備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

秋深まる

2007-09-26 09:03:15 | Weblog
煌々とした青白い光に、谷が満たされている。ほぼ満月の夜。名月というには来月の方が良い感じかな。

一層、秋が深まった。気温も夏日を下回る日も増えた。暑さ寒さも彼岸まで。彼岸花がその名の通り、時同じくして咲く。毎年繰り返すこの正確さには驚嘆。

渡りのジョウビタキが戻ってきた。谷風にもつれるように予想しがたい軌跡を描く。後になり先になり4羽ほど。羽先の紋がせわしない動きを強調している。
まもなく、上の池にもカモが来るだろう。去年見た立派な青首も来るだろうか。

アケビも、もう一息で裂果しそう。ムカゴはぼちぼち採れ始めた。山葡萄は既に先客があったようだ。
犬の散歩も自然と山へと足が向く。山歩きが楽しい頃になった。

犬といえば、満月に触発されたか……。早朝ふと見ると、いない。家人が起き始めると、程なくして沢沿いに帰ってきた。ビショビショ。何処で何をしていたやら。


そういえば、ズガニや落ち鮎の顔をまだ見ていないな。気にしておこう。きっと出会えるハズ。根拠はないけど。


色々な事が、静かに、しかし確実に変わっていく。おおきな季節の流れ。



運動会

2007-09-23 18:38:16 | Weblog
秋分の日。我が家のチビッコどもの運動会。天気は曇空の為、ここ最近にしては気温が若干低く、快適ではないけれど、ガマンできる範囲。熱中症が出ないで良かった。

児童数が少ないので、プログラムの半分は父兄来賓参加競技。町議も前校長も駐在さんも参加する。もし、児童だけなら、午前中には終わってしまう。最大のお楽しみイベントの『一緒にお弁当タイム』を作るべくPTAの方々のご尽力の結果。
組体操は5,6年生全員。でも空白地域の方が多い。小生の頃は、団塊ジュニアのはしりだったので、組体操は6年男子のみでもビッシリだった。応援席がグランドだけでは間に合わずに校舎の教室も開放していたな。
けれども今その小学校は統合されて無い。


わが町は世帯当たりの子供数は多い(ひとりっ子は珍しい)けれど、世帯数そのものが少ない。よって、応援席は比較的閑散としつつも、兄弟親戚が多いので誰かが出ると、そこら中での応援となる。一種独特だけれども良い雰囲気。

父兄競技のリレーは、知り合いのヤキモノ屋さんに見つかって強制参加。でも面白かった。綱引きも地域対抗なので、実際始まると全員かなり本気でやる。


筋肉痛が、明日でるか明後日でるかで体力年齢が判るだろう。
来年は、一週間前から走り込みをしておくか……。


次回に向けて

2007-09-21 19:27:39 | Weblog
さて、窯焚きのお手伝いも終わりましたので、いよいよ次回窯焚きに向かってスタートです。朝から、やる気満々です。

まず、ロクロ座の片付け。仕事ができる体裁にする。

が、途端に、試験前の部活休みみたいに、片付ける傍から別の事に興味が移り、なかなか進まず。流石に本を読んだりはしないものの、メダカの水槽を洗ってみたり、花を取り替えたり、お香を焚いてみたり……。
途中で、今日が5代目・古今亭志ん生の命日という事を思い出したので、落語のCDを引っ張り出す。聴きながら……。『火炎太鼓』もいいけど、『唐茄子屋政談』が良いねぇ~。ガラッパチの中の色っぽさ。生涯、枯れず。

夕方に何とかメドがついたかな……。
一息入れるべく「お茶を飲もう!」と、冷蔵庫を開けたのが運の尽き。
『蕎麦もろみ』と目が合ってしまった……。素朴ながらも佳き肴。

諸般の事情により、明日から……がんばります。 m(_ _)m


養蜂のチャンス

2007-09-16 16:54:23 | Weblog
嫌いな方はゴメンナサイ。m(_ _)m

モミジの枝に何かの塊がぶら下がっている。「スズメバチの巣?」と思って近づいてみるとミツバチ。セイヨウミツバチ。台風の余波の強風の中、かなり揺れているが、まとまっている。

セイヨウミツバチは集団で戦わないので、スズメバチとの交戦中ではない。まして、かなりおとなしいので、違う。

しかし、この塊は、時期的に妙な感じ。
ミツバチは『分蜂』する。新しい営巣場所を求めて集団で移動するわけだ。もっとも、養蜂家は『逃亡』というが……。

その分蜂は春から初夏にかけての時期。在来種のニホンミツバチが春。セイヨウミツバチは初夏。時々、都会の信号機に群がってニュースで大騒ぎする例のヤツ。たいてい刺さないし、ホッタラカシでも何処かに飛んでいくのに……駆除。可哀相に。


今の時期に分蜂?もしくは、巣に何らかの異変があり放棄?
『今年は天候がおかしい』(と毎年言ってる!)ので、その所為かな?


養蜂する気なら、チャンス! 自家製ハチミツも魅力的。だけど……やめとこ。


子供の頃に、よく刺されていたのを思い出した。あれはアシナガバチ……しかも棒で巣を突っついたからだけど……。

窯焚きの秋。読書の秋。

2007-09-12 19:49:05 | 陶芸
秋です。涼しくなってくるとやはり体が楽なので、窯焚きをする人が増えます。

備前焼は窯が大きく、窯焚きに日数がかかるので到底一人では出来ません。そこで、助っ人を依頼します。今回は依頼された側。伊部のとある作家のところへ約10日間程お手伝いに行きます。弟子をしている頃から窯焚きに呼んでいただいているので、この窯とは、かれこれ15.6年携わっています。

一人でやっていると自分の窯でしか経験が出来ませんが、備前のようにお互いに協力しあってすると、その経験は何倍にもなります。もうどれだけの窯数を焚いたか定かではありませんが、この経験は財産です。この経験が元になって自分の窯が焚けるというものです。修行時代には引きこもっていてはイカンよ!『書を捨てて窯を焚こう』(って誰に言ってんだか…)


深夜から朝にかけて焚いているので、しばらくは昼間に寝るという逆転生活です。
窯焚き中の深夜は、一番、本が読める時間です。読書の秋ですねぇ。
だから『書を捨てないで窯も焚く』次第です。


【ご案内】
さて、県展(岡山県美術展覧会)が始まりました。
小生も『備前大鉢』を出品しております。是非ご高覧いただきたくお願い申し上げます。

場所: 岡山県立美術館
会期: 16(日)まで  9:00~17;00



土練り

2007-09-09 23:49:36 | 陶芸
窯詰めを始めてから2ヶ月以上経った。最後にロクロをしてから2ヶ月経ったという事。
その間に粘土の水分が抜けて固くなっている。手では練れないカチカチ具合。

独立に向かう頃から、出来るだけ機械を使わないで仕事をするようにしてきた。理由のひとつには、質感についての検証。それによるメリット、デメリットも明らかになりつつある。

今のヤキモノ産業は、現代の機械と昔の道具が混在している。『電動ロクロ』に対して『蹴ロクロ』。『フレット』に対して『カケヤ』。『薪割り機』に対して『斧』……など。それに『電気窯』に対する『窖窯(あながま)』というのもある。

それらの機械や道具に対して、自分のやりたい事との距離感を測っているという過程。


で、カチカチの土……、この土に関しては『土練機』で練っても大丈夫。なので、水を加えながら、土練機で練る。(土練機は借り物。)
手では不可能に近い事が、機械では可能。素晴らしい。

VIVA!土練機!


思い草。夏の恋は……

2007-09-02 14:42:28 | Weblog
ススキの株の中で咲く花。
小学1年生の子供に見せると、「親方が持っているタバコを吸うヤツみたい」と言う。どこで、その親方なる人物を見たのかは知らないが、確かに『キセル』。こんなキレイなガラス細工のようなキセルを持つ親方はきっと遊び人だな。(想像)

昨年、ホタルガヤを師匠のお宅から分けていただき、そして、その根に寄生する『ナンバンギセル』の種をついでに蒔いていた。そろそろ花が咲くか?と待っていたら、今朝発見。寄生植物なので光合成する必要がない為、透き通った感じが不思議。


和歌では『思い草』と詠まれる。『忍ぶ恋』を表すとか。
『幽霊の正体見たり枯れ尾花』(尾花=ススキ)の、その下に潜む忍ぶ恋。なんともその組み合わせがよく出来ていてコワイ。今は忍ぶ恋があり、やがて盛りをすぎて、枯れ尾花に……。夏の恋が秋には怨念……。
「げに恐ろしきは執念なり~」。そう思うと不気味ではあるが、正体を知っているから平気。

どうも、この夏に落語の艶笑話や怪談を聞いていた後遺症か……。
噺がつながる……。