雪香の星月夜日記

山口雪香の歌がたり、ささやき、ひとりごと

鰓(えら)ひらく水のかけらを嗅ぐごとくみづからを見る花の原型

2008-05-13 21:13:34 | Weblog

 中城ふみ子さん。


 絶唱、また絶唱の歌。


 好きか嫌いか、と問われたら、苦手と答える。


 でも、ぬきさしならず突き詰めてくる迫力、彼女の肉声そのもの。


 抒情の域を超えて、読者(わたし)の喉もとにじりよる。



  年々に滅びて且つは鮮しき花の原型はわがうちにあり

  脱衣せる少女のごとき白き葱水に沈めて我はさびしゑ

  失ひしわれの乳房に似し丘あり冬は枯れたる花が飾らむ



 いくつか、かろうじて「好きな」歌を。

 すばらしい歌人だとは思うけれど、わたしの器には「熱すぎる」



 本歌の迫力はないけれど、彼女の語彙と語感に魅せられて、ふと。












 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

夕暮の触るる髪留めひいやりと抜いて一日(ひとひ)をほどく夫(つま)恋ひ

2008-05-13 18:10:33 | Weblog

 6月に玲瓏の歌会。


 御題は「夫」または「妻」


 クラシカルな題をひとひねりするところが、玲瓏ふうの詠いどころなのだろう。


 てらいなく素直に詠えば抒情短歌?



 現代短歌風に詠うのは。


 わたしはシニカルにも詠えないだろうし……。



 
 夕暮れのこころ。「想夫恋」を。







 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

花のごと卵焼かれて陶皿にひろがる少女は柔(やは)に味はふ

2008-05-13 15:15:04 | Weblog


 卵焼きと薔薇の花


 今日教えていただいたこと。みなさんご存知でしょうか?


 薄焼き卵をやくときに、片栗粉をほんのすこし混ぜると破けません。


 御一緒してくださった方が、、ボールで卵をくるくると混ぜながら。


 ちゃんとカラザも除いて。


 ふわりとやきあがったうすいたまごやきは、お皿にしっとりとまるくひろがる。


 クレープみたい。そのまま茶巾につかいたい。




 卵のうすさ、やわらかさ、さっき沙羅さんのブログで見た薔薇と。


 ドーヴィルの海岸で少年プルーストがであったアルベルチーヌなどと。







 


 


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

嵐くづさむとしてあかあかと佇(た)つ刹那に牡丹の死はひらめかむ

2008-05-13 08:15:39 | Weblog

 五月台風。


 関東沿岸にも近づくと。


 盛りをすぎ、牡丹もおわりだろうか。


 あの花も、糸でくくったような花弁が、ゆらりと崩れる散り際が綺麗だ。









 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アルファポリス