電脳筆写『 心超臨界 』

真の発見の旅は新しい景色を求めることではなく
新しい視野を持つことにある
( マルセル・プルースト )

『致知』の普及は必ず日本を幸せにする――中田完二

2024-10-27 | 03-自己・信念・努力
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そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
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■『小樽龍宮神社「土方歳三慰霊祭祭文」全文
◆村上春樹著『騎士団長殺し』の〈南京城内民間人の死者数40万人は間違いで「34人」だった〉
■超拡散『移民受入れを推進した安倍晋三総理の妄言』
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伝説のインストラクター――その研修を受けた受講生たちはこう呼ぶ。研修の奥深さ、身振り手振りの美しさがいまでも多くの人の脳裏(のうり)に焼き付いている。その人は中田完二さん。


「致知」2007年11月号
◎特集◎天真(てんしん)を発揮する――発行人/編集人・藤尾秀昭

伝説のインストラクター――その研修を受けた受講生たちはこう呼ぶ。研修の奥深さ、身振り手振りの美しさがいまでも多くの人の脳裏(のうり)に焼き付いている。その人は中田完二さん。


昭和35年、大阪生まれ。大阪大学経済学部を卒業し、ダイエーに入社。教育部門で研修を担当したことが、中田さんの人生の方向を決めた。人材教育の意義と魅力にひかれ大手研修会社に転職、研修の講師、インストラクターを目指したのだ。27歳だった。

猛烈な努力を重ねた。その先には順風満帆の日々が待っていた。入社4年目に最優秀社員賞、6年目には数名のインストラクターを束ねる管理者になった。理想の女性と結婚した。子どもも生まれた。

異変が起ったのは平成8年である。急性骨髄性白血病を発病したのだ。4か月の闘病生活。抗がん剤治療の効果が現れ、翌年2月に退院できた。家族と一緒にいられる幸せが身に沁(し)みた。

だが、平穏は続かなかった。平成10年元旦、中田さんの様子がおかしいといぶかる実兄に強引に病院に連れて行かれ、新たな病気が見つかった。脳腫瘍(しゅよう)である。直ちに入院となり、開頭手術が行われた。幸い手術は成功。だが、その喜びも束(つか)の間だった。白血病が再発したのである。この時も治療の効果が出て7月には退院した。

しかし、運命はさらに過酷な試練を与え続けた。

退院後1か月、早朝ふと目を覚ますと、右目が見えなくなっていた。放射線治療がなされたが効果はなく、ついには左目も光を失った。中田さんは全盲の身となったのである。

しかし、そういう状況の中でも中田さんの人柄を慕い、その研修を依頼する人は多く、中田さんは自らが「神様のような人たち」と評する人たちに支えられ、インストラクターの仕事を続けていた。

全盲になって初めての研修終了後、その会社の専務から、「これまでいろいろな研修を受け、また実施してきたが、こんな研修はない。いままでで一番よかった」といわれたのが、中田さんに自信を与え、その後の活動の根源になった。

そんな日々の中、またも白血病が再発する。平成16年1月のことである。

「この時の気持ちは言葉では言い表せない。あまりのショックに人生そのものに対するあきらめのような感覚になった」という

だが奇特な協力者に支えられ、中田さんはまたも力強く歩み出した。本誌が中田さんに出会ったのはその頃でである。


花は香り、人は人柄――その言葉を想起させる人であった。病との闘いがこの人の人格を光り輝くように磨き上げていた。

その中田さんがこの8月、急逝された。入浴中に脳腫瘍の後遺症の発作で浴槽にうつ伏せに倒れたのである。わずか十分ほどの出来事だったという。実に惜しい人を亡くした。悲しみは尽きない。


「天真」は、森信三師が『修身教授録』の中で述べられている言葉である。天がその人だけに与えた真実という意味だと解している。

中田さんはまさに天真を発揮し尽した人生を生きた。

「『致知』の普及は必ず日本を幸せにする」と信念を持って語ってくれた魂の同士の冥福を、心より祈りたい。
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