備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

台風一過

2011-05-30 10:04:36 | Weblog
拙宅周辺は風はあまり吹かなかったので、台風というよりも大雨でした。
岡山南西部・津山あたりは大雨洪水暴風の警報が出ていたけれど、大雨注意報どまり。近所の冠水した道も朝には復旧していました。

拙宅は山の中腹にあって、一本道が南北に抜けている。ウチを挟んで山裾の南北両方に大きな溜池がある。この池が同時にオーバーフローすると道路が冠水して通行止めになる事もある。こうなると孤立地区。

以前、通行止めになった時は外出先から戻る夜だった。途中で家に帰れない状況。しかも、半水没して立ち往生した数台の車を人力で押し出したりしているうちに、あっという間に水かさが増えて自分の車も水没したという経験もある。(保険が利かなかったというオマケ付き)
台風の中をトボトボ歩いて帰りました。勿論、傘も役に立たないのでズブ濡れ。靴はグシャグシャ。闇の中を飛んでくる枝とかにビビリつつ、廃車になった場合の事後処理の恐怖にも怯えながら。あれは心細かったな。(結局、修理で済んだけど車検より高かった)


自然の脅威の前に生身をさらす度に、無力感を思い知らされる。


さて、台風一過。

ところどころに出来た水溜りに青空が映っている。小さな空が散り散りに広がっている。

避難していた蝶たちも、舞い降りてきた。ひと心地ついているというところか。早速、柑橘類の枝の間を飛び回ったりして忙しそう。あの華奢な体で台風を乗り越えるというのがすごいなぁ。アサギマダラみたいなツワモノもいるけれど、身近な種類だと親近感が湧くな。


番犬福助クンはお疲れなのか……爆睡中です。




どんだけ、お米やねん!

2011-05-29 02:13:31 | 料理・食材
瀬戸内では『ベイカ』という小さなイカを見かける。『ベイカ(米烏賊)』の『米』とは卵のこと。
『イイダコ(飯蛸)』の『飯』も同様。『ママカリ(飯借り)』の『ママ(まんま)』は……違うな。

しかしながら、どんだけ、お米やねん!


小さくともベイカは寿司屋でも見かける立派なネタのひとつ。一杯の胴体で寿司一貫。ゲソ二杯分を軍艦にして一貫とか。走りの時期ならゲソ込みの姿で一貫もある。左様に小さい。
和食では、ボイルして酢味噌・木の芽和えなどで頂く事が多いかな。

魚屋さんでは『女尊男卑』扱いで、メスのほうがお高い。産卵期にはその差はもっと開く。
ここ最近は、虐げられた性別の方が20杯で100円ちょい。例によって計算すると@5円~。お求め易い……でも小さい。
「なんか一品追加したいなぁ」という時のサイドメニューには、ほど良い量とコスパ。
ちなみに、小生は米のない方が好み。同類相哀れむわけではないけど。

身が柔らかで、火を通すと驚くほど縮むので、鮮度の良いものを強火で一気に仕上げたい。(ちょっと力説)
調理でうかうかすると「ホタルイカか?」という残念なサイズになるので注意。優しいほんのりした甘さを生かすなら、素早さが求められる。


さて、本日のベイカ。料理イメージは洋風で。
シンプルにガーリックオイルでソテーして、味付けは塩・胡椒か、バルサミコ酢か、バジルでもいいかも。

さて、どうしよう。

ガーリックポットを開けると、「およっ?」 肝心のニンニクがご不在。( ̄□ ̄;)!!

さて、どうしよう。

『ニンニク代わり』を物色しているとキムチを発見。漬け汁を漉して調味料とする。本来はぺペロンチーノの様にしたかったんだけどなぁ。イメージ修正。
フライパンに油を引いてショウガ・鷹の爪を放り込む。温度が上がったらイカ投入~~。塩・胡椒。ガシャガシャっと煽って、最後に件の漬け汁・酒を加える。ひと煮立ちさせたらOK。出来上がり。味は予想以上に濃い目になったけど、身は柔らか。たまたま眼の前にあったブロッコリーをあしらいに。

最初のイメージから随分離れて韓国風。まぁ、良し。(*^ー')b


合わせるお酒は頂き物。ちょっとマニアックな純米大吟醸『千禽(せんきん)』。
香りの良い軽いお酒で、木樽仕込みということもあって木の香りが移っている。熟成させたらかなり面白い変化をしそう。(呑んじゃいましたが……) あまり温度は上げない方が好み。基本、冷酒の人なので特に。

ラベルによると、袋絞りの無濾過生原酒・斗瓶取り・使用酵母は非公開・酒米は亀ノ尾・精米歩合が19パーセントとなっている。
ふむふむ。

「 19。じゅうきゅう~~! 」

はぁ~、なんちゅう。精白でなく精米……。81パーセントはポイッですか。『亀ノ尾』という米を見たことがないけれど「どんだけや~」
驚きをもって頂きました。おいしゅうございました。m(_ _)m 
( 開栓2日目は木の香りが少し抜けて、味の幅もふくらむ感じ。常温近くで木の香りが絶妙のバランスで良いです。)



米のない『米烏賊』と磨きぬいた米の『大吟醸』の取り合わせ。

わざわざ『米』を少なくする贅沢さ。


酔いました。




・補足・・・・・・・・・・・

精米歩合 = 玄米から磨いて使用する量。小さい数値ほど米の中心部分が多くなり雑味が少なくなる。 
精白歩合 = 玄米から磨いて使わない量。ヌカなど。

大体は精米歩合で表記されているけれど、時々、誤解を招きそうな表記もあるのでご注意。


【例】精米歩合40% = 磨いて40%になったお米で仕込んだという意味。

・・・・・・・・・・・・・・



ホームページビルダー11がぁ~

2011-05-27 11:25:11 | Weblog
今朝、細君に「仕事場の勝手口が一晩中開いてたやん」とお叱りを受けました。(´・ω・`)ショボーン

「あぁ、昨日の昼、手捻り宝瓶(陶陽先生作)を持って来られた方がいらして、大急ぎで手を洗いに外に出て~、戻って拝見していて~、そのまま忘れてたな」と反省。(言わなかったけど)
拝見した宝瓶で面白かったのは、サインの『ト』が『カケアブリ(小さな櫛状の道具)』でしてある点。手近に道具があったから? 時々、こういうお茶目な仕事ぶりを見かけます。

それと、昨日の夜は「Windows7でホームページビルダーver.11が起動しない!」という事で艱難辛苦。

そんなお困りの皆様含めまして、雨が降ったり降らなかったりの中、如何お過ごしでしょうか? (ナンノコッチャ)


さてさて、Win7ではホームページビルダーver.11は動きませんな。

HPBは今まで、2001年のものを使っていた。「10年ひと昔」とは言うけれど、こういうものに限っては「1年でもひと昔」になりうる代物である。なので、10年モノは超骨董品である。
でもPCへの負担が心配で、我慢 愛用していた。

でも、『ver.11』は持っていたんだよな。宝の持ち腐れ状態。いや、いまや『ver.15』なので既に『ver.11』は骨董品だ。で、この度のPC大幅スペックアップに際して、めでたくインストールする運びとなった。

『新品に骨董品の組み合わせ』の気もするが。……事実か。


インストール完了! よっしゃ~! アイコン、クリ~ック!


「……。」

アイコン、クリック~!


「……。モシモ~シ?」 


起動せず。やはり既に骨董扱いだった。
自分にとっては新しいんだけどな。予想通りなんだけど、動かないのは予想外。 (´・ω・`)ショボーン



いろいろとググッて暫定的解決はした。
でも、毎回立ち上げる度に設定しなければならないので若干不便。「いいのか?これで」というレベル。

さて、お立会い~。お困りの皆様。これでWin7でホームページビルダー11は動きますぞ! (……一応)


●起動にあたっては、下記の手順。


・スタート → 『サービス』と入力。



・プログラムのサービスをクリック。



・『HomeGroup Provider』を右クリックして『停止』



この手続きを踏んでから起動させる。


今のところ毎回忘れてて「なんやったっけ?」が続いている。(なので、自分用メモ。)
『サ』を打つと『サービス』って変換されるように登録しました。


あ~、これは『Ver.15』への道かな……。いろいろ気になる点もあるしなぁ。



骨董扱いでも価値が上がるのが、あったりなかったり、イロイロで御座います。




ジャガイモにおけるテーゼ

2011-05-24 09:20:14 | Weblog
仕事場の隅っこに小さなダンボール箱がひとつ。仕事に関するものが入っているはずである。

で、ちょっと邪魔になったので移動させようと……ひょいっと見ると箱の隙間から、ムラサキ色のニョロニョロ物体が数本。
そーっと蓋をずらして覗くと、ジャガイモが二つ。

「ナゼ、ジャガイモガ?」

思い当たるフシはない。さすがに、ここまで芽が出ていると食べられない。
……しかし、すぐに捨てるには忍びない。……かといって、いまさら植えてもなぁ。

しばし逡巡の後、仮置きに階段に載せてみると丁度サイズ良く収まる。

「シバラクハ、ココダナ」

食べられなかったけれど、『有機オブジェ』として鎮座していただこう。活花とインテイリアとの中間ぐらいの立ち位置。
もっとも仮置きがこのまま本決まりのような気もするけど。

時々、サツマイモのツルは花材として見かけるけれど、ジャガイモは少しシュールで良し悪しは微妙~~。
メタル系のものと合うかも。

(あれだ。銀色メタルの『王蟲』を作って、触手のところにコレを持ってきたらカッコイイぞ。)


大根や人参の軸の切れ端も、小皿に入れて窓辺に置いていると葉っぱが出る。冬の窓辺にグリーンがお手軽に出来て良い。(そのうちに食べられるしね)
それと同じ感覚なんだけど、なにかが違うんだよなぁ~。

「ジャガイモにおけるテーゼの問題か? グリーンインテリアの方か?」

それが判るまで、しばし、テーマとして置いておこう。
何か、ヒラメキが来るかも知れないし。

「インスピレーションは準備している者にしか来ない」ってやつ。 


(たぶん、きっと。)


新旧揃い踏み。

2011-05-21 22:01:54 | Weblog
ついに新旧2台体制となりました。
まずはデータを古いXPから新しい7へ移行する。

最初は「LANでネットワークかな?」と思ったけれど、OSのバージョンが違うので断念。よくよく見ると、Win7に移行ツールがあるので、外付けHDD経由での移行。手続き的には簡単。ちょっと時間は掛かるけれど。
でも、元々、データは外付けへ逃していたのでPC本体には然程ない。Dドライヴでも16GBほど。新しい方は空きが400GBもある。何に使うんだろう?

ただ新しい方はプログラムがないスッカラカンなので、後から色々とソフトを入れる必要がある。それが面倒か。


接続的な手続きは昔に比べると驚愕の違い。自分でドライバを探して入れるとかは皆無。
ネットの接続設定さえも、IDとPWだけ。どこかに落とし穴があるかも知れないけれど。


さてさて、落ち着くまでは、2台同時にアッチコッチからだな。
しばらくはケーブルも入り乱れているのかも。
使うソフト優先で使う事になるのだろう……。とりあえずペーパレスは新しい方で。



まずは使い勝手の確認である。

早速、IE9のお気に入りの場所が判らなくてググッてしまいました。







ハベラ作り

2011-05-18 13:32:49 | 陶芸
製作開始は、いつも道具作りから始まる。石膏型やコテを作る。

コテの種類は、大体3種類。
徳利など口の狭い袋物を挽くときに使う棒の『エゴテ』。
壷など大物を挽くときの『ダンゴゴテ』。
食器を作るときの『ハベラ』。


本日は、『ハベラ』作り。


まず、サンプルをロクロで挽く。形が決まったら厚紙で型紙を作る。今回はカレンダーの紙で。
理由は、……そこに紙があったから。ハサミでチョキチョキ簡単。

ポイントは、持つ部分(90°の部分)の垂直・水平を決めておく事。使い勝手の問題。実際にロクロ挽きで使う時にこの水平と垂直をチェックすれば、必然的にカーブは揃う。
(けど、微妙に違うのは謎。)




型紙がサンプル通りに切れたら、いよいよ実物製作。

使う木は、小生の場合、梨か桜。木目が細かくて、水を含んでも変形しにくいので。
比較的ワイルドな作風の方は、それ以外も使う。燃料である松なども定番。

さて、今回は桜。



型紙通りに切り出して、裏面側で形をキチンと作る。ここポイント。まず裏です。
型紙やサンプルと照らし合わせてカーブを確認して、スキマなく出来たらOK。



で、いよいよ使用面。(さっきとコテの向きが変わっています)
型紙をチョコッとずらして、等間隔でカーブをあたって……、丸みを作る。刃物で言えば片刃のように。この向きを間違えると使えなくなります。ここ注意。

「両刃のように作れば良いじゃん」と思われるかも知れませんが、師匠譲りなので、ここは守るところ。『ダンゴゴテ』『ハベラ』は違うという教えです。実際、使い方も違います。


各種刃物、木工ヤスリ、サンドペーパーを使って、キレイに整えていきます。

刃物で怪我をしないコツは、「黙ってやる」事。オジイサマの教えです。これ大事。


で、出来上がり~~。



(*^ー')b


小生の場合、他にも道具で使っている材料は、ツゲ、マツ、カシ、ツツジ、ホワイトアッシュ、ハードメイプルなどです。竹、葦もあるな。堅さと土離れの兼ね合いで決めています。自然素材以外もいろいろ。


木って面白い……。ついつい端材を集めてしまいます。大工DNAかも。



春菊の鑑賞方法

2011-05-17 08:59:05 | Weblog
細君がプランターに植えていた春菊。今が花盛り。
もちろん食べる為に植えていたものではあるが……。

岡山で見かける春菊は『大葉』である。葉の切れ込みが少なくて幅が広い。細かな葉の『中葉』は、まず見かけない。
中葉の方が野性味があり香りも強く、我が家の嗜好は『中葉』なので、毎冬必ず育てる品種である。冬場のお鍋シーズンを賄うには、プランター2つで事足りる。時期をずらしてちょっとづつ撒いておけばOK。

そして、お鍋シーズンも終わっても、そのまま放置していると花が咲く。
不思議なことに2種類の花が入り混じって咲く。いつの間にか種が混じったのかも知れないし、そういうものなのかも知れない。他所の畑でも同様の事は見かける。
食べても味の差を感じないので「まぁ、いいか」と。

この春菊の花が結構好きで、あえていつも咲くまで残している。

野菜の花も見ようによってはキレイ。ブロッコリーの菜の花とか、大根の花などは時々、花材としても見かける。派手な美しさは無いけれど、素朴に「生きてる~」という感じが伝わるなぁ。


それでも、葉はまだ食べられる柔らかさを保っているので、花が咲いたとて野菜扱いは変わらない。時々、葉を摘んでは薬味代わりに使う。
『もってのほか』や『阿房宮』のように花も食べられ……苦いだけです。

とことんですなぁ。


・・ ・・・・・ ・・

さて、今、投資ファンドを検討しています。

といっても、財テクではありません。

震災被災地の復興の為に、立ち上がっているプロジェクトです。

セキュリテ被災地応援ファンド
http://oen.securite.jp/


ミュージシャンの作品製作(CD・LIVE)に先立って資金を集めて、完成、販売後に投資に対する償還を行う民間会社によるプロジェクトです。

ひところタレントの卵に投資してデビューを応援する『アイドルファンド』なるものがありましたが、それと同じような感じです。(まだ、あるのかな?)

そのシステムを利用して、被災企業の復興支援をするというものです。
企業の場合は出資金で設備・材料の購入、人材雇用などを行い、出来上がった製品を特典とする流れです。(プロジェクト毎に差はあります) 予定使途と目標金額も出ています。


我々、ヤキモノ業界では、笠間・益子の登り窯の被害を聞き及びました。ファンドを利用して、登り窯の再築窯に利用出来るかも知れません。
笠間などにヤキモノ屋のお知り合いがいらっしゃる方は、当事者へのご提案は如何でしょうか?
出来上がった作品を購入するチャリティー販売とは一味違う展開が出来るかも知れません。

いずれにしても、「投資の見極めはご自身でしっかりと」ですが……。


・・ ・・・・・ ・・


野菜が花を咲かせて楽しませてくれるのは、自然からのオマケ。種を撒いて作った人の特典なのでしょう。
お金が絡まないのなら『野菜の花』のようにシンプルで素朴な楽しみだけで充分なんだろうけれど、人の世の事は、もう少し複雑。
人とお金が絡みだした途端、便利だし不便だし……、面白いし辛いし。

復興ファンドはシステムとしては面白いと思う。残念なのは、小生に経済や金融の感覚が欠如しているという事である。

農業の場合、『実った種が撒いた種の数よりも多ければ成功』となる判りやすさがあるけれど、ウチの春菊の場合、それすらも不明。というか気にした事もないなぁ。(←だから経済オンチ)
春菊は、『一粒何倍』なんだろうか?

葉もの野菜の種の数……、今まで考えた事もなかったけれど、こういう考え方が経済感覚に繋がる考え方なんだろうなぁ。


小生の場合は、投資であっても「楽しむつもりで」というスタンスが幸せなのかも。


でも、春菊の花に、これまでと違う鑑賞方法をちょっと発見した。


フィールドオブクラフト倉敷

2011-05-15 23:57:21 | Weblog
『フィールドオブクラフト倉敷』が開催されていましたので、ちょっと覗きに行ってきました。本日は純粋にお客さん目線で。

全国アチコチから作り手達が集まって、作品を並べていらっしゃいました。
『以前お世話になった方』や『知り合いの知り合い』『雑誌でお見かけした方』など、様々な方々が参加されていましたので、ご挨拶もしながら。

木工、染色、金属は少なめ。陶芸は多い。あとワークショップも盛ん。食品ブースからのカレーの香りが刺激的でした。
こういうクラフト市って結構開催地によって特色が出るとか。倉敷はお洒落な感じでした。備前焼まつりの圧倒的物量とは対照的。


素材的にはガラスに注目。暑かったからかも。定番の吹きガラス・トンボ玉・コールドワークもありましたが、フュージョンが良かったかな。肩身代わりのガラスなど。

陶芸は、焼き締め、磁器、いわゆるクラフト系は少なめ。民芸調の鉄釉や粉引が目につくなぁ。(今日はお客さん目線ですから。)


今日は、もうひとつ別目的も。
下の子供にカメラを与えて「好きにして良いよ」と実質のカメラデヴュー。とりあえずカメラの持ち方とシャッタを切る練習を。デジカメは結果がすぐに見えるので練習には良い。ただEVF機なので、ピント合わせはカメラ任せ。それでもファインダーを覗いて構えるのは、ノスタルジーかも知れないけれど基本だと思うので、まぁ、良し。

それでも何か思うところがあるらしく、なかなかシャッターを切らない。というか切れない様子。


フラフラと観光日和な一日でした。







仕事場 ~製作バージョン

2011-05-14 20:06:20 | Weblog
仕事場を、展示バージョンから製作バージョンへ変更。

隠れていたロクロ座を復元する。



おそらく備前焼業界で一番狭小な仕事場だと思う。
でも、このロクロ座にはロクロが2台仕込まれていて、ひとつは胡坐でロクロ挽き、もうひとつは椅子で削りをする方式。ロクロを使い分けている。

多分、世の中の人がイメージする陶芸家の仕事場とは、全く違うであろう可変式コクピットである。あまり動かずに道具が取れるようにしてあるし、椅子はキャスター付きなので、ここに篭ると歩かなくなる。
光がよく入ように開放感は確保してあるので、狭くても気持ち的に暗くなることは無い。
集中出来るけれど心が狭くなることがないように……。これ大事。

そういえば、窯元時代の仕事場は酒蔵だったので、広いし材料は立派だしで楽しかった。けれど、その中でも歩かずに全ての事が済むようにしていたなぁ。
結局、広くてもやってる事は同じなのかも。

それでも、広い仕事場が欲しいな~。というか広いバックヤードかも。


さて、そろそろ製作モードに戻らんと~~。

既にちょっと大わらわになりそう気配だけど、スケジュールの照準を引き絞って落ち着いて事にあたろう。最後に暴走モードにならないように計画的に。
ただし、気をそがれる要因も多い。環境整備も色々あるし、粘土も作る必要がある。


まずは、ひと山クリアせねばな。

がんばるぜ~ぃ。

明後日からだけど。 


明日は草刈りだ。


桐の花

2011-05-12 22:30:40 | Weblog
雨も一段落して、山に点在する紫がキレイ。
藤に続いて桐も咲き出した。それぞれ微妙に濃さが違うけれど、その違いは山桜よりも淡く、ノーブルな色。


桐は工芸でよく使われる材でもある。
虫がつかないとか、火事の際は表面が一気に焼けて芯まで到達しにくいとか特性があって重宝されている。
タンス・下駄・楽器は勿論、我々、工芸分野でも桐箱として使う。
船箪笥では表に硬くて綺麗なケヤキ、内側にキリを使う。水に落ちた時にキリが膨張して密閉性を高めて浸水を防ぎ、金具によって取手側が下になる。その中の空気で沈まない仕掛けになっている。あの重いタンスが浮くのは、まさに適材適所の技。


材料としての桐は、国産材から輸入外材まで様々なランクがある。概して東南アジア産はスクスクと育っていて木目の幅が大きい。他にはカナダ、ブラジルもあるが国産が上等。

桐箱の場合、桐は板を幅広く木取りしないで、短冊状に細長く切り出して、木端(コバ)で繋ぎ合わせて使う。いわゆる集成材として使うのが一般的。
木目をよくよく辿ると何枚で接いであるかが判る。仕上がりの丁寧なものほど、木目が詰んでいて繋いだ板が多い。つまり手間が掛かる仕上げ。なので高価。
よく見かける桐の米櫃などでも安いものほど木目が粗い。

まぁ、キリもピンキリという事です。

ですから、材料的に『ピンのキリ』から『キリのキリ』まであります。


キリ(最後)の方は、既にキリ(桐)ですらなく、ファルカタも見受けます。これらは、駅弁やお菓子のパッケージでも見かけますね。あと、アレとかアレとかもそうですが、お客様の夢を壊してはいけないので黙っておきましょう。
逆にピンの方は、もう木工作家の領域です。こういうのを持込みで箱書きをお願いされると、ちょっとビビります。まぁ、平気な顔して箱を受け取りますが、内心「むむむ~」と唸っております。

そして、いざ箱書きとなると緊張しますが、最後は開き直りです。なにしろ書き直しが効かないので……度胸です。


その他、桐箱鑑賞のポイントとしては、『箱・蓋の形』『付帯物(紐の種類・掛け紙)』『仕上げ』もありますし、更には、その箱を入れる為の『二重箱・塗箱』などもありまして……。
ここから先は落語の『はてなの茶碗』です。


さて、桐箱鑑賞~材料編~は、この辺で。
 
色々あって、キリがありませんからね。 m(_ _)m