雪香の星月夜日記

山口雪香の歌がたり、ささやき、ひとりごと

たひらかに食器洗ひぬ愛ののちに拭ふ手の中みづ仕事して

2008-06-23 20:17:21 | Weblog


 ほんの数年だけど、俳句の世界に遊んだことがあった。


 いろいろな俳人の句を読み、なかで橋本多佳子さんが、際立って好きだった。


 このごろ詠うことについていろいろ考える。


 ふと、多佳子さんのことを思いだし、またひきだしてみると、その詩精神の潔さ、的確さ、そして勇気に、あらためてあっと眼をひらかれる。



  月光にいのち死にゆく人と寝る

  雪はげし抱かれて息のつまりしこと

  乳母車夏の怒涛に横むきに

  一ところくらきをくぐる踊りの輪

  いなびかり北よりすれば北を見る

  ……


 ああ、こんな作品が好きだったと思い出す。

 この方の句を読むと、上村松園さんを連想する。どこか似ている気がして。

 十七文字という最短の詩形のなかで、個性をうちたてるのは、短歌にまして容易ではないこと。

 多佳子さんの句から、多佳子さんの心がつたわる。


 


 揺さぶられる。



 画像はまた、アルマ・タデマ













  
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指組めば他界も恋ふる祈りより青き蕊もつはなびらのなか

2008-06-23 17:00:03 | Weblog



 夕べに。





















 
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水明けに透(とほ)るいちりん立ち濡れて夏の夢かげ思慕つのらせり

2008-06-23 08:23:30 | Weblog


 銀鼠いろの空。


 もうじき7月。


 夏の百合の季節。これも紫陽花ほどはなやかではないけれど、ふと気がつくと、あちこちに、ぽかっと咲いている。


 風に揺れるから、「ゆり」という名前がついたそう。


 ゆらゆらと揺れる姿が、ほかの草花にましてきわだってきれいに見えた、ということだろうか。

 
 












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アルファポリス