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備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

ニワトリは、いつからチキンとなりたるや?

2017-11-17 11:48:57 | 料理・食材


先日の事。

ヤキモノ屋の先輩宅で「やかましい!」という理由でリストラされたニワトリ。
拙宅に来た当初はタマゴを産んでいたが、ストレスかエサの具合か産卵しなくなった。
「環境に馴れれば、また産卵するかな?」とも思っていたが「渡り鳥の頃には……(美味しく頂こう)」と思っていたのも事実。

さて、そういう『有効期限付き』で仮住まい。
仮住まいなので、専用の鶏舎は無い。夜行性動物に狙われないよう日が暮れると玄関に入れ、朝になると外へ放すという厚待遇なルーティンが確立する。
この一連の作業中は、番犬福助が「他の動物と遊んで!」と思っているのか嫉妬する。やかましい!
結果、いつもより多目に遊ぶ羽目に。ニワトリ飼って犬の世話が増える……メンドウなヤツ。

ニワトリは、思いのほか何でも食べる。麺の切れ端、戻さない高野豆腐、野菜の皮、使わない葉っぱなど。
そして、思いのほか雑草には偏食。スイバは大好物、クローバーは食べない。
面白がって色々実験していました。(←これがストレスだった?)


某日、家族全員が在宅。
「ニワトリ・ワークショップ開催~~」となりました。

家族にテーマを出しておく。
「ニワトリは、いつからチキンとなりたるや?」というお題。要は「どの段階から肉と思う?」である。
子供たちは幼少期から、生きたものを締める現場を見せているので、事に関してキャアキャアは無い。淡々と。

自分のテーマは『綺麗に精肉』。
生きたニワトリを締めるのは2回目で3羽目である。


以下は、ご想像通りです。(画像はソフトですが、感想には個人差があります)


じゃ、締めますよん。


「バラス前に、逆さ吊りしたら気絶するよ」と聞いていたので、30分ほど吊る。その間に包丁を研ぐ。

「気絶しないね」

「うん」

日暮れが近かったので、スタート。


紙袋を広げて、中にニワトリを入れる。

絶命作業は地面で。
前回は吊ったまま首を包丁一閃「えぃ!」としましたが、これは上手くいかないのは学習済み。
包丁をあてがって刃全体を静かに一気にひいた方が良い。

自分の姿勢は、立てひざ。
ニワトリを地面に寝かせる。
左ヒザで羽を広げて固定、右足で鶏の両足を固定。左手は頭を持って顔を隠して首を伸ばす。右手は包丁。
「南無」
しっかりと固定されたニワトリは、暴れる事なくご本人も気付かないうちに西方へと旅立ちました。(と、思います。この時点で小生はチキン認定)

大鍋にお湯を沸かして全体を浸ける。既にチキンの匂いが漂う。(細君は匂いでチキン認定)
羽の毛穴を開かせて羽を除去する。濡れているので飛び散らないのも利点。
これは家族で。

最後に表面をガストーチで炙る。「いやぁ、鳥肌やねぇ」とか。(子供達は、羽がなくなった時点でチキン認定)


さて、あとは『綺麗に精肉』です。YOUTUBEで予習済み。便利な世の中だわ。
バラしながら内臓処理する方法です。(中身を抜いて丸鳥にするのは別の機会に)

筋肉のつき方と骨の構造が判っていると簡単。


モモ肉は「切り込みを入れて、背中側に回してバキッ。関節を外して、背中に十文字に切れ込みを入れると……ハイ!」というぐらい。


「食材として進化したのか?」と思うほど。手順さえ判っていれば魚を卸すのと変わらない。

次回は丸鶏の技術を習得せねばな。

心臓、レバー、砂ズリも確保。
タマゴのもとは小さくなっていました。「こりゃ、産まんわな」と納得。


鳥ガラでスープを取って水焚き。

旨し。

モモ肉は焼く。出てきた脂でジャガイモも焼く。

美味し。


久し振りにしっかりと『カシワ』を堪能しました。

平飼いの親鶏を新鮮に頂く。
考えようによっちゃぁ、贅沢な事ですな。


さて、次のリストラ鶏はいつご来宅でしょうか?
















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