市の星月夜日記

織江市の短歌、エッセイ

夜いろの沈むゆびあと微か血に沁む残像のごとイヴは生(あ)れにき

2008-05-15 21:30:06 | Weblog

 アダムの肋骨からとりだされたばかりのイヴ。


 もしかしたら、アダムそのひとの血痕など、残っていたかもしれない、どこか。


 自分自身の残像。







 ここまでは最初に書いたもの。

 詠いなおしました。


 
 エロスを詠うのはあからさまだろうか?

 シュールレアルな幻影はたいていエロスの香気を纏っていると思う。モローにしても、ルドンにしても。フィニ、ダリ……


 
 短歌表現では「道徳的」であるよりも「美的」かどうかを考える。


 でも、この歌は「生れにき」のほうが濃密なアトモスフェルかも、とも感じる。

 それで。



 


 



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森にひびくこゑと言の葉澄みゆけば光添ふ手に夏は実らむ

2008-05-15 17:56:40 | Weblog


      森にひびく美しき声持ちしゆゑ召使はれつつ母は実りき

 
 浜田到さんの歌のなかでは、これがいちばん好き、かもしれない。

 彼の歌は繊細だけれど、ちょっと神経的な尖りがちらつくこともある。それは避けたいと思う。

 この歌はいかにものびやかでみずみずしい、母は、少女の聖母のよう。

 アヌンツィアータのとき、召しだされた少女は答えた。
 

 「わたしは主のはしためです。みこころのままに」


 浜田さん、マリアを詠われたのではないかしら。


 わたしの歌は、ふつうの叙景歌。夏の光が木漏れ日にきらめいて綺麗だった。

 お習字の帰り道、西日に若葉のみどりがあざやかだった。

 

 いろはにほへと……先生の晴朗なお手本を臨書する、毎週の今日、午後の手習いがたのしみ。








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遠そらに美しき青ひろげつつ水のなごりの花ひかること

2008-05-15 09:52:41 | Weblog

 今日空が高い。


 皐月の植え込み、咲きそろい、朱に紫に、濃い鮮やかが目にしみる。


 雨上がり、植物はみなみずみずしく見える。


 


 
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