プラチナ世代のマラソン旅行

時悠人chosan流処世術

★小児科医の過労死に思う

2007-03-15 10:19:13 | 日記・エッセイ・コラム

 小児科医の自殺を過労死として労災認定した東京地裁の判決は、医療制度が抱えるさまざまな問題を象徴しているように思える。少子化に伴い小児科医が減少し、医師の稼動が過負荷になった不幸な事件だけにその意味合いは大きい。

 小児科の場合、内科と違い医師の手数がかかる。自分の症状を説明できない子供と無理難題を訴える親の両方を相手にする小児科医が敬遠される心情はよく理解出来る。昼夜のみさかいなく、ちょっと熱を出しただけで救急車を呼び病院へ駆け込む親の無見識さに、「タクシー替わりと勘違いしている」と救急隊員は嘆く。

 安易に救急車を呼べば、真に必要な場合に間に合わないケースが発生するのは当然で、緊急体制の不備だとばかり責められない。「何故、救急車出動を有料にしないのか?」が不思議だ。私が5年前にブタペストで倒れた時、救急車が到着して最初に妻が訊かれたのは、患者の容態ではなくお金を持っているかだったそうだ。長女もアメリカで同様の経験をしている。

 長期入院生活を通じて、病院のロビーを社交の場にしている元気な患者(?)や、生命保険の保障費を悪用するエセ患者の実態を現認し、苦々しく思った経験がある。国の医療行政は、マクロ的視点ではなく、現場の実情をよく知った上でないと地域格差・保障格差が拡大する一方だと不安が高まる。


★見えない情報に踊る滑稽さ

2007-03-13 14:38:48 | 日記・エッセイ・コラム

Epsn0002_7 写真は、今日13日午後2時現在の我が家前の畑を写したもの。気象情報で、北日本・北陸地方が大雪と聞いた親戚が心配して電話して来た。「全然、雪は降っていない」と説明しても、「テレビでやってたよ」と信じてくれないのでブログに掲載した。

 3月8日のブログに同様のアングルで写真を載せたが、くらべれば一目l瞭然で、今の金沢は積雪ゼロで晴天が広がっている。視覚に訴えるメディアが如何に雄弁で説得力があるかが分かろうというものだ。気象庁が桜の開花期を13日と予想した静岡市でも予報が外れた。同時に、情報操作の怖さにも通じる。

 昼寝を起こされたついでに、ラジオのスイッチを入れると国会中継中だった。はて、昨日、自民党が13日の参院予算委員会での農業に関する集中審議を取りやめたいと野党に求めていた筈だったのにと、webニュースをチェックした。野党側が拒否し、当初予定通り実施されたのだ。松岡農水大臣の追及をかわす異例の要求だっただけに野党が拒否したのも当然で、与党の姑息さを思い知った。

 松岡大臣を何故こうまでしてかばうのか。何故、美しい国づくりを目指す総理が事務所費の公開を命じないのか?私なりの答えは簡単だ。「国会議員全体に波及し収拾がつかなくなる」との危惧からに違いない。ご自分もその一人かも知れない。そうでなくても、全国地方自治体の議員まで含めると、議員報酬以外の諸手当がどうなっているか、マスコミはその実態を調べて公表して欲しい。それを白日に晒して禊の選挙を戦ってもらいたい。


★松岡農水大臣の暴言

2007-03-12 14:47:24 | 日記・エッセイ・コラム

 政治家と金にまつわる不透明性には、うんざりだが、松岡農水大臣の事務所経費問題はもはや論外の破廉恥さだ。光熱水費が無料の議員会館に507万円もの経費を計上していたことに対し、野党は証人喚問要求、或いは刑事告発に踏切る構えを見せている。

 先に辞任した佐田大臣の説明責任も含め、安倍総理の任命責任を問うべきとの声もあるが、何故か歯切れが悪い。官房長官も政治家の問題に政府としてコメントは避けると逃げを打っている。

 「何とか還元水」を飲んでいるなどと言うから、民主党議員団が事務所に乗りこんだり、テレビカメラが室内を映し出すことになった。私は水資源を扱う大臣が口にした「今時、水道水を飲む人なんて居ないでしょ」との一言に腹をたてている。大臣失格の暴言だ。東京都の水をボトルに詰めて店で売っている位、東京の水も美味しくなったし、我が家だって水道水を飲んで美味しいと思っている。私は「今時の人ではない」のだと。

 この際、事務所経費だけでなく政治活動に必要なお金を明らかにしないと、真面目に活動している政治家に失礼だ。また、政治家とお金の問題に国民から不信感を持たれて解決出来なくなることを心配すべきだと思うのだが。


★かれいなる一族

2007-03-11 10:02:13 | 日記・エッセイ・コラム

 「二人あわせてイチッ、ニッ、サン!」。窓を開け放ってラジオ体操?ではない。妻が還暦を迎え、私の年齢を足すと「63+60=123」。華麗ではなく、加齢なる一族となった。

 新聞の見出しに「団塊の世代を取り込むツアー増える」とあった。旅行会社の分析では、日程的にゆとりを持ちゴージャスなツアーを求める人と、あちこち回り歩くツアーとに二極化が進んでいるそうだ。

 コーヒーを飲みながら、これからの我々の旅行スタイルと行く末を話し合った。出来れば、もう少し暖かい所が良いなとか、冬の3ヶ月間だけを除けばここも住み良い所だしとか。毎年、同じ時節におなじ話題を二人で蒸し返している。今年は、妻がついに大台に乗ったこともあって、例年より現実味を帯びているようにも思える。

 若い頃は、冬になると妻のテンションが極端に低くなり、雪国育ちの私の方が元気だったが、最近では逆転気味だ。加齢から枯齢となり、枯霊になるのだと言ったら叱られた。いつまでも華麗でありたいと願うのは虫が良すぎると思うのだが、、、、。


★世論をミスリードするのは?

2007-03-10 10:20:02 | 日記・エッセイ・コラム

 今年の暖冬は、桜の開花期にも影響を与えるようで、気象庁の予想では例年より早まる地域が多い。逆に鹿児島県のような温暖地で遅れる所もあるそうで、自然の営みの神秘さに驚かされる。

 日本の花といえば真っ先に桜を思い浮かべるが、梅や菊も代表格だ。他にも、椿、水仙、あやめ、ふじ等々、四季の変化が顕著な日本ならではの草花の種類の多さが、日本人の美意識の底流に息づいている。山野草や高山植物まで含め、日頃、何気なく見過ごしているが、森林面積が国土の3分の2を占め温帯性気候がこの国の最大の豊かさのベースにある。

 安倍総理の「美しい国ニッポン」は、いささか興ざめだが、「国家の品格」や「この国のけじめ」「上品で美しい国家」等々、美意識を強調するタイトルの本が最近目に付く。それだけ、現代の日本人に欠落していることへの警鐘なのかも知れないが、大多数の人達は決して心配するほど堕落していない。誰もが自分のテリトリーで一生懸命汗をかいて生活し、四季それぞれの草花を愛でている。

 そんな生活とは程遠いところで為政者や西欧かぶれの学者・評論家がグローバル社会における日本のあり方論を唱え、マスコミが盲従する愚かさが国民をミスリードするのだ。ものの道理さえ分からないタレントが登場し、嬌声をあげるグルメ・旅行番組。芸能人のスキャンダルや東国原知事を追い掛け回すレポーターの軽薄なコメント。 視覚に訴えるメディアの影響度を考えると、マスコミ従事者の責任は極めて重いことを真摯に問い直して貰いたい。