数日前、元モーニング娘の加護亜衣さんが自殺未遂をした、という報道が流れました。
自殺未遂の理由はわかりませんが、何でも付き合っている男の人が暴力団がらみのことか何かで警察につかまって、加護さんはそのこととは関係ないけれど、一緒に暮らしていたために事情聴取を受けた後のことだったので、そのことを気に病んで、かもしれません。
私がこの一報を聞いたあとで、すぐに思ったことは、やっぱり小学生くらいの年齢で芸能界にデビューなんかするより、せめて中学校を卒業するまでぐらいは親元で生活するべきだよ、という感想でした。
もちろん、小学生くらいの年齢で芸能界デビューした人が全部、そのあとの人生おかしなことになってしまう、ということはありません。
むしろ、たいていの人はしっかりとした人生を送っていくでしょう。
それでももし私が加護ちゃんの親だったら、そのことを一番悔やむだろうなぁ、と思ってしまったのです。(っていうかそういう親目線で見るような年になるといきなり普通のこと言うようになるんだなぁ、って自分にびっくり。)
そして次に、あ~、加護ちゃんがそういう男の人と出会う前にオーラソーマなりほかのツールでもいいけれど、しっかりと自己探求できるものに出会っていたらなぁ、と思いました。
何せ私にとっては「加護さん」より「加護ちゃん」と言ったほうがなじみのある、まだ幼い中学生くらいの彼女しか思い浮かびません。
私は特にモーニング娘のファンではありませんでしたが、それはそれは当時一世を風靡いたしましたから、テレビでいっぱい見ましたもんねぇ。(それでもだんだん増えていくメンバーが覚え切れませんでした・・・)
当時は今よりはまだ歌番組も残っていましたし。
12歳でモーニング娘入りをした加護ちゃんが、16歳でモーニング娘を卒業し、18歳で喫煙しているところをフライデーされて謹慎し、19歳で謹慎期間中なのにもかかわらずまた喫煙していた事実があったため、事務所を解雇され、その後は泣かず飛ばずの人生を歩んでいたことに対して、私は「甘い」と言われるかもしれませんが、ひそかに胸を痛めていました。
12歳って小学校を卒業する年齢ですよね。
そんな年齢で親から引き離されて(ってまぁ、本人の希望でしょうけれど)、過酷な芸能界で生き抜き、いったん引退みたいなことになったのがまだ16歳で普通なら高校1年生っていうのはあまりにも人生生き急ぎすぎではないか、と思いました。
普通ならようやく「将来、わたし何になろうかな~。」なんて夢の世界で描いている年齢で、実際には高2の後半ぐらいにならないと大学進学についてさえ具体的なことは考え始めないときじゃないでしょうか。
そんな年齢で「はい、これからは1人で歌うたうなり、演技するなり、自分で生きて行ってね~」と放り出されてもそりゃどうしたらいいのかとまどいますわな。
有名になっちゃったぶん、親元に帰って普通の高校生に戻る、なんて選択もかえってできなかったでしょうし。
当時彼女の周りにはどんな大人がいたのだろう、みんな彼女を食い物にしよう、とする人ばかりで恵まれなかったんだろうか、と思うと可哀想になっちゃって・・・
そして、18歳で喫煙しているところをフライデーっていうのも、通常なら大学に入るか社会に出る年齢であることを考えると、羽根伸ばしてちょっとタバコでも吸ってみようかな、くらいのことみんなやるだろーと思うと芸能人はどこに目が光っているかわからないだろうから気の毒にねーと思ったくらいでした。(いや、いけませんよ。未成年の喫煙は。きっぱり。)
私も大学に入って友人達とお酒飲むようになってからはタバコに手出した時期ありましたもん。(だからって肯定するわけじゃないですよ。そんな雰囲気の環境のなかには置かれる、ってこと。)
ひょっとすると彼女も当時は喫煙していたことを反省するよりは、誰がどこで写真撮って、それをお金にしてんだよ、ということのほうに腹をたてたかもしれません。
そして今回のことだって、彼女がたまたま好きになった男の人が何か事件に絡んでいるか罪を犯した人だって言っても、彼女はまったく関係ないんでしょう?
でも彼女は「これで本当に自分は終わりだ・・・」って落ち込んでしまったんじゃないでしょうか。
もう芸能界では浮上できない、って。
それくらい彼女は芸能界での不条理さを知っていたと思います。
自分自身のせいであろうがなかろうが、純なアイドルが何かしら穢れてしまった、というイメージがつくともうお払い箱になってしまうのだ、ということを。
どこで自分は道を踏み間違えてしまったんだろう・・・?
タバコくらいのことでは立ち直れると思っていた。
よくわからない。
ただ私は好きになった人とずっと一緒にいたかっただけなんだ、って。
その人のもとでもう一度頑張れる、って思ってたんだって。
だけどこうなってしまっては、何をどう頑張ればいいのかもうその方法がわからなくなってしまったのかもしれません。
そして彼女が自殺未遂を図る前にそれをほのめかす電話をかけていた相手が事務所の人だか弁護士だか、ということにまた私はやりきれない思いを抱きました。
狂言だったならそれは当たり前じゃない、という意見もあるかもしれませんが、彼女が手首を切った、というのは事実です。
そんな自分の体を傷つけよう、というときに電話をかける相手が事務所か弁護士の人、というのはあまりにも寂しいじゃありませんか。
でも彼女にはそれくらいしか心当たりがなかったのかな。
もし自分が12歳で大きな夢を抱いて東京へ行き、一人暮らしをしながら芸能界というなかで生き、16歳でその活動にひとつのピリオドが打たれたとしたら、その後どんな“自分らしい”人生の地図を描けるのか、と考えたら、自信ありません・・・
駆け抜けただけに、このあとの人生もう私にはおまけだ、と自暴自棄になってしまうかもしれません。
ましてやかたや一緒に活動していたメンバーのなかには幸せな結婚をして、赤ちゃんを産んで、そのこと自体を売りにして売れている人もいるじゃないか、となったときあまりのその落差に消えてなくなりたい、と思ってしまうかもしれません。
芸能界というのは面白おかしく比較することが大好きなので、なかなか“自分だけの”“私らしい”人生なんてものには向き合わせてくれないんでしょうね。
でもまだたったの24歳。
大学を卒業した人なら社会に出てまだ数年という年齢ではないですか。
じゅうぶんにこれからどれだけだってやり直せます。
立ち直って自分にはどんな生き方がふさわしいのかじっくりと考える時間だって十分にあります。
ひとりの人間として、地に足つけて生きていってほしいな、と思いました。
自分が見えてこれば、必ず手を差し伸べてくれる人はあらわれます。
今はそういう人たちだって、どう手を差し伸べて良いのかわからなくて差し伸べようがないだけですよ、きっと。
何をどう頑張ればいいのかわからなくなってしまった人は、ひとまず「頑張ろう」とすることをちょっと横へ置いておいて、自分が何を目指しているのか、目指すべきなのか、そして自分だけで生きているわけではないんだ、ということをゆっくりとリラックスして考えてみたほうがいいと思います。
そのための助けとなるものは世の中にいっぱいありますよ。
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