澄みとおるようにきれいだった。


 銀杏は黄金いろもたわわ。楓の深紅はすこし翳り、濡れたアスファルトに散り敷いて、そこを自転車で走りぬけると、車輪に踏みしだかれた落ち葉の匂いが、その刹那、鼻腔をかすめる


 ひかりのしずくのように、風に洗われた落ち葉が舞う。









 すこしあたふたと過ごした一日、でも、すこしチェロがひけた。








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語りえず静かに透(とほ)る追憶のかけらひろへばひかる冬の夜

2010-11-25 14:08:58 | Weblog

 12月4日、5日の週末、ひさしぶりにお芝居をいたします。


 テネシー・ウィリアムズ原作の「ガラスの動物園」を、自分なりに言葉を絡めて詩的に書き改めました。

 ほんとうにたいせつなものは、言葉を超えたところ、沈黙、余白、余韻に揺れているのではないかしら、と思います。

 ここ数年、口ずさみに、幻想や四季折ふしの想いを仮託しつつ、気ままにうたいながら、水面に小石を投げるように、わたしの歌が、愛でてくださる方々の胸に触れて、静かな波紋を呼んでくれたら、と。

 わたしの歌は、ちいさなもの。そうして、おひとそれぞれの胸にひろがるさざなみは、その方それぞれの……たぶん、言葉では表現しえない何か、なのでしょう。

 原作とはだいぶ趣旨を違えた詩劇ですが、言葉を選んで、「ほのぐらく揺れる蝋燭の火に浮かぶ追憶」の少女、少年、また母親、それから…という何役かを演じます。

 心のなかにそっとしまわれていて、誰にも語りえない追憶、てのひらに乗せて透かし見るガラス細工ように、そのさざなみのきらめきを楽しんでいただけたらと願います。

 詳細はこちらです。http://www.atelier-aw.com/
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想ひ出を二つ折三つ折たたむ手のいつしか翼となりて還る冬空

2010-11-23 20:05:00 | Weblog


 なだらかに過ぎた一日に感謝。






 










 白鳥や、雁、いろんな冬鳥が飛来。
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月光を砂とくずして指にあそぶ君の追憶乾(ひ)ぬるさざなみ

2010-11-20 17:35:54 | Weblog

 待降節がはじまる。





 青、金、とりどりに窓辺を飾るイルミネーション、赤と緑、星祭り…心尽くしのオーナメントの輝きの季節



 クリスマスは人と人との交流が深まる季節でもある……何年か前、通りすがりに偶然まぎれこんだ大聖堂の御ミサで神父さまがお話された記憶。



 ことしは御ミサにうかがえるかしら……。



 押し詰まって、世間はやはり険しい話題、目につくけれど、ささやかに心あたためたい。




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手を享けぬ髪のまま巻く海の匂ひ忘るるや君も半月も思慕

2010-11-16 21:02:48 | Weblog

 半月に。海が見たいな。




 うすぐもかかって、おぼろだった。ちょうど霜月もなかば。









 あれとこれと済ませて、一日静かだった。感謝。




















 
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リジイアの空は柩に白きかなきよらに恋ふて埋めなば初雪

2010-11-14 20:29:14 | Weblog


 雪はふらなかったし、薄日もこぼれた空模様。


 太陽は、灰白色の雲の厚みのむこうに輪郭おぼろ。


 冷気が凝ってゆっくりと地上を這うような気配、どことなく雪の予感のその前みたいな天気だった。



 今日は一日なにをしたろうか? ありふれた日常茶飯。

 二年越しに花を咲かせてくれたシクラメン、もとからの小鉢ではすっかり窮屈になってしまったので、遅まきながら植え替えたり。あんまりかまってやらないのに、葉っぱの下のほうで、莟がたくさんついていた。うれしい。


 『玲瓏』77号が届いていた。

 しばらく出詠をひかえて、ひたすら鑑賞させていただいている。


 技巧的で巧緻な耽美……作風の歌々がひしめいていて、『未来』とはまた違ったたのしみ。


 こころひかれたいくたりかの歌人の影響で、今夜のつぶやきは、すこしE・A・ポーのよう?



 

 明日から、またあわただしい日々がはじまる。


 


 


 
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幻聴はひとに告げざれ恋ふほどに浄夜静けし孝蔵を聴く

2010-11-13 19:25:29 | Weblog



 なだらかに過ぎた一日。あいまあいまに、村下孝蔵さんを聴きながら。



 いいなあ、と思う。すなおで、のびやかな歌と声。繊細なギター。



 亡くなってから、もう十年? 


 ライブで聴きたかった。





 …もう街にはクリスマスの気配。


 浄夜というクラシック音楽。


 シェーンベルクの代表作で、好きな音楽のひとつ。しばらく聞いていない。

 おかしな連想なんだけれども、村下さんの歌を聴きながら、シェーンベルクの音楽を想った。


 どこが似ている? ぜんぜん違う世界だけれど、浄夜は、とてもロマンティックな一途な情熱にあふれていて、胸に迫る。

 そこらへんで、心のシナプスがつながるのかしら……。




 とりとめないひとりごと。




 


 








 

 


 

 
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アルファポリス