雪香の星月夜日記

山口雪香の歌がたり、ささやき、ひとりごと

まろやかな唄声のごと冬の陽は去り来たる狭間に沁みとほりたり

2018-11-30 21:11:14 | Weblog


小春日に






これは2年前のアクア。生後半年。





最近のアクア。


時の流れを感じる(え


感謝。






この2年の間に待降節のために描いたペン画。

まあ、有為様々だが苦労の甲斐もあった。




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ひろやかにまなざし向けよ鳥たちのはばたきの待つ出会ひめがけて

2018-11-29 19:38:31 | Weblog

水彩、「まゆ」


まゆ、はモデル少女の自然な眉のことであり、また繭の意味も重ねる。

この子はまだ繭の中だ。柔らかく庇護され、温められ、そこからやがて自分の世界を目指して飛んでゆく。

この子を見れば、家族の愛と豊かさに恵まれ、同時に良識ある慎ましさの中で育っていることがわかる。賢く、勝気で、朗らかで、ちょっと人見知りし、幼いながら自信もある。

そんな彼女を彼女らしく、愛らしく描きたかったが、どうかしら?





感謝。


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未分化の泉のごとき憧れを幼き眸(まみ)はすこやかに持つ

2018-11-28 19:08:26 | Weblog


今日も静かな一日だった。

母の通院介助、家事炊事。


ひまひまに読書、絵を描く。

それから、アルト・ノラスというチェリストのドヴォルザークのチェロコンチェルトをCDでたっぷり聴いた。フィンランドシンフォニーだったかしら。今まで知らないチェリストだったが、堂々とした表現主義で思わず最後まで聴き惚れた。

母の病気怪我を除けば、なんとも豊かに充実した昨日今日だ。




今日はこんな感じ。


時の流れに感謝。




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ひとひらの雪享くるごとひそやかに絵筆さぐるを夢のまゆとす

2018-11-27 20:01:19 | Weblog

静かな日が続いている。

久しぶりに山崎豊子氏の『花紋』を読む。これはもう30年ほど前、最初に手にして強い感銘を受けた作品。

随分長いことまともな読書を怠けていた脳味噌には新鮮な衝撃だった。若い頃と違い、五十路に入った今、この作品のヒロインのキャラクター造形が、ややエキセントリックに過ぎ、実在感を薄めてしまったようにも思える。

しかし、実在感の希薄さが同時に物語世界での華麗な存在感に直結しているのだから、優れた作家の「語る力」にあらためて目を瞠る。

また日本語のボキャブラリーと文体が豊穣で美しい。カタカナ外国語がほとんどないためか、漢字の持つ非常に緻密で立体的な、視覚の楽しみをくれる。


三島由紀夫に耽溺した時もこんな感じだった。




感謝




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在ることの梢さながら季節運ぶ風に揺すられ歌と響くよ

2018-11-26 15:28:50 | Weblog


水彩、「風に吹かれて」

モデルの女性には申し訳ないけれど、画像は彼女そっくりではない。目鼻立ちは世間的な基準で美人と言える。だが加齢や生活歴の灰汁を取り去り、若くつくろい、人形的美人に描いたら、中年の彼女に失礼ではなかろうか。
他の誰とも違う彼女らしさは、生まれついた顔立ちだけではないから。


私は、さかりをやや過ぎたと言える世代の彼女の容姿に表現されている「時間」を描こうとした。彼女が生きた人生の時間を。それもまた人間の魅力だと思う。


しだいに若さから隔たってゆく女性の、ことに真正面からの構図は難しい。

顔の凹凸や陰翳、まなざし、肉付きなど、すべて当人の内面のニュアンスと生き方を語る。

どこまでモデルの人間性に近寄れたかしら。

あちこち荒く、稚拙なテクニックだが、今の私なりにこれでよし、と。




モデルの彼女に感謝。







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樹々の冬まばゆく冴ゆる紅葉に伝へごとせむ海は遠いか

2018-11-25 20:01:35 | Weblog

山梨県立美術館にドービニー展を観に行った。

さわやかな小春日和で、山国の紅葉が鮮やかだった。










ミレーやコローなど、好きな画家たちの作品をゆっくり鑑賞することができた。



感謝。


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少女なる髪の重さを測りたり渚の砂にめりこむ陽脚よ

2018-11-24 19:12:00 | Weblog


少女に。





母はゆるゆる回復してゆく。感謝。



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言葉数を減らして母は細りゆく優しきほどにも一度肥れ

2018-11-23 19:55:16 | Weblog

母に。


親の介護は本当に大変だ。母はまださほど重態ではないが、通院介助と家事炊事で一日が過ぎる。

仕事を休んでさえこれだから、働きながらの介護の疲労はどれほどだろう。

老親は我儘だから、黙って従っていると、次から次へとさまざま用事を言いつける。娘の疲労より、自分の病苦で頭も体もいっぱいだから。


ある時、疲れのために忍耐が切れ、母に文句を言ったら、母の口数が減ってしまった。

すっかり痩せて小さくなった母の顔をしげしげと見つめ、私は自責にかられるが自身のキャパシティ全開、いたしかたないと思う。

私は今まで、世間並みの親孝行など何もできなかった娘だ。

せめて母の最晩年は、穏やかに安楽にと願う。


暇を見つけて、今日から新しい絵を描き始めた。知人の女性。若くないが、老いには遠い。

ある年齢を過ぎた人間の顔は、そのひとの生きてきた時間が刻まれる。生まれついた顔立ちという器に、当人が湛えた感情や思想が人相を作る。

モデルの女性の魅力を、冷静に、お世辞なく、描きたい。

敬愛する画家は、近代ではワイエス。

彼のように描きたい。





良い日だった。


感謝。







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雨避けてはなびらすくふ指先が岬になりて雪化粧する

2018-11-22 19:45:42 | Weblog

冬の訪れに



水彩、「雨」






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離れてもテトラに響く冬の海はガラス散るごと恋しき潮

2018-11-21 20:08:07 | Weblog


冬の海に。





少しずつ介護生活も落ち着いてきた。

いろいろ思いがけないことがあるけれど、いつかはこんな、と考えていたから、あまり動揺はない。


それにしても、なつかしい鎌倉、由比ヶ浜。


坂の下から海岸に降り、稲村ヶ崎まで潮風を聞きながらよく歩いた。冬の季節はことに懐かしい。

閑散とした海岸と渚、カモメの鳴き声、人の気配、冬至に近づいてゆく午後の、冷たく穏やかな陽射し。

目に見える様々な景物の全てに余白と余韻があった。その隙間に潮騒が響いていた。


今は山梨にいて、こちらは晴天の日には、青紫の南アルプス、八ヶ岳、冠雪した富士山が冬空を飾る。


もう待降節だ。


感謝。







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アルファポリス