備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

レモン

2008-05-29 15:49:31 | Weblog
時折、窓辺に甘い香りが漂う。

窓の下に植えてあるレモンから。実の酸っぱさから思うと意外なほどに甘い香り。花が咲いている期間は、結構長い。次々と咲き出してからもう一ヶ月ほどになるかな。他に植えているユズやスダチに比べると花が大きく、香りも強い。

一昨年、去年と数個ほど実ったものの、木につけたまま完熟(黄色)を待って収穫すると、既に中身はパサパサだった。水分や肥料の問題らしい。結局何にも使えず……。

そういえば輸入レモンは緑色のうちに収穫して、輸送段階でエチレンガスで追熟させる。今年は緑色で収穫して、リンゴと一緒にしておくかな?
以前、備前にあった市場の倉庫の壁には『火気厳禁』と書いてあった。中身はバナナの貯蔵庫。こちらも同じくエチレンガスがらみの事。


『レモン色』って言うけれど、本来あれは『エチレンガス処理による追熟レモン色』と言うべきものだ。
……と、甘美な香りでクラクラする頭で考える……。



中国支部展

2008-05-23 17:18:30 | 陶芸
お知らせです。始まっています。


◆◇◆ 第51回 日本伝統工芸中国支部展 ◆◇◆

日時    5/20(火)~25(日)
場所    天満屋岡山店6階 葦川会館

入場無料
毎日11:00、14:00に列品解説会あり



●小生作の『 備前大鉢 』(入選)が展示されています。

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会期が始まっていることを、
図録が(半強制的に)送られてくるまで、気付いていなかった。

準備が良すぎて、すっかり忘れては…、
いなかった……と思う。かも。知れん。はず。(ゴメンナサイ)


少しご案内が遅れましたが、この週末に岡山にお出かけの際には、
是非ご高覧下さいますようお願い申し上げます。 m(_ _)m




ベエスケとセロリのスパゲッティー、トマトソース仕立て

2008-05-20 19:51:27 | 料理・食材
まだ続く、ベエスケ三昧。

今回はパスタで。
例によって、分量は全て「見た目、てきとー」を旨としています。


( レシピと言うほどの物でもないけれど…… )

フライパンにちょっと多目にオリーブオイルを熱して、ニンニク、唐辛子を投入。しばし待つ。香りだけでおなかが鳴る…。

薄く煙の気配を感じたら、引き上げる。香りの付いたオイルにベエスケ(……しつこく繰り返しますが、大アナゴ)投入。やや素揚げに近い雰囲気で焼く。半身浴中…。

少し焼色が付いたら、セロリ(茎)、タマネギのスライスを加えて、しばし…。
しんなりしてきたら、缶詰トマトを手で潰しながら、注ぎ込み…。(生トマトが欲しいけど時期ハズレ。)。空き缶の中にお酒を注ぎ、ゆすいで…、やっぱり投入。

パスタの茹で汁で塩気を足し、コショウを足して……、味を調整。ひと煮立ち。

茹で上がったパスタを鍋から引き上げつつ、フライパンへ投入。ガチャガチャとしばし揺すって……、料理している気分が盛り上がったら、完成! 

お皿に盛り付けて、セロリの葉っぱを天盛り。


( 書くと長いな…。)


ベエスケは、お湯にくぐらせた上で焼いていたのが正解の模様。ふっくらとカリカリが同居。

トマトの酸味とセロリの爽やかさが、ベエスケの旨みにバッチリ。


しみじみ旨い! で、ビールは止めて日本酒。
何を呑んだかは置いといて…。料理に対して、酒の味がのり過ぎていた感が……。香りの華やかなアレの方が良かったかな? まっ、今回はこれで良しとしよう。


さて、今回の一連の『ベエスケ×3』は……、
『すき焼き、落としの梅肉和え、焼霜作り、白焼き、蒲焼(骨もタレに使った)、フリッター、パスタ』となりました。

やっぱり多いと食べ応えがある。



当分、ベエスケはイイや。



初・ベエスケ

2008-05-19 00:25:47 | 料理・食材
買い物があったのでアッチコッチ、ウロウロと……。文房具が目的だったけれど、ついつい魚屋さんへ。

店先にトロ箱が積み重なっている。底引き網で捕れちゃいました状態の『各種お魚ごっちゃごちゃセット』。
小さなカレイ、ヒラメ、コノシロ、ニベ、エビ…。仕分けして売るには小さくて、数がないし……という感じ。

見ると『真アナゴ×2、ワタリガニ×1、ビングシ×2』のセット。これは楽しめそうだと思って、手に取る。500円!安っ!
…と!! その下の箱に『ベエスケ×3』。しかも、やっぱり500円!!


ベエスケは大アナゴの呼び名。あまりに大きくてギョッとするサイズ。釣り人は「尺五(45cm)オーバーからがベエスケじゃ」ともいう。

備前に来て18年。いまだにベエスケを喰った事がない。人生初のベエスケだ。
岡山人は賛否両論で、年長の方々はちょっと嫌な顔をする。釣り人は「釣れてしもた~」という扱い。香川側は、それほどの扱いでもなく名物の店もある。

数年前に某ビールの宣伝でベエスケ鍋(アナゴのすき焼き)が使われた事もあり、都市部の人でも知る人は知る。肝心のビールよりも遥かに美味しそうだった。

さて、『ベエスケ×3』を入手した。全長65~73cm。胴回りは指が届かない。開きにすると12cmほどの幅がある。

捌くと脂がかなりあるので、ヌメリをとるのも兼ねて一旦熱湯をくぐらせて冷水にとる。腹側(太い部分)は『すき焼き』。尻尾側はそのまま『落としにして梅肉あえ』。


で、
歯ごたえがモチモチっ!として、甘味があり食べ応え充分。繊細なアナゴとは全く別物。平たく言えば大味だが…。味を甘辛くして山椒入れて『すき焼き』にした。それでも芯の部分は、しっかりとアナゴのまま。たぶん天麩羅もいいと思う。フグで言うところの遠江【とおとうみ】(三河の近く=身と皮のちかく=身と皮の間)がタマラン旨さ。プニプニのコラーゲン?

尻尾側の落としが抜群!アナゴらしい雰囲気。旨い!夏やね。『ハモの落とし』もいいけど『アナゴの落とし』もイイ感じ。子供たちが一気に平らげてしまった。


アナゴはハラワタを出さずに置いておくと、極端に味が悪くなるので、すべて捌いておく。

たくさんの切り身が出来たので、2日目のメニューへと続く……。





採寸中

2008-05-17 11:22:50 | 陶芸

桐箱製作の発注の為に採寸。

備前焼のような窯業地には桐箱製作の木工所がいくつかある。作品を個別に採寸してそれぞれに丁度良いサイズの桐箱を製作する。

毎度の事ながら、寸法間違いがないか内心ドキドキしている。ついうっかりミスというのが数年に一回の割合である。単純に寸法の読み間違いの原因が多い。

採寸にはノギスが便利。必要以上に精密過ぎると面倒なのでヤキモノ屋はかなりザックリ測定するタイプを使う。小生の使うのは、師匠譲りの道具(イロイロとあって、今、手元にある)。指物師製作の美しさ。ホームセンターなどで金属製のモノを見かけるけれども、ヤキモノ屋は木製が標準仕様。金属でヤキモノを傷つけたりするといけないので……。



ちなみによく聞かれるので……

●桐箱作りのポイント

 ・『寸・分』で発注が基本。
  『センチ』で発注しても良いけれど、判り易い表示が親切。

 ・仕上がりの内寸での発注が基本。(作品より大きめになる。)

 ・幅×奥行き×高さの順で表示。
 (木取りの木目に関係する→箱書きの向きが決まる)

 ・余裕の見方は、
  幅は、三分。
  高さは、五分~七分。(小さい物は五分。花入などは七分見当で)

 ・ご家庭で大きな壷などを測る場合は、襖などで挟むとやり易い。
 (無作法にて失礼。建具屋さんゴメンナサイ)

 ・蓋の種類、箱のグレードを表示。


●参考までに……
小生のHPの『notebook』のコンテンツに、『 箱の種類 』・『 紐の結び方 』などを掲載しています。

『紐、共布、掛紙』などは、各自(本来は作品所有者)のお好みで準備する。
一般に調達が難しいので、今はヤキモノ屋さんが自分の好みで付帯するパターンがほとんど。


……と言うわけで、
桐箱製作は、作品を作ったヤキモノ屋本人、またはギャラリーにオーダーするのが、手っ取り早いと言う事になります。



測り終えて安心する前に、早く発注しなきゃ……。


ガスバーナー修理

2008-05-14 01:57:03 | Weblog
ここのところ、何をしていたか……?

忙しいわりに達成感のないルーティンワークが多かった。あっちこっちの片付けやこまごまと整理。

その中で、この半年ほど調子の悪かったキッチンのガスレンジがついにダメになった。点火しない、(ライターで)点火後に手を離すと消える……。使いようがなく、すぐにメーカーへTEL。翌日には部品交換となりました。

いわく、吹きこぼれによる金属部品の変形が原因とか。ウチのレンジは製造終了とかで、将来的に同じ事が起こると全とっかえらしい。シンプルな構造からドンドンと複雑化している。安全上の規制なのだが、素人さんには手が出せない部分が広がっている。ブラックボックス。

備前焼のヤキモノ屋が使う『ガスバーナー』というものがある。(ウチは使わないけどね。)これらは製造ナンバーなど無縁の地元ガス屋&鉄工所製で、手作りの味わいのある器具。聞くところによると、タバコの乾燥倉で使っているタイプの流用とか。
扱いようは極めてシンプルで、コックを開く、外部火種で点火、空気量をネジ式で調整する、というシンプルさ。他には触るところがない。安全上の設備一式はなく、一昔前は、ガス爆発で窯を吹き飛ばすという事故が先例を忘れた頃におきていた。

今は炎を監視してガス遮断、警報アラームなどイロイロと付帯設備が出るようになったので、久しく『窯吹き飛ばし事故』はない。


ガスレンジは、すぐに直ってよかったけれど、3000円程の部品代に対して出張工事費が1万円! 高っ!


『 若手二人展 』 終了

2008-05-07 09:11:55 | 陶芸
昨日、『若手二人展』終了しました。

天気の良いGWで、遠方からのお客様も多数お越しになられました。
初窯窯出しでウチへ来られた方との再会等々もあり、小生自身も楽しめました。
また、窯元時代からの知り合い(お客さんね)の皆様もアリガトっ。
当然ながら、ヤキモノ屋の知人も多くサンクス!

さて、会場撤収して…、ウチも片付けて…、桐箱発注、発送等々こなしていかないと…。

忙しいぞぉ~。ガンバロぉ~。