雪香の星月夜日記

山口雪香の歌がたり、ささやき、ひとりごと

空の抜く身に十字架のごと蔦からむ樹下に詩また祈り育たむ

2008-05-02 21:25:00 | Weblog

 樹々に。








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ひめやかに湯浴みしまひぬ雫またひかる音符となりて雨音

2008-05-02 19:06:40 | Weblog

 八幡様からの帰り道、なつかしさにリヒターの「マタイ受難曲」を探す。


 運よく駅前のお店で見つける。1958年のモノラル録音。これこれ……あのころ聴いていたもの。


 フィッシャー・ディースカウのバス。「わが心よ、おのれをきよめよ」

 耳にしたとたん、ちからが抜ける。吐息。

 さまざま思い浮かぶこと。当時……そして今と。


 癒し、という言葉、どこでも頻繁に見聴きする。

 
 哀しみ、いたんでいる心のかたにお勧めしたいと思います。

 ひととき、静かなやすらぎを感じるかもしれないから。


 あたたかいシャワーのように、音楽の雨。









 
 
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あでやかに濡るるつぎつぎ微笑はこゑたてず魅する貴妃牡丹かな

2008-05-02 16:04:05 | Weblog


 目にうつるまま。


 ひさしぶりにまる一日、休みになったので、雨をぬって八幡宮の牡丹園へ。


 今が盛り。丹精された牡丹あまた、折からの小雨になまめかしく濡れる。


 間近につくづくと眺めれば、ただその華麗に魅惑される。


 どんなみごとな薔薇も、大輪のはなやかさ、牡丹には及ばないだろうと思う。


 花を女人になぞらえる。それはたのしい言葉とイメージの〈遊び〉

 
 では、牡丹に誰をと考えれば、ふるめかしいけれど、さしずめ楊貴妃くらいしか思い浮かばない。


 どっしりした量感と貫禄、濃い彩り。


 白牡丹にしても、清楚よりは凄艶。


 かろうじてひきあいにだせば、付け睫毛の濃化粧、鳴り物入りの華舞台、タカラヅカ、の世界かな?


 でも花々は無言。

 
 はなびらを風雨から庇う傘に、驟雨がさっと降り注いで、しとしと……。


 連休中でも、このお天気のおかげで牡丹園は人少な。


 花たちのしづかな微笑だけが、朱赤、紫、くれなゐ、薄紅、白、とりどり七重八重、視線を誘う









 

 
 
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藤翳にやすらいで佇(た)つ百年(ももとせ)の樹齢は天女のやうにあかるむ

2008-05-02 09:26:52 | Weblog


 どこだったろうか……百年を超える樹齢の藤があると聴いた。


 北陸か、京畿か、忘れてしまったけれど。


 桜の古木もゆかしいけれど、藤のそれはさらに、この世ならぬ風情で。


 山藤が今さかり。


 おおきな大木、鎌倉山、また十二所あたりでよく見かける。


 淡い藤色、新緑に映り、天人の花簪のように揺れる。


 藤の翳は、ふしぎとあかるい気がする。


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