プラチナ世代のマラソン旅行

時悠人chosan流処世術

★平和祈念の旅(番外編):余禄

2022-04-15 07:31:24 | 旅行記
 諸外国から寄贈されたモニュメントとメッセージを通じて、「平和」が、人類共通の揺るぎない願いでありながら、その当然のことが、どうして、一番、難しいのだろうと、素朴な疑問を感じた。

 誰もが、平和な世界を望み、それを実現させるのが国のリーダーの役割だが、政治体制や宗教観などの違いで、平和の概念が違うものだろうか、、、?

 さて、念願の目的を果たしたので、いつもの気まぐれ旅に戻った。桜は、散り始めていたが、好天に恵まれ、徒歩観光日和だった。

 時間の制約がないので、60年前を回顧しつつ、グラバー園や大浦・浦上の両天主堂、オランダ坂、眼鏡橋、新地中華街等々、主な観光名所を巡り、久々に筋肉疲労を感じる距離を歩き回った。

 夕食後、ホテルの最上階のラウンジから、夜景を見る積りだったが、温泉に浸かり、寝てしまった。「共感疲労」の呪縛から解放された瞬間だった。(^_-)-☆

★蟹・ツーリズム①:火付け役

2021-12-06 08:27:02 | 旅行記
 11月30日、上越妙高へ向かう車中で、いつものように、JR東日本の「トランヴェール」を手にした。

 表紙に、特集と題して「文士が求めた、北陸の蟹」とあったので、いつも最初に読む沢木耕太郎の巻頭エッセイを帰路に回すことにした。

 冒頭、北陸新幹線の開業により、”蟹と温泉”の団体ツアー(「蟹・ツーリズム」)が、東京で高い人気を集めているとあった。

 関西から山陰方面への「かにカニ日帰りエキスプレス」は、以前からあったが、東日本にも浸透し始めたのは、まさに新幹線効果と言えそうだ。

 しかし、室生犀星や開高健など、北陸にゆかりの深い文士たちが、北陸の蟹の美味にいち早く気づき、口コミや雑誌への投稿で広めたのだと、分析していた。

 その文士たちと蟹にまつわるエピソードを辿る取材記事で、今まで知らなかった意外な事実を学んだ。

★ベターハーフ

2021-12-02 09:08:22 | 旅行記
 11月30日から、妙高へ一泊旅行に出かけた。この寒い時期に、寒い所へ行く趣味はないのだが、妻の要望とあっては、頭が上がらない。

 もっとも、私は、温泉と美味い料理さえあれば、何処でも文句が無いので、温泉に浸かって、来年のランニング計画を検討した。

 欲を言えば、早朝ジョグが出来る沖縄の温泉に行きたいのだが、当分、飛行機に乗らないと決めたので、ここは我慢するしかない。

 さて、「夫婦円満の秘訣は?」と問われれば、「耐えることです」と、迷わずに答えるが、耐えることに慣れると、抵抗感が無くなる。不謹慎だが、マスク嫌いが、今ではマスクをしないと、忘れ物をしたような感覚に、、、。(^_-)-☆

 配偶者をベターハーフと言うが、辞書の「とくに妻を指す」との注釈は、ジェンダー・ギャップとも思えるので、時代遅れだ。

 配偶者が、満足すれば、自分もハッピーと感じることが出来るように心掛けることが、熟年の処世術だ。

★萩&湯田温泉紀行:余禄その1

2021-11-29 08:13:45 | 旅行記
 山口県は、総理大臣を一番多く輩出しており、その数「8人」とも「9人」とも言われる。奇妙な話だが、菅直人元総理のカウントの仕方で、差が出る。

 菅さんは、山口県宇部市で生まれ、宇部県立高校2年の夏、東京都三鷹市に引っ越したのは、紛れもない事実だが、山口県では、東京都出身の総理大臣にカウントしている。同じ山口県でも、光市の伊藤公資料館では、山口県に入れている。

 さて、「東京生まれ、東京育ち」の安倍さんが、山口県組みで、「山口生まれ、山口育ち」の菅さんが、東京組みに整理される背景は、、、、?

 安倍首相時代に、なぜか、「出身地は、原則として、戦前は出生地、戦後は選挙区」と、奇妙なルールを作っために、菅さんが山口から除外された。後任の菅首相が、また、変更し、どちらでも良くなった。

 蛇足ながら、「菅」は、「かん」とも「すが」とも読むので、出身地の差より、もっとややこしい。為政者の我がままと気紛れの現実を垣間見た。

★湯田温泉紀行(後編):中原中也

2021-11-28 07:39:50 | 旅行記
 湯田温泉ゆかりの有名人と言えば、詩人中原中也だが、私は、今まであまり関心がなかった。

 昭和時代に活躍し、文学史上に大きな足跡を残し、30歳で夭逝した詩人だというので、ホテルの読書コーナーで、作品を読んでみた。

 プロフィールには、1910年代半ばに起こった芸術運動「ダダイズム」に心酔し、作風は、虚無感と既成の秩序を破壊する思想とあったが、ピンとこなかった。

 最初のページをめくり、「トタンがセンベイ食べて 春の日の夕暮は穏かです アンダースローされた灰が蒼ざめて 春の日の夕暮は静かです」まで読んで、意味が呑み込めず、読み飛ばした。

 斜め読みしていたら、分かりやすい詩を見つけた。

~また来ん春と人は言う しかし私はつらいのだ 春が来たって何になろ あの子が帰って来るじゃない 思えば今年の5月には お前を抱いて動物園 象を見せても猫(にゃあ)と言い 鳥を見せても猫だった 最後に見せた鹿だけは 角によっぽど惹かれてか 何とも言わずに眺めてた ほんにお前もあの時は この世の光のただ中に 立って眺めていたっけが~

 愛する我が子を亡くし、悲嘆に暮れる親の気持ちが、ヒシヒシと伝わり、ようやく、鮮烈な感受性と言語感覚の持ち主だと、理解できた。