日本オリンピック委員会(JOC)は30日、2016年夏季五輪の立候補都市を東京都に決定した。財力と知名度で福岡市を上回ったということだろうが、世界各国との戦いが待っており、これからが本番だ。
東京での五輪開催が、2度目であることや北京五輪後の短いサイクルでのアジア開催等、ハードルは高い。更には、前回は戦後の復興振りと本格的な国際社会への復帰を国内外にアピールする意味合いで、大きなインパクトを持っていた。
ついては、東京招致の基本戦略を早急に構築しないと、現在進行中の中央と地方の格差がより顕著になり、東京一極集中に拍車をかける危険性がある。試算では、東京だけで1.5兆円、日本全国で3兆円規模の経済効果が見込まれるとか。数字の真偽は別として、国全体で考えるべき問題なのは明らかだ。 世界情勢を勘案すると、私は消極的な見方しか出来ない。
そこで提案だが、南米やアフリカでの開催が一度も無いことを考えると、IOCは五輪マーク通り「持ち回り開催」するルールを検討したら如何だろうか。5大陸内で、開催国を互選すれば、大陸内各国の連携も緊密化するし、招致活動のための投資も抑制される。
東京では、招致活動経費として55億円を用意するようだが、過去、名古屋と大阪が国内で五輪候補地となりながら、敗れた。大阪は招致活動費として40億円を投じ、無駄に帰した。経済効果だけでなく、明確な開催目的を確立し、広く国民に訴えないと東京開催も同じ轍を踏むことにならないかと危惧している。