電脳筆写『 心超臨界 』

あなたに対しあなた以上に懸命な忠告を
与えられる人はいない
( マルクス・トゥッリウス・キケロ )

活眼 活学 《「絶えざる生新」即ち維新――安岡正篤 》

2024-09-05 | 03-自己・信念・努力
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日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
20年間で約9千の記事を収めたブログは私の「人生ノート」になりました。
そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
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■緊急拡散『2024年8月発表:トランプ前大統領「米国を再び偉大にするための核心的公約20」』
■『小樽龍宮神社「土方歳三慰霊祭祭文」全文
◆村上春樹著『騎士団長殺し』の〈南京城内民間人の死者数40万人は間違いで「34人」だった〉
■超拡散『日本の「月面着陸」をライヴ放送しないNHKの電波1本返却させよ◇この国会質疑を視聴しよう⁉️:https://youtube.com/watch?v=apyoi2KTMpA&si=I9x7DoDLgkcfESSc』
■超拡散『移民受入れを推進した安倍晋三総理の妄言』
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政党政治は非常に注意を要する。国あることを知らず、ただ党あるを知り、その党よりも実は己の利を図るばかりというように、政党が堕落してオランダも衰退してしまった。だからどうしても、己よりも党、党より国家という精神に燃えた政党員を作らなければ、到底、政党政治というものも国民のために危うい」ということを痛切に論じておる。


『活眼 活学』
( 安岡正篤、PHP研究所 (1988/06)、p57 )
[1] 活眼・活学
3 保守と革新

◆「絶えざる生新」即ち維新

『菜根譚』に「事窮勢蹙之士、當原其初心」「功成行滿之士、要觀其晩節」。何か生涯の大仕事をやりあげて、そして人生の行路も終わった即ち「功成り行満の士」はその末路を見る。ここでやれやれなんて思うと、老いこんでしまったり、あるいは有頂天になって弛んでしまう。その反対に、行き詰まってしまって、勢も蹙(ちぢ)まり、意気あがらぬ、どうにもこうにもぺしゃんこになってしまった人間は、そこでへこたれず、元気であった初心を原(たず)ねるが宜しい。そうすれば、また新しく出かけることができる。これは易の精神でもある。ところがこれまたなかなかできないのであります。

日本も現在事窮し、勢も蹙まっておる感があります。これもやはり、ごまかしはききません。どうしても創業垂統の明治精神を尋ねるのが良い。それでないと必ず自家崩壊に陥る。

19世紀末のイギリスの歴史学者、バーカー(J. E. Barker)という人がある。この人の『オランダ興亡史』という書物は名著で、それこそ洛陽の紙価ならぬロンドンの紙価を高らしめた人です。この『オランダ興亡史』の中に、バーカーが、「領土だの物資だのというものが、その国の偉大さに本質的な関係があるものではない。真にその国民の偉大さに関するものは、そんな領土や資源や貿易ではなくって、国民の能力であり、国民の精神である。殊に後者の国民精神の問題である。これの旺盛な国民は、必ず、どんなに困ってもまた勃興する。航海に例を採れば、よく規律あり訓練ある乗組員であれば、荒海をくぐりぬけることもできるが、秩序の乱れた、精神のこもらぬ船員共では、沈没の危険があるのと同じである。その意味において政党政治は非常に注意を要する。国あることを知らず、ただ党あるを知り、その党よりも実は己の利を図るばかりというように、政党が堕落してオランダも衰退してしまった。だからどうしても、己よりも党、党より国家という精神に燃えた政党員を作らなければ、到底、政党政治というものも国民のために危うい」ということを痛切に論じておる。

それがそう行かずにだんだん悪くなると、どうしても革命を招来する。革命というものはやむを得ざることであるが、無条件で肯定できない。非常に注意を要するものです。警戒を要するものです。ところが、行き詰まってくると革命が要求されるために、なにか革命といえば無条件に礼讃される傾向があります。これは間違いで、できるだけ革命は避けたが宜しい。やむを得なければ革命もなければならないが、それはあくまでも正しく賢明に行なわれねばならない。一番望ましいことは革命など要らない「絶えざる生新」即ち維新であります。
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