雪香の星月夜日記

山口雪香の歌がたり、ささやき、ひとりごと

流氷のごとつめたき藍よ溶かさずにめぐるこの夜をひたかなしみぬ

2008-05-01 22:34:54 | Weblog


 ホテル・カリフォルニアに寄せて。



 


  こころを揺さぶる。歌詞も。旋律も。





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聖母月白色の薔薇ゆゆしければ血を薄めつつ祈るなにいろ

2008-05-01 20:56:18 | Weblog


 五月は聖母マリアの月。


 百合とならんで、薔薇もまた聖母をかたどる花。


 マリアの薔薇は純白かしら。


 淡紅色がふさわしいような気がする。


 純白はきよらかなので……〈母〉には……。


 ほのかな血いろを浮かべる薔薇。


 体温のように。






 でもフォトは一重の白薔薇。黄色い蕊が清楚でやさしい感じなので。











 


 
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受難曲そらなり寄する麻帽子と竹鳴りさやに聴きゐし五月を

2008-05-01 16:47:15 | Weblog


 晴天のはずが、もう雨をふくむ風が吹き始めた。


 爽やかな五月、じつはそう多くないのだろう。


 午後、所用ついでに聖堂に寄る。オルガン奏者がお稽古なさっている。

 
 パイプオルガン、全身をつかう。両手、両足。


 バッハだろうか。フォーレもサン・サーンスもオルガンの名手だった、と想う。


 荘重なしらべ。マタイ受難曲に似たフレーズ。やはりバッハかしら。


 音楽は不思議。さまざまな思いをひきよせる。


 数年前、マタイ受難曲が好きで、よく聴いていた。


 そのころの、やはり五月。椿さんと衣笠か、横須賀か、どこだったろうか、私設のこじんまりした美術館に出かけた記憶が、あざやかに浮かんできた。

 
 そこは竹林、というよりは全山竹があおあおとしげる清涼の奥地だったと思う。

 連休だった。夏日で、さんさんと晴れてあつく、椿さんは麻のかるい帽子をかぶり、わたしはまだ袷の着物を着ていたっけ。単をまとうには早すぎる気候だった。

 
 青地に、ほそい志乃竹もようの小紋。すこし大正ふう。

 これを祖母は「しののめ織」とふしぎな呼び方をしていた。そんな織物はないのに……。

 
 なにか思い出の残るいちまいだったのだろう。椿さんは私にたいそう似合うと誉めた。


 森が大好きなわたしがひとりで竹やぶの奥に入っていこうとすると、椿さんはあぶないからよせ、という。何が危なかったんだろう。おかしい。でも庇ってくれた、いつも。


 椿さんは歩くのがきらいだから、坐っていたと思う。竹林のどこかにあずまやがあった。


 わたしは竹を渡る風の音を聴きながら、マタイ受難曲も聴いていた。理由なんか忘れてしまったけれど、あの天空にむかって旋回しつつ上昇するような、哀切なメロディに、仮託する想いがあったのだろう。

 
 追憶……追想。


 明日は雨かしら。










 
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夏をかざる濃きみどり葉をおしやりて呼吸(いき)ふかく来よ陽(ひ)の溶けるまま

2008-05-01 09:26:00 | Weblog

 今日から五月。


 さわやかな季節。うれしい。


 緑蔭匂いたち。いきかえるよう。


 鶯が鳴いたり、ミソサザイが囀り……。


 木漏れ日はきんいろ。


 
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