市の星月夜日記

織江市の短歌、エッセイ

生と死の境ひ静かに眸(まみ)置いてすべり出づるごと他界へ赴(ゆ)かむ

2008-05-17 20:32:06 | Weblog

 PCをひらいたとたん一瞬息をのむ。

 東南アジアで天災つづき、毎日悲惨な記事、日本では陰惨な事件。

 
 星月夜日記、しょせん夢詩花日記(ゆめしかにっき)のたわごとで……よく言えば清談、昔むかしの言い回しなら「おんなこども」のよしなしぐさ、その程度と思っているのだけれど……。


 千葉県で老夫婦が覚悟の自決。いたましい。

 後期高齢者云々、という政府の方針、胸のなかでいろいろ思うことはあるけれど、わたしの舌たらずな考え、うかつには書けないと思っています。

 死に臨む。


 たとえば西行、だれそれのように、と言うのはかんたん。でも、いざその場になったらどうするだろう。

 

 永井荷風さん、最後のさいごまで目をみひらいて、この世のなりゆきを見届けたいと洩らされた。そんな文章が、彼の随筆のどこかにあった。


 わたしはなだらかにこの世を去りたい。

 荷風さんのように、世間の何かをつくづくと見つめつくしたいとも思っていないし、ことさらな執着もない。


 だいじにしていることのいくつか、全うして、静かに(また!)「身まかり」たい。


 尊敬する歌人のひとり、斉藤史さん、お母様を介護し、おくられたあと、ご自身の老齢を迎えて、しみじみと詠われた。


 

   おいとまをいただきますと戸をしめて出てゆくやうにゆかぬなり  生は



 華麗な技巧も修辞も消えて、しんとした述懐。心にふかくしみる。

 もう一首。これは気概を。


   老いてなほ艶といふものありや  花は始めも終はりもよろし



 いかにも彼女らしい、枯淡なつややかさを思う。よろし、というおっとりしたふくみに、老いへの哀しみが救われている。


 さて、今日のとじめの星月夜、ひねくれてお読みにならないでください。
 
 どんなひとにも終焉は来る。柏市の御夫妻の選択、しんじつかなしい。








 








 


 

 

 
 


 

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少女らの雨季にふくらむかたはらに紫陽花の魂(たま)夏服ならぶ

2008-05-17 16:10:48 | Weblog

 そんな季節が近いかもしれない。


 半袖姿が多くなり……。


 朝の晴天は午後からくもりがち。


 海辺の湿度は高く、どこか梅雨めいてものうく暑い。


 どこかから突然際立つ栗の花の匂いにびっくりする。


 街並や庭先のあじさいは、まだかたいけれど、花屋さんにはずいぶんりっぱな鉢植えがいっぱい。


 
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陽にさらす腕くび伸べむ一日(ひとひ)けふも己がもろ手にいたはりあれよ

2008-05-17 08:38:23 | Weblog


 朝のいのり。


 いちにちのつとめを無事に果たせますように。










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