備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

夕食はブリのアラで

2015-12-31 09:43:08 | 料理・食材


東京から帰って「日常生活に戻る!」「引き篭もる!」という予定でありましたが、何かと外出する案件が多い。

昨日はイレギュラーな案件にて丸々一日。『家庭の平和を守る為(=細君のご機嫌をとる為)』には重要な臨時ミッションである。年末のデパートに連日参るとは予想だにしていなかったが……。
「ヨイ オカイモノヲ シマシタネ。オクサマ」 (´・_・`)

さてさて、帰路に魚屋さんへ。
年末の買い物客の刺すような視線の中『タイやヒラメが舞い踊る』のではなく、岡山では『サワラやブリが舞い踊って』おります。「いよっ、出世魚!」
同じく出世魚であるはずのママカリやコノシロチームはご不在でした。魚種にもハレとケがあるという事なのでしょうか。
久し振りに藻貝(マルサルボウガイ)も見ましたが、殻は無く剥き身。殻付きじゃないと経費で落とせないじゃん!(←窯道具にするのでね)

鮮度の良いブリが大量に出ている。
しかし、お刺身用サクを正月まで冷蔵庫で寝かせるには、購入日としてはちょっと早い? それともチルド室での熟成で丁度良いのか……。判断が付かないな。
さておき、例によって文豪のお言葉に従い「刺身の特売日にはアラを見よ」である。やはり店の隅でブリのアラが大量かつお買い得になっている。鮮度は刺身クラスなので「夕食には、コレをアレしよう」と決めて購入する。

うん、こういう段取りに関しては日常生活に戻っているぞ。


チョイチョイッと料理して……『ブリねぎとろ丼・ブリかま照り焼き』である。


ブリねぎとろは2層構造で。
中骨から漉き取った身は叩いてゴマ油を隠し味に超細切りネギと混ぜ冷蔵庫で休ませる。刺身で取れる腹部分は歯応えを残す方向にカット。
我ながら、こういう事には気が回る。これに味噌汁やら野菜も添えたらステキな夕食だわ。たぶん
作りながら日本酒を頂くのはナイショだがデフォルト。


照り焼きから出てきた『ブリのタイ』。

大きいねぇ。

因みに、ブリねぎとろ丼・ブリかま照り焼きの原価は@250円ぐらいか。(←相変わらずケチな計算)


食後には到来物の人形焼を頂きました。ありがたや~~。


さて、本日は2015年のラスト一日で御座います。

何に出会って喰らうのでありましょうか?







ヤキモノ屋の『ヴァン・ショー』

2015-12-20 18:30:16 | 料理・食材


先日「ヴァン・ショーって呑みますか?」と訊かれた。相手は、若手陶芸家の『むくつけき独身おのこ』である。

「なんだそりゃ?」
「スパイスを入れて温めたワインです」
「サングリアの温っかい版?」(←ざっくり)
「まぁ、そうです」(←ちょっと困惑)

甚だザックリとした理解であるが、おおよそのイメージは出来た。
受け渡し場所へ赴き再度伺うと、曰く「小説で登場したのに憧れて毎年作っています」との事であった。ほほぅ、動機がお洒落じゃん。
「むくつけき」とはいえ、ヤキモノ屋は「自分で作る事に興味がある人」なので料理をする人も多い。彼もそういう事か。

「因みに、クリスマスを楽しみにしつつ呑むものですよ」との事で、「クリスマス前に呑む事」「クリスマスを楽しみにする事」という使命感も与えられた。

さて、いつ呑むのが相応しいか……。クリスマス・チキンレース勃発である。


さて、当夜。
細君より「ロールキャベツを作る」宣言が出た。「ここだ!」おもむろに登場。
ロールキャベツの鍋の横で温める。アルコールを飛ばさないように、ゆっくり慌てずに……しっかり見張る。

小生の勝手な認識では「こういうカジュアルな飲み物は薄作りなワイングラスよりは、丈夫なタンブラーが似つかわしいだろう」となっている。
ならば、倉敷民芸の巨匠作なら相応しいか……。


グラスに移して、いざ! ロールキャベツの鍋は食卓中央に鎮座した。


ヴァン・ショーは温めた為か、スパイスのアレコレが飛び跳ねずにしっとりと口中を巡る。余韻にはシナモンの香り。和むなぁ。
脂のあるブイヨンの旨みが広がっていくのに対して、スパイスが奥行きと高さを与えるようだ。ロールキャベツ単体よりも味に立体感が出る。旨し。

「X軸のブイヨンにY軸のフレーバーだなぁ」 ( ← テキトー)


家庭で呑む気楽さや楽しさを味と香りで表現したような飲み物である。
夏に呑むサングリアの冷たさは、パーティーの華やかさや賑やかさを象徴するけれど、ホットワインは落ち着くなぁ。

なるほど。なるほど。

呑みすぎる前にやめて、続きはまたクリスマス前に。クリスマス・わくわくチキンレース再開だ。
最大の問題は、チキン受難日(クリスマスイヴ)までに残るか……。残んないだろうね。(´・_・`)


いやはや、有難う! (*^ー')b










新しい広域農道

2015-12-16 18:08:59 | Weblog


本日は割り木運び。製作期間にはこういう事も含まれる。一番仕事をした気になる内容かもしれない。割り木屋さんと拙宅間を5往復する予定。

割り木を取りに行く道中に、新しい道が出来ているのを思い出した。
かなり以前に途中まで出来ていたが、開通目前に行政がゴミの最終処分場を作る計画を発表し、住民から反対運動が起きた途端に開通中止となっていた道である。当時は「道をつけて欲しかったら、ゴミの受け入れをせぇ」みたいに感じましたっけ。
因果関係は知りませんが、結果として山の中に行き止まりの広域農道という無駄な道が出来ていました。そんな事もすっかり忘れていましたが、それが「最近開通した」との事である。あれから政権が二転三転したから? 

理由は如何にせよ開通したからには通ってみる。
これまでのルートと距離的、時間的には然程変わらない。メリットは信号なし、渋滞なしである。ただし結構な標高まで山道を登るのでガソリンは食う。同時に下りも長いのでその分で相殺か? う~~む、なんとも評価しづらい。

頂上付近にはトンネルがありました。

「予算の都合でこの距離になりました」的な微妙な距離である。(このまま頂上越えでも良かったんじゃ?)


今後通るなら「熊山駅に用事があってから伊部に行く場合は有効」といったところでしょうか。雨天、冬季は通りたくないな。新緑の頃は気持ち良いかも。
気になった点は、側溝が延々と続いている事である。しかも小動物にとっては落ちると這い上がれない深さ。命に関わるトラップになるだろう。
開けた道の両側は日当たりが良いので、植生的にはタラの芽を期待したい。


そんなこんなを思いつつ、割り木運び終了。

よく乾くように、屋根の下で井桁に積み上げます。


さて、これで必要量の3分の1ぐらいか。また運ばなきゃ。

さぁ、仕事した気になっていますが、今日は製作はしていません。コチラをしないとね。ガンバロー。


お姐さんへの視線あれこれ

2015-12-13 19:15:22 | 展覧会・ご案内


「引き篭もる」と言ってからも何かと外出が多い。遂には『引き篭もり詐欺』の疑惑も出てきたぞ。

昨日は神戸で所用をこなし実家へ。本日は帰路に姫路へ寄る。
久しく実物を見ていない『ルーシーリー展』を見るのが目的である。かなり前のブームの時に数点見て以来。
数年前の展覧会では、好きな彫刻家と一緒に三人展をされているのを知らずに行けず終いでした。
その時に『見逃した!』として書いているけれど、「食傷気味なので、今後は行かない」としていましたが、通り道でもあり「まぁ、久しぶりに見ようか」と。
あと『白い姫路城』も見てなかったしね。


展示は、渡英前・ボタン・60年代・70年代と時系列で判りやすい。釉薬と技法ごとに纏めた紹介もありました。
会場は賑わっていて、美術系の学生さんと思しき若い女子が多いのが印象的でした。
ガラス越しに熱視線を最大照射している。もうヤキモノ女子のアイドルでしょうか。フレッシュな感性で汲み取ろうとしているのでしょう。
心の中で応援。

反面、着物姿のお姐さん達が、茶道具としての見立てを姦しく語っている。ハイハイ、御意御意。ちょっと静かにしようね。大人なんだから。
外国人からも明らかに苛立ち混じりの視線を送られていた。注意するべきだったのかも知れないな。
心の中で唖然。


見ている自分を客観視すると、形より色彩とテクスチャーに目が行くのは以前と変わらずでした。


デート中の若いカップルは記念撮影も。


彼氏は彼女に引っ張られて来た様子で冴えない顔だった。
つい、口をついて出そうになる。

「リューの方が良かったか?」 ( ← あぶない、あぶない)


ミュージアムショップをすり抜けて、お城を遠目に見て帰宅しました。


明日からは引き篭もりです。(ホントに)






























メインは大根

2015-12-11 20:36:46 | 料理・食材


出先から帰宅すると玄関先に大根がポツンと立て掛けてあった。ご近所さんからの到来物であることは予想できるが、「ハテ、誰からであろうか?」
抜きたてを持ってきて頂いたらしい。大根に付いた土がまだ湿っている。

即座に、本日の献立は『風呂吹き大根』とする。
というのも過日頂いたお酒が「常温は……いやはや。燗ならマシ? いや、燗冷ましが一番美味しいのかも」という結論に達していた。「このお酒に合わすなら、このメニュー」というチョイスである。

新鮮な大根なので、包丁の刃を立てるとパシッと自ら割れる程の張りである。根の配列も綺麗に真っ直ぐ。「育ちが良いね、きみは。どこの子や?」
「コイツは旨いはず」と触感と目で認定である。
「良い食材なら、きちんと料理をせねばな」という使命感により、普段より幾分か丁寧な仕込みをする。
面取り、隠し包丁も手数を決めて。出汁は昆布と干し椎茸で丁寧に引く。生米も投入して上品な白を目指すか。ユルユルと煮えていく大根の風景。う~~ん、いいねぇ。


キッチンドリンクがてら詠める駄句。

  呉れし人わからぬ戸口の大根 常よりひときわ手塩に煮つつ


ありがたや~~、ありがたや~~。 Ψ(`∀´)Ψ



さて、頂く前からご満悦であるが「風呂吹き大根は大人向きメニューかな。子供達には物足りないかも」と思い、ガツンとした料理も用意する事に。

ご在宅中の鹿肉を台所に召喚する。「出でよ、鹿肉! ジャーーン」 ( ← 酔っ払い気味)

鹿肉は脂の少ない淡白な赤身であるが、味付けでなんとか、かんとか……する予定。
いざ解凍してみると、頗るコンディションの良い腿(もも肉)であった。猟師さんがバラしたもので、小生の我流精肉技術とは差があるなぁ。安心のクオリティーで御座います。

「濃い味付けなら味噌」という単純な理由で、料理スタート。
メニューとしての名前や味の着地点が見えないまま、見切り発車である。まぁ、無問題。例によって『シェフの気まぐれナンチャラ』とするし。
「良い食材も料理のスピードが大事」ですぞ。( ← 煮ると焼くの違いであります)

両表面を焼いて中心がレアなうちに味噌、酒、味醂を投入。ついでにマイタケも放り込む。中心まで火が通ったタイミングでフィニッシュ。白髪ネギを添えて、七味を振って。

柔らかいねぇ。肉の香りが良いねぇ。マイタケも正解やねぇ。


別のお試し用に、数切れはシンプルに焼いてみる。オリーブオイル、柚子胡椒を添えて。

う~~ん、これも良いねぇ。

子供たちの「にく~~~」という腕白な声がひと心地ついたところで、いざ、メインの大根へ参る。
本日の鹿肉は前菜扱いである。 ( ← ここ大事)

最後の仕上げとして、鶏モモ肉を入れて脂を薄っすらと纏わせる。あくまでも『白い仕上がり』にこだわった大根は、柚子味噌とネギ味噌で頂きます。「やっぱり、この燗冷ましと合いますわ。いやはや」
盃を重ねて自画自賛。 


ところで、誰が呉れたんだろうねぇ、この大根。(´・_・`)


判んないけど、どうも有難う御座居ました。 m(_ _)m



















終了しました 『備前陶心会展 選抜企画 ~ Septet ~ 』

2015-12-08 10:47:18 | 展覧会・ご案内


会期終了致しました。ご高覧いただけました皆様には感謝、感謝で御座います。

会場は、旧日本銀行を改装したルネスホール。その奥にある金庫棟をギャラリーしにしてあります。


シンプルな空間。若干、棚あり。照明は不足なし。

絵など平面作品には良いでしょう。

元々、金庫だけあって重厚な扉なども活かされています。密室的な雰囲気でワクワク感もあります。

エアコンが入っているので空調的な閉塞感はありません。心理的には人それぞれかも。


今回の出品者は7名でした。それに因んだタイトルは『Septet』。果たして七重奏が響きあったのか?

拙作 『 空き缶 』


拙作 『 帯の花器 』


出品メンバーの作品をチラ見せ。

代表作、受賞作、最新作など色々ありました。
展示目的ではなく「純粋に作りたいものを作って見せます」という展覧会なので、出品側としては個性が際立ちつつ空間が出来ていればボーダーライン。
ご覧頂いた方々に如何に感じて頂けたかしら……が、成否でしょうか。


皆様、お忙しい師走の時期ではありましたが、ご高覧有難う御座居ました。感謝。m(_ _)m



……とっ! オフィシャルめいたご紹介はここまで。以下、私的な事。

会場は、金庫の名残を感じられるように作ってあり、分厚い壁、太い柱、厳重な扉などが活かされています。沢山見るべきものがありました。(あぁ、個人的にですけど)


鉄格子に漂う厳重な雰囲気。犯罪の香りはしませんが、ザワザワとした不安感を呼ぶのは確か。

非日常的なギャラリーの導入として、役に立っているのか、いないのか……ですが、「場に応じた展示をしよう」と思えば面白い空間です。個展で振り切った展示を狙っても楽しそうです。


入り口脇の出窓っぽいところ。

拙作を入れて「ルパンめ、奴はとんでもないものを盗んでいきました」的な……。ハイハイ。(-_-;)


しかし、興味はそこではなくて、その扉! ジャーン。

ゴツイ……。

そのヒンジ!! ジャーン。

ゴツイ……。


感想が「ゴツイ!」しか出ない明快な存在感です。
丸みにもエッジがあるシャープなソリッド感。メタルから伝わるシンプルな重量感。プレーンなフォルムの無駄を削ぎ落とした部品。目的に忠実なタフネス構造。くぅぅ~~。悶絶です。(あぁ、個人的にですけど)
更に、ハンドル、レバー、ボタンなどが配置されていて「コレ押したらどこが動くんかな?」という興味を誘います。
一応、「オ・ト・ナ」として触らないでガマン。(>︿<。)

完全に怪しい目つきで鑑賞しておりました。大好物ぢゃ~~~。( ← たぶん、変態)


さてさて、密室の展覧会も終わりました。

しばし、引き篭もりますよん。ぢゃ! (*^o^*)/

































20年経つと

2015-12-04 20:41:21 | Weblog


本日のお仕事は土練機で粘土を練る事から。

備前焼の場合、土練機の使用に関しては賛否両論を始めとして諸々の意見がある。「機械で練ると土味を殺す」やら「土が締まり過ぎて表情が固くなる」やら「そんなの関係ねぇ」やら。
小生は、土によって使い分けている。理由はここでは述べない。

今日は、土練機を使う粘土である。
この粘土は、20代の頃に原土を精製して粘土にしてから20年以上経ったものである。厳重にビニール袋に入れて乾燥しないように密閉し、幾度かの引越しにも付いて廻った愛いヤツらである。
粘土を寝かせている時に、ビニール袋の使用に関しては賛否両論を始め……。(以下、略)


えぇぃ! 
兎角、諸々のご高説、ご意見は御座いましょうが、これは『20年寝かせた土』である。
粘土にした当初は『さくい(≒可塑性が低い)』土であったが、今日、開けてみると可塑性がかなり増していた。
20年という歳月の成果なのでしょうなぁ。

粘土を練りながら、自然にこの20年に思いが至る。まぁ、特に感傷的なものでもないが……。


ふと、仕事場から外に目をやると数本の椿が目に入った。「これもそうか……」

椿は20代の頃はあまり好みではない花だった。
今となってその理由は「落下する花が、首が落ちるように思えた」ぐらいしか思い当たらないのだが? 後に何かのタイミングで、土門拳の『女人高野室生寺』の石段に散る椿の写真を見て、その良さに気付いたように思う。
「桜にも通じる散り際への情緒? いや、むしろ桜よりも潔いやも知れぬ」とも。香りを発しないのもそこに通じるか?

以来、少々、椿を植えるようになった。ただし、花は何につけ白花が好みではあるのは変わらないのだが。


裏山の藪椿も咲き出した。


日中に肌寒さを感じるこの数日、一気に開花。見上げるほどの大木にチラホラと。
やがて、盛りともなれば足元は赤い落椿で覆われるだろう。


うむ。赤も良いな……。



今年は、新しい椿を植えよう。お茶の花も良いなぁ。


また、次の20年で好みが変わるかも知れない。さてさて……。






























水餃子≦鍋

2015-12-02 18:17:52 | 料理・食材


ここ最近は展覧会やら所用で外出する事が多かった。となると、やおら外食も増える。
個人的な生活パターンとして『自分で作って、自分で食べる』というルーチンが無いと何かと調子が狂う傾向にある。生活リズムだったり体調だったり。塩分過多、野菜不足も否めない。

このところ寒くなってきたけれど、まだ本格的な鍋気分ではないので水餃子入りスープを作る事にする。鍋ほどではない具沢山スープである。
急な思いつきなので、皮は出来合いのもので。水餃子用の文字に釣られて購入する。モチモチしてるのがウリらしい。30枚というのも我が家的に丁度良いか。

豚肉はバラのスライスのみご在宅。仕方ないので、これをミンチに。鶏がら、干し椎茸、昆布でスープの出汁とする。
材料の分量は『一期一会』という名のもと万事テキトーであるので、味の再現は不可能である。
まぁ、『本日のシェフの気まぐれスープ』の名のもとであれば非再現性は問題無い。いやはや、名前って便利だねぇ。


野菜を煮ながら、餃子を包む。
「普段、手びねりで『豆の箸置き』を作っているけれど、なかなか餃子包みは上達しないんですよ」とは商いの口上であるが、実際に向上していないなぁ。
全員が食卓についてから餃子を投入する。浮いてきたらゴマ油をひと垂らしして完成。

即、頂きます。

いつもの事ながら、こういう段取りはとかく早い。日々の『酒器の勉強時間』に関わる重要案件だしね。
熱々スープに浮かぶ水餃子をハウハフ、ズズズッとしつつ、冷たい泡々なお酒を流し込む。

くぅぅ~~。

具沢山スープには良い時節。


サクッと作ってチョイっと呑む 酒器の勉強をする。
これが自分にとって、好ましい生活パターンなのかな。


……という事で、自己満足、万歳~~っ! (*^o^*)/





























備中國足守大茶湯 終了しました

2015-12-01 12:35:44 | 展覧会・ご案内


先週末の連休に開催された『備中國足守大茶湯』も無事会期終了致しました。
会場に居合わせた皆さんのニヤニヤ顔に、ホッとしております。全ての方々に感謝。愛してるぜっ!(*^ー')b

その熱冷めやらぬ中、残務整理やら次の展覧会の準備やら。あっ、明日からルネスホール(日本銀行跡地・岡山市)で『Septet』が始まります。
今年3月に行われた備前陶心会展での受賞者7名による選抜企画展です。是非、ご高覧頂ければ幸いです。




え~~、『備中國足守大茶湯』を振り返りますと……。

会場は、かの備中高松城水攻めがあった地に程近く、岡山空港から山を下ったところにある茶室『常光庵』でした。
タイトルに大茶湯と銘打つからには、お茶会が主軸でありますが、展示を充実させるのも狙い。
漫画『へうげもの』を核にした織部十作ならぬ『へうげ十作』と岡山の陶芸家始め各方面のクリエイターが製作した作品が集結しました。

30名を越える作家を集めての展示ですので、当初は「どうなるか?」と思っていましたが、モノ作りする人特有の土壇場力でクリア。(出来たと思う)
素材力の強い備前焼とPOPな釉薬陶を中心にして、染色、表具、ガラス、襖デザイン、写真との競演となりました。

会場では、連日リヤカー茶席も出していましたので、あまり写真も御座いませんが一部紹介。


メインの茶室の床には、主人公である古田織部の軸。

モバイルを触っているお姉さんや雲に乗る孫悟空。融通無碍の心地です。


それにしても、織部さん、キテますなぁ~~。

大評判だったお菓子は『備前矢筈水差』がモチーフ。お菓子名は、“Does it spoil the fun?”

蓋を開けると織部さんの顔。
「訳:興醒めします?= 意訳:水、差します?」ってことですね。


広間は展示スペースに。

茶碗もズラーっと。中央にはガラスの兜を。「合戦じゃ~~」

名シーンの複製原画を添えて。


現代解釈『破れ袋』と伝統『青備前茶入』


漫画からインスパイアされたセクシャルな作品も。



個人的に是非モノで出品依頼した『つち大根』。

吊ったったわ~~~。Ψ(`∀´)Ψ


複製原画と織部向付のモンタージュを狙って。

新しい料理を思いつくか。


九谷焼『ペットボトル』がシュール。

会場では、やたらと「九谷ヤバイ」との声。それなりの年齢の大人が若者言葉を使うシュールさもヤベェよ。

拙作の『空き缶』を古織様が……。

「   ~~~」(←お好きなセリフを当てはめて下さい)

過日、東京で会った作家さんと工業地帯の夜景話をしていたら……結果。
今回の為に『倉敷工業地帯茶碗』を製作、出品して頂けました。(写真は高台の一部)


工業系繋がりとして、スチームパンクで迎え撃つべし……か。



その他には、
国産牛(九谷)にならぶサイ(備前)。シリアスな社会派でした。
オブジェ(釉薬)を鹵獲したロボット(備前)は評判良し。


会期中、東京・横浜からお越し頂いたゲスト茶人による席も好評でした。亭主の方々の「へうげ」が伝わったと思います。
織部作の茶杓『追銘:むかし語』があるかと思えば、コマネチ!!の額とか。
「出張土産を配るように、お菓子を箱ごと送る」とか「現代解釈の井戸茶碗」って……最高です。

担当編集者さんによるトークショーでは、漫画の裏話やこれからの話なども盛り沢山でした。質疑応答も盛り上がりました。
帰りの電車時間ギリギリまで話して頂き、会場から飛び出して帰られた後に忘れ物が多数発覚……。オチまで周到で脱帽しました。


以上、写真では紹介しきれない程の笑いがあって、出品側ながら大いに楽しみました。
ザックリとした纏め(?)ですが、『備中國足守大茶湯』はこれにて終了とさせていただきます。


で!! 次は……、「『へうげものリターンズ』が来る!? 」 という含みを持たせておきましょう。( ̄ε ̄)~♪


皆様、本当に有難う御座居ました。 m(_ _)m  






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なお、このブログでは個人名を出さない事にしておりますが、スペシャルサンクスとして……

岡山の茶道具『奈々瀬』さん所有の茶室『常光庵』で年2回nanacaféを開催されている企画主催者さん
大河歴史ギャグ漫画『へうげもの』の編集担当者さん
単行本装丁などを手掛ける敏腕デザイナーさん
へうげた茶人の方々
作り手の皆さん

有難う御座いました。