医師から「この薬はよく効きますが、異常行動を起こす危険性もあります。服用しますか?」と、問われたらどう答えるか悩む人が大半だろう。
厚生労働省がインフルエンザ治療薬「タミフル」を原則として10代の患者には使わない方針を発表した。因果関係を否定しながらも、従来の主張を変更した。その背景はいろいろ取りざたされているが、2005年に「タミフル備蓄構想」を掲げた同省には、因果関係を早急に解明する責任があるはずだ。
さて、製薬会社と医者の関係は余りオープンにされないだけに、患者は担当医師の言葉に従うしかない。「この薬はあなたの症状に一番合っていますよ」と言われて、「ノー」と言える患者はまずいない。症状や身体的な条件が個人により異なる以上、専門家の判断に頼るのが当然だ。医師に製薬会社の営業マンが売り込む目的もそこにある。
5年前、「治験」を勧められ断るのにかなりの勇気を要した。手術をしなくて済むうえ、謝金まで貰えるとなると心が揺れるが、リスクもあるのは当然だ。現在、服用中の脳梗塞の薬も、副作用が出ると説明され一旦ことわったが、加齢とともに進行する症状を抑制するために必要と言われ、しぶしぶ了解した。足にむくみが出る副作用だけに、己の練習不足を棚にあげ、最近のランニングの不調はこの薬が原因ではないかと邪推したりしている。