今年は東京での個展はこの展覧会のみです。
去年は「住んでるの?」と訊かれるぐらい上京してたのにな……。
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タイトル : Sturm und Drang 2020
会期 : 6/26(金)~7/1(水)
会場 : 備前焼ギャラリー夢幻庵 銀座店
※在廊しませんが、会場からZOOMでウチと繋いでお話できるようにしています。
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「古備前の伊部手の鉄分は何に由来するのだろうか?」
その疑問を実験考古学的に考証することにした。
近所の田んぼから湖沼鉄を採取、ベンガラを自家精製して窖窯・連房式登窯で焼成する。
実験を進めるうちに、正否は別として自分の技法として使いたいと思った。
理性より表現への衝動が勝る『Sturm und Drang』……嵐と衝動。
疾風怒濤な時代に流れる鉄の雫。
ご高覧頂けると幸いです。
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◆Sturm und Drang (独:シュトゥルム・ウント・ドラング)
直訳は『嵐と衝動』であるが、通常『疾風怒濤』と訳される。
学生の頃に生粋のドイツ人に訊いた事があるが、曰く「ドイツ人気質の微妙なニュアンスがあって適当な外国語訳はない」とも。
内容的には、18世紀後半にドイツでの革新的な文学運動に端を発して、その後のロマン主義へと向かう流れである。
名称は、ドイツの劇作家が書いた同名の戯曲に由来する。
これまでの古典主義や啓蒙主義に対し、理性に対する感情の優越を主張する。
ロマン派前夜! なのだろうね。
個人的に西洋美術史を西洋音楽史に置き換えて理解している身からすると……、
ちょうどハイドン、モーツァルトからベートーヴェンを挟んでロマン派へという流れが相当する。
まぁ、ちょっとイジワルな見方をすると貴族から市民へと政治や芸術の主軸が移っていく段階で、反知性的側面や市井感情を反映するのは致し方ない。あと、ピアノを始め楽器が改良されて富裕層のご家庭での小さな音楽会やご子息ご息女でも弾ける平易な曲が流行していくのも興味深い。
え~~と、脱線しすぎるからこの辺で。
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けだし、Sturm und Drang とは「やりたいことを やりたいようにやるのだ!(by 浅草氏)」という事なのでしょう。
でっ! ミライノカセキも出ています。
さてさて、時節柄いろいろでは御座いますが、よろしくお願い致します。