プラチナ世代のマラソン旅行

時悠人chosan流処世術

★コロナが取り持つ(番外編1/2):父の面影

2020-07-31 07:38:28 | 日記・エッセイ・コラム
 兄の資料の中に、宝生宗家と初代佐野吉之助と並んで撮った、若き日の父の写真が入っていた。

 佐野吉之助は、、宝生宗家から、直接、指導を受けたシテ方の能楽師で、現在の加賀宝生流の礎を築いた人だ。私財を投げうって、明治33年に「佐野舞台」を開き、翌34年、金沢能楽会を設立した重鎮だ。

 私の手元には、父の写真が一枚もなかったので、初めて、父の若い頃の顔を見た。大正9年11月20日とあるので、父27歳の時で、名誉ある記念写真だ。

 緊張で頬が強張っていたが、どこかで見覚えがある気がした。それもその筈、早逝した次男の顔と酷似しており、兄を通して父の顔を見ていたことになる。

 兄弟の中で、私がいつも甘えていたのが次兄だったのも、父の面影を感じ取っていたのかもしれない。その父の命日が、11月20日というのも、因縁めく。


★コロナが取り持つ(後編):家族の絆

2020-07-30 08:20:37 | 日記・エッセイ・コラム
 私は、4人兄弟の末っ子で、小学一年生の時、父が病死、母も30年前に他界した。次男は、50歳で早逝し、姉も昨年逝ったので、肉親は長男だけになった。

 父に遊んでもらった記憶は、全くなく、終戦直後で、食いつなぐのに精いっぱいだった母は、私に多くのことを語らなかった。

 兄は、300ページにおよぶ膨大な資料を渡してくれた。明治33年に、初代佐野吉之助が、「佐野舞台」を開き、翌年、金沢能楽会が設立されてからの歴史と、父がどう関わって来たかを詳細に記録してあった。

 口に出さなくても、それが、終活の一環だと痛いほど伝わって来た。父の遺品の数々を座敷一杯に広げて、「好きな物を持って帰ってくれ」と言われたが、また改めて貰いに来ると言って、辞退した。

 兄が、もうそんな機会が無いかもしれないからと言っても、「預けておくから、それまで元気で、、」と笑って、お茶を濁した。

★コロナが取り持つ(前編):以心伝心

2020-07-29 08:38:17 | 日記・エッセイ・コラム
 昨日、長兄から「夫婦そろって、家に来て欲しい」と言われ、用向きも知らないまま、指定された時間に訪問した。

 兄は、私と13歳離れており、8月で90歳になる長寿組だが、ここ数年、持病の糖尿病や脳梗塞などで入退院を繰り返しており、歩行も不自由になり、決して、健康とは言えない。

 新型コロナで、「外出を自粛し、密を避けている」時節柄なので、夫婦そろってと言われると、気が重かったが、元気そうな顔を見て安堵した。

 途中から介護役の姪も加わり、昼食をはさんで、よもやま話に興じた。暇乞いをしようとしたら、遺言めいた話題になり、不吉な予感が的中した。

★愚策を重ねる安倍政権

2020-07-28 16:43:17 | 日記・エッセイ・コラム
 GO TOトラベル・キャンペーンが始まったが、まだ詳細条件が整わず、観光業界が右往左往している。当然、利用者にも影響が及ぶので、不信感が増幅する。

 すでに、具体的なトラブルが発生しているようで、キャンペーンに参加しない旅行会社も出て来た。

 これほど、不人気な政策を強行すれば、海外メディア(NYタイムズやロイター、Bloomberg)の見方も厳しくなる。

 総じて、「アベノマスク」や「10万円給付金」に、新たに加わった「愚策」(misstep)と報じたり、国内で一番所得税を納めている東京都民を外す法的問題を指摘するなど、圧倒的に批判的だ。

 今や、大都市圏に留まらず、地方に感染が広がり始めており、医療体制が脆弱な地域における感染防止対策が喫緊の課題になっている。

 国会を再開して、徹底的に議論を尽くすべきだ。

★特例祝日(後編):新たな休み方

2020-07-27 07:34:24 | 日記・エッセイ・コラム
 日本の祝日数は、17日で、世界で3番目に多く(1位タイ23日、2位中国21日)、長いバカンスをとる欧米諸国をはるかに上回っている。(アメリカ10日、フランス11日、ドイツ9日)

 法律で認められた有給休暇を加えると、日本人の休日は多いのに、長時間労働が社会問題になるほど「休めない」イメージが強く、「休みたいけど、仕事がある」、「誰か替わりに、、」と、仕事のせいにする。

 欧米との違いは、モラルではなく、雇用制度の違いによるもの。欧米では、ジョブ型雇用制なので、自分のノルマを達成し、休むので、罪悪感を生じない。

 新型コロナの影響で、日本でもテレワークやジョブ型雇用制度を導入する動きが出てきたので、自分の働き方を考え直すチャンスでもある。

 ジョブ型雇用制度の基本は、スキルなので、フェアで平等だが、雇用保障に欠け、日本型の良さも捨てきれない。アフターコロナの働き方は、「休むために仕事に精励する」視点から、アプローチした方が良い。(^_-)-☆