桜の咲く前から今の散り際まで、この2ヶ月ウロウロする機会が多くありました。
出先では、気になったものも多く見かけました。
まぁ、性格上といいますか、アマチュア路上観察学的な観点で興味を惹かれます。
路上観察の基本対象としては、やはり建築物であります。
蔵作りの立派な土蔵ですが、見所多数でした。
瓦の上に波板で屋根などは「屋上屋を架す」の真骨頂でありましょう。瓦にも波板にも樋がつけてあるのが丁寧な造作です。
1階と2階の窓の違いも素敵です。2階の無機質なアルミサッシに対して、1階の木製の桟の多さからくる安定感と温もりもなかなか。
隣接する建物が無くなり土壁の塗り残した部分の露出をブルーシートで覆ったビビットなカラーが鮮烈です。
隠された荒壁が別の部分から想像できるので、目の前の光景と隠された光景の両方が楽しめます。俄然その素材と色のパッチワークに目が奪われます。
土台の穴から三毛猫が出てきた時には、「パッチワーク建築の魂が憑依してきたのかしら」とも思えました。
さて、小生が、『醜悪なる存在』と位置づけているものに電線があります。
問答無用に空間を分けるその静かながらも暴力的存在と、正義を振りかざす会話にならない自己中心的な雰囲気も相俟って非常に抵抗感があります。
それが、まぁ、ここまできたら……下を通り抜ける度に不整脈が出ているのかと思うぐらい抑圧された気分になりました。
密かに『蜘蛛の巣交差点』と名づけました。
数羽の鳥が留まっていましたが、ひょっとしたら本当に電線に絡め取られていたのかも知れません。
建築物以外に興味を持ったのが、完全に突っ込み待ちの表記。
店主が大阪人なのか、大阪からのお客さんもオススメするレベルなのか……判然としませんが。
生憎、小生も同じ関西人ながら大阪人ではないので、このコピーのリアリティーを述べるのは野暮でありましょう。
が、頂いた上であえて申し上げますと、神戸人からは何もお伝えする事は御座いません。
あと、偶然と思われますが、お店の方に関西弁の雰囲気は感じられませんでした。
『たこせん』は明石のものではなく、大阪の『たこ焼きをえびせんで挟む』方式だった気がします。(よく憶えていません)
無作為なコピーながら高度な突っ込み待ちに感服しました。
ちなみに、二階には『本格的な専門店』という謎表記の日本語のお店もあります。
「馬から落馬」した経験でもあって「頭痛が痛い」事があるのかも知れません。
さて、地方都市にありがちなのが、国家公務員の募集ポスターです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/b8/43845523e67869e447b3b2a2f687d292.jpg)
以前は凛々しいものが多かったように思いますが、今は萌えキャラですね。
3人いらっしゃって、陸担当はピンク・ツインテールの「吉備桃恵」、海担当は紫ロングの「瀬戸水葡(みずほ)」、空担当は金髪ショートの「備前愛梨(あいり)」さんですね。
(調べてしまった)
個人的には、これが一等賞です。
パイプの施工は部品数を減らして直線で短く効率優先でしたいところ。
そこをあえて曲げて伸ばして、短くとも非常に立体的なクランクを表現してあります。秀逸なのがツートンカラー。オシャレです。
そして、若干、横長な白パイプ側が同系色の背景で間延びしそうな印象を2本の刻んだラインによって引き締めてあります。
最終的に、鑑賞者はその2本の線に目が行って安定感を得るという高等テクニックですね。
実に天晴れであります。
さて、他にも御座いましたが、また別の機会に。
というか、今月はまだ会期中ですので、まだまだ集まるかと。
●かまどホール(坂出)
~4/29(火)まで。4/20在廊
●アンクル岩根のギャラリー(岡山市)
~4/28(月)まで。土日在廊(20日を除く)平日は時々在廊です。
是非、御高覧の程。( 拙作のヤキモノの方です。念の為 )