司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

外国人の名前

2009年04月24日 | 渉外関係

外国人の氏名って、どうやって登記すればよいかご存知ですか?
はっきりとしたルールはないのですが、東京での実務上の運用状況をご紹介します

まず、登記するには、日本語表記にしなければなりません。通常はカタカナ表記になります。

【Q1】では、中国や韓国の方の氏名は、そのまま漢字で登記できるでしょうか?
【A1】康熙辞典に載っている漢字でしたら大丈夫。それ以外の字は、康熙辞典の字又は日本の漢字に引き直して登記できます。
康熙辞典は高価で、我が事務所では購入していません(できません?)。なので、実際は法務局で登記できる字かどうか確認しています。

【Q2】ファーストネーム、ラストネームの順番はどうなるでしょうか? 
【A2】欧米系の方の氏名は、通常、ファーストネーム→ラストネームの順ですよね。でも、日本で外国人登録する場合は、原則として日本人と同じようにラストネーム→ファーストネームの順で登録されます。
ただ、欧米系の外国人の名前が通常ファーストネームからになるということは、常識的に知っていることなので、例えば、外国人登録をしている方の印鑑証明書が逆に記載されていたとしても、並べ替えて登記することが出来ます。

【Q3】ミドルネームは登記しなければならないでしょうか?
【Q4】適宜省略することができます。ただ、そのような場合には、できればサイン証明書などの英文(外国語)表記の書面についても、ミドルネームを省略しておいた方が良いと思います。人(国?)によっては、ミドルネームがいくつもあって、「ジュゲム・・・・」のように長~いお名前の方もいらっしゃいますから、ホドホドにしておいた方が良さそうですね。

【Q5】他に気をつけることは?
【A5】
①取締役や代表取締役を何社か兼務されている方については、できる限り登記する氏名(住所も)の表現を統一しておいた方が良いでしょう。例えば「David」さんは、「デビット」「デイビッド」など、訳し方によって違った表現になってしまいますね。
②登記する際は、氏と名の間にスペースを空けられませんので、必要に応じて中点で区切ることができます。

ざっとこんなところです。他にも細かく言い出すと色々あるのですが、具体的な事情によりますので、本日はこれにて。
 

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決議がないのに必要な登記とは?

2009年04月23日 | 株主総会
3月決算の会社の株主総会の準備が始まっています。今年も総会シーズンがやってきますね。というわけで、しばらくの間、できるだけ総会に関係するお話しをしようと思います。

今月、定時総会を開催する上場会社のT社から「今年も登記をお願いします。」というメールがありましたので、とりあえず、招集通知をお送りいただきました。上場会社の株主総会のご依頼があったときは、まず招集通知を拝見することにしています。決議の内容は当然のことながら詳しく記載されていますので、非常に便利ですね。

今回T社は、株券の電子化に伴う定款変更のみが決議事項で、他には取締役の辞任があるとのことでした。私は、「取締役の変更登記だけですね。登記の際は議事録は不要です。」などと、のんきなことを言っておりました。

そして、委任状の作成に取り掛かり、念のため謄本を確認します。
確かに取締役、代表取締役は今年改選期ではありません。(まあ、当然です。)でも、「あっ!!.......」会計監査人の登記があるではありませんか。そりゃあ、上場会社なんですから当たり前なんですが、すっかり忘れていました。

会計監査人は、ご承知のとおり、定時総会において何も決議されないときは再任したものとみなされます(会社法第338条第2項)。しかも、任期は1年で定款に任期の伸長に関する定めを置くことができませんので、結局、毎年登記をしなければなりません。

通常、登記事項が発生する際は何らかのアクションがありますが、何もしなかったら登記するというのは、登記漏れが起こりやすくなると思います。私も何度となく危うい目に遭いましたが・・・・。
会計監査人設置会社の皆様!くれぐれもご注意くださいね。
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ご挨拶

2009年04月22日 | ご挨拶
はじめまして。司法書士の新保さゆりと申します。

私はあまり目立つことが好きではないので、今まで〝影の力持ち"になるべく業務に従事してまいりました。 が、このたび、パートナー司法書士から「そんなことじゃあ、ダメじゃん!!」と叱咤激励(!?)され、このブログを開設する運びとなりました。

日頃のお仕事の中で、クライアントの皆様からよく質問されることや、あまり話題にならないけれど実務では結構重要なことなどをお知らせしたいなぁ・・・と思っています。

それから、クライアントの皆様、具体的にメールのやり取りを紹介させていただくことがあると思います(もちろん、貴社名は伏せますが。)。「あっ!これって当社の話??」と思い当たる節もあるでしょうが、どうか暖かく見守ってやってくださいませ。 どうぞどうぞよろしくお願い申し上げます。
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