備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

妄想ガイコク料理

2015-01-31 19:03:59 | 料理・食材


夕刻の事。
夕飯準備としてまず冷蔵庫の中身チェックする。通例からすると食材の都合で『本日のメニュー』が決まることが多い。
本日は塩鮭を発見。子供の弁当の材料として買ったもののそのままになっていたに違いない。少々、賞味期限切れである。
「まぁ、見た感じ大丈夫」と判断して本日の食材としようか。
さて、材料は決まったが『焼き魚定食』では面白くない。しかし鮮魚と違って塩分があるので幅が広げにくいなぁ。どうしよう。
子供に相談すると意外な答えが返ってきた。

「妄想料理でよろしく」

某公共放送の番組で『妄想ニホン料理』というものがある。
日本料理を外国人に少ないヒントから想像して作ってもらうという料理番組。異文化交流クッキングバラエティーと銘打ってある。面白くてほぼ毎回見ている。
それに倣って「料理のヒントを出題するので出来上がりを想像して作れ」という趣旨である。
子供が『鮭・外国料理』のワードでネット検索して料理を探す。そして、お題が出された。

お題は『鮭のモンテカルロ風』である。

今日は外国料理を妄想で作るというメニュー。
出題者(子供)は出来上がりを知っているけれど、作る側(小生)は知らないという状況。

__________

【 鮭のモンテカルロ風 】

・モンテカルロとは地名であ~~る。
・ニンニクを使う。
・モンテカルロとはイタリア語で『シャルル3世の山』という意味であ~~る。
__________


地名は知ってるが、どんな所かは知らない。ヒント外に鮭を使うのは前提なので助かる。

さてさて……。
「ヨーロッパの山となるとアルプスか。アルプスは万年雪なので白い山だな。鮭は寒流の魚なので地域的に推測すると付け合せは素朴な食材かな。となるとジャガイモか? イタリア語とニンニクがヒントにあるという事はぺペロンチーノ風味が良いか? となると鮭はソテーして……いや片栗粉でムニエルにしよう。白い山は付け合せで立体的に表現する。タルタルソースの山も良いな。盛り付けは手前に鮭、その奥に白い山脈で決まりだな。太陽の象徴としてトマトは偶然あったので使おう」

という事で、
『塩鮭のムニエル・ぺペロンチーノ風味。ポテトサラダ、タマネギの玉子とじ、トマト添え。』を作る。

で、
これが我が家の『鮭のモンテカルロ風』だ。ジャ~~~~ン。



え~~と、画像を見ると普通にありきたりな組み合わせですが、今日は『モンテカルロ』だから!
なお、タルタルソースは作りそびれた。


頂く前に子供から正解発表される。
「生鮭に塩コショウして小麦粉でムニエルにする。皿にあけてアンチョビソースを塗る。そのフライパンにバターとニンニクを入れ、焦がしニンニクバターのソースを作る。茹でたジャガイモを添える」

「あっ、割と近い? あ~~、アンチョビかっ、えっ、山は?」

「知らん。茹でたジャガイモちゃう?」

「それはザックリし過ぎやん。山を頑張ったのに」

「知らん。では頂きます」

「……」

「ポテサラおいしいね」

「いや、今日は鮭がメインだから……」(ポテサラ記念日かよ)


という事で無事夕飯は終了しました。
鮭のムニエル・ぺぺロンチーノ風味は美味しゅう御座いました。


以上、本日の妄想料理でした。


( 注 : 放送局の回し者では御座いません。)






ボチボチ窯出し中

2015-01-28 19:18:50 | Weblog


ボチボチ窯出し中。窯焚き中に気掛かりだった場所に関しては、う~~ん、まぁ、セーフ……。しかし、大きいモノの破損が精神的に痛い。

さておき。
まずは、2月の展覧会で必要になるであろう目ぼしい(?)モノのセレクトが重要なミッションである。この為に正月から窯を焚いたんだし。
窯から出したら、砥石と紙ヤスリを使って埃や灰を落として、引っ掛かりが無いように磨き作業。そのあとは水洗いする。
ザラザラしたものを素手で扱うので指紋が無くなり、冷たい水で洗うので手がかじかみ……「この辛さこそが修行なのじゃ」との自己暗示によって妙な充足感が生まれる。変なテンション。
そして、熱い湯呑や茶碗が持てなくなるお決まりのパターンになる。これぞ、やきもん屋ですな。

水洗いの後は、水漏れチェックである。正しくは『水漏れしないチェック』であるが……。水を満たして概ね一晩放置する。
徳利などの首の狭いモノは、中の水が凍ると破損する事もあるので、凍らないように室内で少しずつ検査する。冬は何かと面倒が多いなぁ。
でも、洗う為に水に入った最初の瞬間の綺麗さったら! いつも新鮮な美しさを感じる。この瞬間が幸せ。

という訳で、辛さと幸せを行き来する仕事がこまごまと続く。


そして、作業しながら2月の展示を取り留めなくイメージする。厄介なのは百貨店は季節が先取りである点。会期中は春を意識した雰囲気になっているだろう。
いずれにせよ季節感の問題のひとつは『花材』である。庭を見渡したところ、椿、水仙以外はまだまだ厳しい雰囲気である。露地なので当然。
春は遠いなぁ。というか、毎朝、氷が張ってるんだからなぁ。
スーパーの野菜売り場で菜の花が出てたのは確認済みである。あれは花材として使えるな。あとは御近所の梅、桃あたりを狙うか。

丁度、室内で『水漏れしないチェック』をしている事でもあるので、放置しているレンギョウの枝をバシバシ切って花器に突っ込んでみる。
室温で「春が来た!」と思って蕾が膨らんでくれば良いんだけど。少し黄色が覗くだけで花材として使える筈。
何日掛かるか不明なのでタイミングを数日単位でずらして実験中である。


さてさて、仕上げがひと段落したらリストやテキストをガシガシっと書いて~~の事務作業をせねば。
ステイトメントも書かないと。それにしても「何故、あのタイトルにした?」 あの時の自分を小一時間問い質したい。
あと、思いついた展示小道具もあるのでそれも作りたいな。


あっ、今日、確定申告の封筒が来ていました。また、あの季節か。┐('~`;)┌
今年も早いねぇ。









年末年始のあれこれ

2015-01-16 16:05:06 | Weblog


え~~と、最近の動向はですねぇ……。

年をまたいでの窯詰め、窯焚きというスケジュールで御座いました。
まぁ、年が改まるだけで普段と変わらないはずですが、不思議と気が急くものがありますね。展覧会に向けての追い込みなので、当然といえば当然では御座いますが。

年末の仕事納めが大晦日23:50。徒歩30歩で窯場から帰宅してテレビの『行く年来る年』を眺める。
寺から神社へという映像で年が改まったのを確認して、再び窯場に戻り今年の仕事始めが0:00過ぎでした。


今年はここからスタート。初日の出を迎える直前で遭難しそうな冷え込みを感じたので終了。布団へダイブ。
少し寝て起床。新年定番『梅昆布茶』を頂き朝風呂と雑煮。う~~ん、正月やねぇ。
そして、また窯場へ。敬虔なる心によってお屠蘇を窯へ持参する。窯の神様へお供えである。しかし寒かったので直会が多めだったのは内緒。
結局、正月中はずっと仕事ながら、意外と辛いとは思わなかったし、むしろ、正月は誰も来ないという安心感があって集中出来たのは新発見でした。

3日には中学校の同窓会がありましたが不参加。時折SNSで上がってくる写真を見ていましたが「さっぱり判らん……」と思いつつ仕事。
自然と中学時代の事に想いが至りますが、自分の事を振り返ると「若干、厨二病やったんではないか」と……ハズカシイ。
流行の音楽は聴かないし、ひとり防波堤で寝転がったり、通学鞄には西田幾太郎の『善の研究』が入っていたな。

読売新聞のお正月特集に掲載頂き、アチコチから連絡が入ってくる。

予想外に大きな取り扱いに感謝。紙面4分の1。
「これに応えて、今年はがっつり仕事せなな」とも。

窯詰めが予定より掛かり、やや遅れて窯焚きが始まる。しかし想定外の事が色々と発生。中でも「ネタやろ」というぐらいの初歩的ミスにお手伝いメンバーから失笑。
そのお陰で窯焚きは体力的にしんどかったけれど、いつもより大量の自然釉があったらしい。2度としないけれどね。香炉の蓋が心配……つか、あきらめた。
懸念のオルトンは不思議な反応をする。薪窯で使うものでは無いなぁ……という感想。しかし、これが世界基準なら仕方あるまい。窯出しで検証せねば。
次回からは大丈夫? いや、不安やなぁ。
差し入れも沢山頂きました。ありがたや~~。


という事で、怒涛の窯詰め、窯焚きが終了。
今回は本当に多くの人に助けていただいた。改めて皆様に感謝で御座います。


現在は事務的なアレコレ。
関係各位には非常にご迷惑をお掛けしておりますが、順次やっていきます。


母が好きだった『ボレロ』でBGMスタート。