備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

第一回 ふるさとあっ晴れ認定委員会

2015-05-30 21:00:14 | Weblog


今日は、岡山で会議。
事前打ち合わせや会場の雰囲気から、既に随分と練り上げられたコンテンツである事がわかる。
よって、お笑い系やきもん屋はちょっと封印。
普段は審査される側ですが『審査する側は出品者から審査されている』という関係性も知っているので責任感と緊張感が高まる。
と同時に、これから始まるプレゼンが待ち遠しくさえ思えた。資料をパラパラ何往復も。

複数のメディアも一緒にプレゼンに立会い。見知った顔も見えてホッとする。心の中で「やぁやぁ」という手を振るけれど、外見は真面目に装う。


プレゼン時間は短いので、メンバー各自も集中力を発揮していた。周りの見守る方々の視線さえ気にならない。
実際、どれも精査されて出てきたものなので、既に評価ポイントは高い。そこに物語性、ローカル性、その他もろもろを意識しながら見ました。頂きました。
試食は一口程度だったけれど、ホントはどれも全部完食したかった……それだけが残念なり。

得点集計後、各々の視点からの解説や提案があり「流石に次代を支える立ち位置の人々やなぁ」と感心する。
専門家の意見に囲まれるのって得難い経験である。異業種的興味だけでなく人としてのキラキラ感が良いな。勿論タレントさんのキラキラ感も良かったが。
小生は自分の事は棚上げにして、気付いた点を若干申し上げる。いや、これを自分にフィードバックせな。

まぁ、メンバーには「やきもん屋は窯焚きの時に焼き芋をする」という周知は出来たか。(← 周知してどうする)


非公開の討論終了後は、結果発表。そしてフォトセッション。

納得の認定が出来たと思います。


帰宅すると家人がニュースを録画していて「噛んでたね」と一言。
それも残念じゃ。




さてさて、次のエリアが楽しみであります。


準備される方々は本当に大変なことと存じます。
長い作業が続きますが、よろしくお願い致します。m(_ _)m


小生もガンバロー。(*^o^*)/ (← 軽っ)










備前焼MEETSグルメ

2015-05-30 01:03:10 | 展覧会・ご案内


個展中ではありますが、イベントが始まります。
備前焼作家と飲食店がコラボして、備前焼の器で料理を提供する企画『備前焼MEETSグルメ』です。明日から1ヶ月間です。


会期 : 5月30日(土)~6月30日(火)
会場 : 岡山市内の飲食店 13店舗
作家 : 16名 (詳細は画像でご確認下さい)




〈クリックで拡大します〉


小生は、『ゆず家』さんと。
元気な若いオーナーで打ち合わせの時から、何故か大いに盛り上がりました。呑んでないのに。
途中で合流した企画側のスタッフさんによると他の店と取材雰囲気が違ったっぽい。「呑んでるの?」って。そんな雰囲気が写真にも出てるかな。


考え方も直球で大人が楽しめる居酒屋です。カジュアルですが学生がバカ騒ぎする店ではありません。あと店名通り柚子レシピが充実。女性ファンも多いのでしょう、きっと。
あと、3:00(27:00)までやってます。飲食関係者が仕事終わりに来られるだけあって美味しさは大いに期待出来ます。

えーーと、個展前に呑みに行くつもりが……やはり無理でした。会期中に必ずお伺いします。


明日からなので、その食器を納品しに参りました。


洗うのにオススメの亀の子たわしもオマケに。

盛り上がるといいですねぇ。


ちなみに、会期中の6/6(土)・7(日)には『ひがしやま備前焼市』が開催されます。
あの『リヤカー茶席・どこでも楽茶号』を出します。参加作家の茶碗に加えて人間国宝の茶碗も登場致します。
他には備前グルメ、陶芸体験、ワークショップ、抽選会、ビールのプレゼントなどなど。詳しくはWEBで。


まぁ、全ては個展が終わってからの準備ですなぁ。先延ばし。つーか、明日はまた別件の大きなのが……おぉぅ!( ̄□ ̄;)!!


イベント続きですが、淡々と参ります。(落ち着けば一人前?)

感覚の暗数

2015-05-25 09:19:36 | 陶芸


今回の展覧会タイトルは『欠片または断章』です。

『同じモノでも人それぞれに持つ意味の違い』を意識しています。
このタイトルを決めてから、そこはかとなく自分のモノに対する執着を考えていました。
すると今まで意識しなかった自分の『萌え属性』を発見しました。それが最終的には今回作ったスチームパンク系のモノになります。


ご幼少のみぎりまで振り返れば、時計の歯車、オルゴールのユニット、路上販売のポン菓子製造機……アナログな機械に対する興味はあったように思います。
レイヤーのように重なる歯車萌え~~。個人的嗜好です。
そして、少年期をロボットアニメ(マジンガーZ~ガンダム)全盛期で過ごし、後年SF映画も見るようになります。
自分が好んでいたSFジャンルが、ニッチにはサイバーパンクやスチームパンクと呼ばれている事に気付いたのはごく最近です。
ちなみにお気に入りは『ブレードランナー』『攻殻機動隊』ですが。


さて、統計学に暗数というものがあります。実数と統計数とのズレを指すものです。(例えば、犯罪の取り締まり強化による発覚数増加が犯罪数増加に見えるなど)
これを強引にやきもん屋に当て嵌めると、作ったモノを統計のように整理されたモノと見るならば、感覚や知識との暗数が存在するように感じます。
イメージしたモノすら全て作れていない上、自分でも気付いていないイメージもあるはずですし。
この『感覚の暗数』に対する認知精度を上げれば表現の幅が広がるんだろうと思えます。美術や美学ではこの辺りの概念はどうなっているのかしら?


展覧会タイトルからの思考はここまで。


まずはスチームパンク系の試作をする事に。窯焚きは搬入3日前の強行スケジュールでしたが思いついたから仕方ない。
マケット製作から始めたつもりが、結局「試作が本気」といういつもの流れ。一度作ると考えや技術の問題点や改善点が整理されて見えてきます。これが大事。

それとは別に、備前細工物や陶彫との関係性も整理する必要もあります。この『ふざけてるモチーフ』の説得力の問題です。
「細工物に多い獅子、麒麟、龍といった想像上の霊獣はキメラ(生物的合成、拡張)であり、古今東西の形態の共有は充分にサイバーパンクな状態。なので隣接するスチームパンクも備前細工物モチーフとして成立するのではないか」と少々、強引な論を展開しておきましょう。
ただし、それらの信仰心や歴史は深く広いので、それに対する更なる何らかの説得力は必要だけれど。
「獅子はサイバーパンク、これはスチームパンク」う~~ん、不遜かな……。

あとはマーケットの問題もあります。つまりはお客さんのレスポンスです。そこで、今回のお試しのお披露目をします。


さてさて、嗜好、思考、試行と流れて、最終的にシリーズ化されて残るかどうか……。

ちなみに、タイトルは『ミライノカセキ』と致しました。




という事で、皆様のお越しをお待ちしております。ご高覧いただければ幸いです。m(_ _)m

展示什器 (個展@倉敷)

2015-05-22 10:56:13 | 展覧会・ご案内


今回は砂を使って展示しています。数年前にもしましたが、再び。

構想自体はとっくに出来ていたのですが、什器を作らねばなりません。しかし、結局作り始めたのが搬入当日の朝……。
相変わらずのバタバタなスケジュールですが、突如、窯焚きしたので仕方ない。
しかし、製作の段取りは判っているので短時間で済む目論見もあった。要らぬ自信。


ざっくりと枠を作って……、


塗装代わりに表面を焼く。


ワイヤーブラシでゴシゴシと擦ると、柔らかい部分が削れて木目が浮かび上がります。
これに砂を流し込めば完成。簡単じゃん。
砂は窯焚きで使う珪砂なので、次回窯焚きで使用出来ます。展示にも窯焚きにも使う欲張りさん。


砂を使う利点は、傾けて展示出来る事にあります。
空き缶を転がしたり立てたり……、まぁ、空き缶っぽさの雰囲気かなぁ。
紀元前シリーズも発掘展示品みたいな雰囲気を目指して。


そして、お客さんがいらっしゃらない合間には、砂にラブレターも書けます。(←古っ!)

さてさて、週末には初の土日を迎えます。
是非、ラブレターを読みにお越し頂けると幸いです。……いや、書いてませんが。(^。^ゞ 


まぁ、モノ自体が作り手からのラブレターでしょうか……という事で、宜しゅう、おたの申します。m(_ _)m




個展@倉敷

2015-05-18 23:04:34 | 展覧会・ご案内


明日から始まります。倉敷では3回目の個展となります。

直前までチビ窯を焚いていたので、寝不足&腱鞘炎での搬入となりました。
こういう時の常として忘れ物多数ですが、「通えるエリアで良かった」とつくづく。


会期、内容は下記の通り。
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タイトル : 備前 渡邊琢磨 作陶展『欠片または断章』

期間 : 2015年5月19日(火)~31日(日)

会場 : 倉敷・中央画廊 (倉敷市中央1-6-3 ・ TEL(086)434-3530)

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今回のタイトルは、「モノの存在は、人によっては単なる物体の断片(かけら)かも知れないし、意味のあるモノ(断章)かも知れない」と、ふと思い立ったので……。
会場で提示したものが、見る人によってどのように映るのかが楽しみであります。


ついでながら……
梱包材(エアキャップ)が残り僅かでしたので新しく購入しました。
ここ最近は何色が来るのか判らないというアウトレット扱いのものを楽しみ半分で購入しています。
今回は初めてグラデーションが来ました。



我が業界では無色透明なものが多い中、なかなか良い感じです。これも見た人が如何に感じるのか……。


さてさて、すべては明日。

ひとまず寝て鋭気を養います。











園芸部のGW活動記録

2015-05-06 09:47:18 | Weblog


GW某日。

四国参りやお茶会の隙間を縫って、細君より我が家の『園芸部』召集がかかった。
拙宅では、この部活動は拒否出来ない全員参加である。ちなみに部長は細君。
小生はいつの間にか副部長を拝命しており、造園部部長との兼務でもある。【補足1】
当日の活動は、不幸 幸いにも在宅している者がそのメンバーに選ばれた。なお、今回の写真記録担当は最年少者に任命。


当日のオーダーは、
・ブルーベリー植え替え4鉢
・玄関脇のオリーブ撤去
・玄関脇の花壇撤去
・その他「エエようにする」


このうち、玄関脇以下は造園部の仕事とされた。


趣旨としては、「この周辺を更地にして、エエようにして」というもの。
留意点は、移植可能または部長お気に入り品種は丁寧に疎開させる事である。


レンガを外して花壇を撤去。 (レンガは同敷地内のやきもん屋さんから搾取 提供されたもの)


土を篩に掛けて、石、土、根、虫に分ける。こういうのは得意である。
この素晴らしい作業ラインを部長に自慢するが無視される。イカン。つい調子に乗りすぎたようだ。



さて、あとは「エエように」しなければならない。
川原で拾っていた丸石を敷いてから部長にプレゼン。【補足2】
「この石の間にコケを定植して丸石とコケでマルチする」という事を伝えると、思いのほか好評であった。(と信じたい)

しかし、造園部としてコケ採取に行かねばならないが、これは別日対応で容赦して頂いた。


この間の番犬福助くん。

夕方のお散歩タイム間近。無言でボールを置いて静かにアピール。流石、出来る番犬は空気を読むなぁ。


さてさて、日没間近に部活終了。部長よりねぎらいの焼肉が振舞われる。

「焼肉は鍋に準ずる」という部長発言で『鍋奉行のなべちゃん』が焼き方担当。【補足3】
各々の好みの焼き加減で提供……を繰り返し、その間にビールを頂く。旨し。

帰路に「コンビニでスイーツ買う、造園部長持ちで」と決議され、数日分のスイーツを購入させられ させていただいた。


さて、次回の部活動は『素敵なグリーンカーテン』企画である。
料理主任としてゴーヤをプレゼン中。【補足4】

いや~~、楽しみ~~。 (´・_・`)



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【補足1】 造園部は園芸部の下部組織。独自の活動は許されているが、園芸部の仕事は必須である。

【補足2】 部長へのプレゼンは見える形でするのが効果的。これは長年の経験による。結果、二度手間の場合もあるが全体的には結論が早い。

【補足3】 拙宅で「なべちゃん」は都合良く使われる人物名詞。今回は小生を指す。

【補足4】 越冬させたパッションフルーツは部長が見切っているので、収穫確実なゴーヤをプレゼン。













白花憧憬

2015-05-03 00:14:47 | Weblog


よしなし事に追われている間に季節は過ぎていく。

蝋梅、水仙、菜の花、連翹、蒲公英……黄色い花の季節はとうに過ぎ、山には躑躅や藤の花。新緑も濃くなりつつある。「山、大爆笑」か。
今春は雨が多かった。春を見つけた感慨も少なく強い日差しに戸惑う。

今年は、なかなか根付かなかった白山吹にようやく花が咲いた。移植すること数度。最終的には大きめの株の移植である。
雨の中で咲いている様子には健気さもひとしお。
もっと大きい株になれば安定してランナーも出していくだろう。完全なる安定までには、更に数年の辛抱か。

さてさて、白山吹と言うなれど山吹の白花にあらず。人の都合で名付けた故、花はついぞ知らぬ風。
季節感の判らぬ空気の中、そよそよと揺れる。
我関せずの境地か……。世俗にまみれし我と我が身を振り返り「かく有りたし」とも。

何かと世知辛い今日この頃。

白花憧憬。

人は無いものを求める……か。