備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

第6回 ふるさとあっ晴れ認定委員会

2016-10-24 20:53:51 | Weblog


昨日の事。
JR西日本岡山支社様から拝命しております『ふるさとあっ晴れ認定委員』のお仕事として『第6回 ふるさとあっ晴れ認定委員会』がありました。
県内では有名でも全国区の知名度がない、または全国区の知名度でも岡山県産と知られていない『えぇとこ・えぇもん・うめぇもん』の『場所・モノ・食』を認定して応援していこうという活動です。


今回の対象エリアは、瀬戸内市・備前市・和気町・赤磐市。
会場は、ホテルリマーニ(牛窓)で。

牛窓は、かつて5年程住んでいた場所。
備前は、仕事柄どっぷり縁のある場所。
和気は、拙宅があり生活と仕事の場所。
赤磐は、普段のお買い物をする場所。

つまり、対象エリアの馴染みが深すぎる。それ故、普段の審査よりもドキドキ感がありました。
これは会場にサプライズで拙作のモノが置かれていただけではありません。しかし、これには若干の冷や汗が……。


開会宣言とともに目の前のカーテンがオープン!

……とっ! オーシャンヴューが広がる~~~~。ドキドキ感がワクワク感に変わった一瞬でした。


『くまなく旅し隊』メンバーによる溌剌とした進行によって、兎にも角にも審査スタートです。

テーブル上の『くまなく』がプレゼンを応援するかのようで微笑ましいな。

エントリーは以下の通り。


■えぇとこ■
・黒島ヴィーナスロードとオリーブ園
・備前焼の里 伊部の町並み
・旧閑谷学校
・牡蠣筏が浮かぶ日生の海
・片鉄ロマン街道


■えぇもん■
・アイデアこいのぼり(株式会社徳永こいのぼり)
・オリーブマノン グリーンローション(日本オリーブ株式会社)


■うめぇもん■
・ミツクラのマッシュルーム(有限会社三蔵農林)
・牡蠣のアヒージョ (牡蠣の家 しおかぜ)
・旬の野菜天(有限会社中光商店)
・臥龍みそブランドの紅糀みそ(有限会社馬場商店)
・ままチョビ(ココホレジャパン株式会社)
・桜室町 大吟醸祝古酒TOVINTAGE(室町酒造株式会社×岡山地酒創庫イチローズ)
・じゅんまいうめざけ (利守酒造株式会社)
・リースリングワイン醸造酢 白ワインビネガー(是里ワイナリー)
・瀬戸内マンゴー ふわり~ぬ(竹久夢二本舗敷島堂株式会社×株式会社神宝あぐりサービス)
・こいくち醤油〈桐印〉(鷹取醤油株式会社)


委員は各ジャンルの専門家なので、「むむむ、なるほどぉ~~~」と自分と異なる観点からのコメントに素直に感嘆します。
こういう刺激がいつも心地よい。

そして、お待ちかねと言えば……の試食タイムも。

内容だけでなくプレゼン順まで考えられた配膳である。素晴しい。

今回は、和食~イタリアン~デザートという完璧な流れ。
天麩羅、味噌、アヒージョ、アンチョビ、マッシュルーム、大吟醸酒、梅酒、お菓子、アイスクリーム……。もう何周もしたい。
特にイタリアン素材は素晴しいものがあるなぁ……。
審査メンバーにシェフと杜氏さんがいらっしゃるので、ここぞと質問しまくり。美味しい上に解説付き。至福ですわ。


窓の外は夕焼け。


いいねぇ。


で、この後は、厳選なる審査スタート。

全てのエントリーが、規定点数を満たして満場一致で『あっ晴れ認定』されました。
『あっ晴れ大賞』の選出では「甲乙つけ難し」という局面が数度繰り返され、艱難辛苦の上、決定しました。

あっ晴れ大賞は5件。

・黒島ヴィーナスロードとオリーブ園
・備前焼の里 伊部の町並み
・アイデアこいのぼり(株式会社徳永こいのぼり)
・ミツクラのマッシュルーム(有限会社三蔵農林)
・牡蠣のアヒージョ (牡蠣の家 しおかぜ)


『備前焼の里 伊部の町並み』に関しては、皆様より温かいお言葉を頂きましたが、「それに応えるだけの事をせねば」と眦(まなじり)を決する次第。
我が業界は頑張らねばっ!! ですぞ。

あと、こいのぼりのネクタイは仕入れないとね……。


それにしても美味しかった。

個人的には「これぞ岡山土産!」というものも知ることが出来るので、何かと有難いです。

帰宅して、お土産に頂いたもので早速『酒器の勉強』開始。

有難い事ですなぁ。(*^ー')b



さて、認定品のお買い求めは、岡山駅(新幹線改札内)の『ふるさとキューブ』が便利です。
入場料が必要ですが、1000円以上のお買い上げでキャッシュバックされますのでご安心下さい。

皆様、是非!




























口福のあとに……。

2016-10-19 20:17:38 | 料理・食材


昨夜、あまりにも口福な出来事があって、その余韻が今朝もまだ続いていた。(それを文章にすると感覚が逃げていきそうなので、今は書かない)
寝起きのボーっとした状態ながら「この余韻を大事にしたい」という気分。
迂闊な朝ごはんはダメ。

さぁ、どうしよう……。

昨夜の料理は、一言で言うと「シンプルな食材、立体的な味、素材の香り」のバランスが見事だった。( ← 一言じゃない)
一皿の味わいが華やかなのに、あと口に残らない。次のお皿が来るまでに、ワインでリフレッシュされて、残るのは葡萄の香りと次の料理への期待。

それに倣ってシンプルにしたいなぁ。

でも、どうしよう……。

ここは朝の王道メニュー『玉子掛けごはん』としよう。しかし、常より一層丁寧に作るっ! 完全に影響されているが、それも楽しい。

玉子は卵白と卵黄に分けて、まず卵白のみを泡立てる。ややメレンゲになったところに卵黄を流し込み、白いご飯をふんわりと包み込む。
そして、普段は醤油を一周~~であるが、先日作っておいた『紫蘇の実の醤油漬け』をトッピングする。

軽さと香りある玉子掛けごはん。良いよ。
玉子の甘さとシソの香りに、昨夜の余韻が緩やかに混ざっていくよう。

でも、まだ大丈夫。余韻はしっかりとしている。

午前中は、昨夜の料理を頭の中で幾度となく反芻していた。
牛の胃袋か!?


お昼になった。
徒や疎かなメニューは受け付けられないのは朝と変わらず。
コーヒーを手抜かりなく淹れて、頂きもののパンを少し。今日はこれ以上は不要。コーヒーの香りが、余韻を記憶にゆっくり変えていく。


さぁ、日が暮れて、いよいよ晩御飯の時間。
流石にお腹が減ってきたし……どうしようか? ここは真剣な悩みどころ。

冷蔵庫を開けると、ご在宅中の食材は、鶏肉、米ナス、ジャガイモ、チーズ……。これらで軽い仕上がりの何かを作ろう。
いつも通り料理スタート前は料理名不明である。しかし、イメージは『チーズ掛けベイクドポテト・ゴロゴロ仕立て』という明確さはある。簡単ではあるが、仕上がりの良し悪しの全てはタイミング次第。気が抜けないぞ。


ジャガイモは皮を剥いて電子レンジにかける。ナスは少しのオリーブオイルで揚げ焼きに。
これで、仕込みは終わり。


ニンニクと鶏肉をオリーブオイルで炒めて料理用ワイン(白)でフランベ。ジャガイモを投入して焼き目を確認しつつ、ナスを入れる。最後にラクレットを溶かしつつ絡める。
鍋の温度を除々に下げていきながら仕上げていく料理。これで、香りを維持したいという思い。まぁ、ヤキモノの上絵で溶ける温度の違いをコントロールするみたいなもの……。( ← 違っ!)
仕上げは、先日収穫したバジルを粉にしておいたのでパラパラと。


なんか良いよ~~~。たぶん。

しかし、ジャガイモの仕込みが多過ぎて余ってしまった。同じ材料で違う味付けを作ろう。このアドリブは普段通り。
パプリカを足して、コンソメで溶いたカレー粉を入れる。


ん? シンプルな軽い味付けはどこに行った?


まずは本命の皿から。
鶏脂を含んだナス、ラクレットの旨味を纏ったジャガイモが狙い通り。お酒はワインではなくウォッカで。これは拙宅の都合により……である。
ひと心地ついたらカレー風味も。

しかし、手が止まる……。
「このカレー味を口に入れると、余韻の世界から日常へ戻るだろうなぁ……」
そう思いつつ、スプーンを含む。

「うん、ウチの味だ」

日常が忍び込んできた感覚がある。

ハレからケへ。
食の在り方も大事な区切り方のひとつ。


備前焼まつりも終わって、引き篭もり月間突入への良い幕開けになったと思う。
さぁ、製作やら企画やらジャンジャンやるよんっ!


日常をガンバローー! (*^ー')b




































































































【終了】 備前焼まつり 2016 

2016-10-17 17:24:43 | Weblog


2016年の備前焼まつり終了致しました。
両日とも心地よい秋の行楽日和となりました。あっ、昨日は小雨が若干ぱらつきましたが。

さて、今回は会場風景を撮り損ねております。

がっ、山陽新聞の一面をカラー写真で飾りました。しかし、唐草模様がオハズカシイぞ。
まっ、お祭り仕様だからなっ!

しかし唐草模様が功を奏して、お客さんから「新聞に載ってたトコや~~」とのお声掛けも頂きました。


(クリックで拡大)

中にも大きな写真で掲載。燦然と輝く『蚊取りブタ』ですな。(ハイ、そこ「何処に?」とか言わない)



さて、おまつりのお楽しみとしてはお昼ご飯。

一日目。やはり15:00ぐらいにありつく。
とはいえ、午前中に地元お寿司屋さんオススメの『炙りサバ寿司』を確保済みである。


そして、夕飯用に『サワラ寿司』も確保して家で食べ比べ大会を開催。

「秋のサワラも良いねぇ。むむむ、サバ寿司旨し!」
「明日はサバ一托なっ」と結論。

『アナゴの一本焼』と合わせて日本酒を頂く。

疲れていたので、すぐに酔いが廻ってオヤスミ~~~。


さてさて、二日目。
若干の寝過ごし感が否めない時間に到着して、慌てて準備。合間にお客さんが来られてワチャワチャと。
予定通り、お昼ごはんは『サバ寿司』である。

おぉぅ、昨日と昆布が違う。芸が細かいなぁ。
それとお醤油屋さんの出店による唐揚げも合わせて。手隙きの時に口に放り込むのに丁度良いサイズが好ましいなぁ。

お手伝いさんは『穴子ごはん』をチョイスしていました。

(いままでの小生なら、それだけどな)

血糖値アップに、ジュースもあり。



さて、会場情報も少し。

ヤキモノ屋目線から今回の変化としては、『備前焼ガチャ』が会場内に4箇所あった事です。
昨年は我々『備前焼作家集団けらもす』もモノだけでしたが、今年も概ね好評を頂いていたようです。感謝。
まぁ、「一回500円で500円以上の内容」というモノでしたからねぇ。

そして、個人的な大きな変化は、駅前通りのお寿司屋さんのショーウインドーで展示させて頂いた事。




多くのお客様が見られる場所で、それを切っ掛けに御来店頂いた方も多くいらっしゃいました。
ありがたや~~~。




Web、新聞、ウインドー、ガチャと告知が色々と積み重なって、総合的に効果があったと思います。



明けて本日はグダグダと。片付けは追々に。今日はゆっくりとオフ!


そろそろ退屈しきった番犬福助と散歩かな。


目線がこちらから離れない……。

夕焼け見ながら、歩こうか。


さて、皆様、また来年!! チャオ! (*^o^*)/~~


















































備前焼まつり 2016 

2016-10-09 11:36:48 | 展覧会・ご案内


【第34回 備前焼まつり】の告知です。

日時 : 平成28年 10/15(土)9:00~17:30 / 16日(日)9:00~16:30
           10/14に前夜祭 炎のまつり「かべりだいまつ」があります。

会場 : 備前市伊部(JR赤穂線 伊部駅周辺)

●今年も出店致します。場所は例によって例のところです。オレンジ色の幟出してます。たぶん。
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【出店場所】

●駅を降りたら正面通りをまっすぐ。T字路にぶつかったら右。そのまま右を見ながら歩いてオレンジ色の幟がウチです。(旧、安達酒店前になります)
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また、『お買い上げ頂いた方へのローリエ(月桂樹)一掴み進呈』が好評だったと思い込んでいますので、今年も半強制的配布します。


【経験上のメモ】

■駐車場関係
・伊部小学校は、8:00時点でほぼ満車。(昨年は7:30でもほぼ一杯でした)
・岡山セラミックスセンター北側広場から備前中学校間に無料シャトルバスを随時運行します。
・リフレセンター(伊部の西端)に駐車すると遠いようですが、旧道や路地をブラブラ歩けるので良いです。


■交通関係
・JR赤穂線の臨時電車があります。(岡山~伊部約40分)
・シャトルバスで閑谷学校に行くのが便利。(有料)


■飲食関係
・飲食の出店あります。
・カフェ(コーヒー)の出店が増えています。(岡山は意外にコーヒー焙煎士が多い)
・ビールなどアルコール飲料を売る店が少ない。キリン、サントリーの出店あり。
・アイスクリームが悩みどころ。白桃・醤油など。晴れた日は大行列します。
・黒豆の枝豆、コノコ、アナゴ、デビラ、ぶどうが地元特産品。
・ちりめんじゃこの美味しい店がある。
・地元醤油屋さんの唐揚げが美味しい。

・スーパーマーケット(マルナカ)あり。駅から東へ10分弱のところにあります。
・コンビニあり。備前警察署斜め向い。歩くにはちょっと遠い。

・コンビニOPEN! 国道沿いを西へ。歩ける範囲。【 ← NEW!】


■新しいイベント
●両日共通
・私の使いたい器展(伝統産業会館3階)
・備前焼なんでも相談会(伝統産業会館3階)
●10/16(日)
・東京芸大卒業生による 若手日本舞踊家集団「藝○座」
・阿波おどり 踊鬼連  


●個人的注目は、
・さわら棒寿司 (地元寿司店による出店。数量限定)
・BIZEN BLUES BAND(備前焼作家による演奏)   
・備前焼ガチャ (備前焼作家集団けらもす)


■その他
・花材として黒米、唐辛子、トウモロコシを売るお店もあります。
・路地に入ると備前焼以外の面白いものがある。
・紫外線ケアはしたほうが良い。
・日傘は邪魔かつ危険です。(見ていてハラハラします)
・スマホ片手に歩いている人は急に立ち止まる事があるので注意。
・時間に余裕のある方は湯郷温泉へ! 程よいドライブの距離です。


___________

■小生の個人的なこと
・お昼ごはんは例年『アナゴ飯』『アナゴ棒寿司』が鉄板でしたが、昨年より『サワラ寿司』推しに変更。
・毎年、昼ごはんが15:00過ぎ。
・毎年、備前焼小町を見そびれる。
・ほぼ毎年、写真愛好家撮影の小生のアップ写真が駅に飾られる。
・ほぼ毎年、2日目の山陽新聞朝刊に写真で登場する。
・時々見かけるワンコ達は皆、可愛く、お利口さんである。
・主催者発表の来場者数は、実際より○○いと思う。
・陸上自衛隊は祭り会場には不似合いである。

・備前焼ガチャは、好評の為、売り切れ必至。


           

ってな感じで、まったく祭りの準備をしていない状況ながら、告知まで。


・詳細は、【備前焼陶友会のページ】へどうぞ。ページ中程にあります。



なお、【備前焼作家集団けらもす】メンバーの出店位置です。





















































なごりめし

2016-10-05 17:33:15 | 料理・食材


夏が終わり秋。あれこれと魅惑な食材が登場する季節である。
「自然豊かな国」と称しながらも食物自給率が低い我が国の現状に、嘆息を漏らすも美味しいものは美味しい。
ちょっと、おセンチな気分にさせるのは、肌に纏う山の冷気の所為だろう。
身の回りにある食材で、ささやかに去り行く季節を愛でよう。

今、夏の食材を使うとすると『名残り』の食材に当たる。
名残りの食材で作るご飯ものを『名残飯』と書くと、なんだか残念な字面である。『なごりめし』と表記しようか。


最近の炊き込みご飯で良かったのが『蛸飯』だった。
このところ注目している下津井産の真ダコを使って、あしらいは極晩生の茗荷。
流石にもうオシマイの時期。この組み合わせは、紛れもなく別れのもの。
もっともタコは世界各地から一年中お越しになられているけれど。


いつも何処からともなく頂いていた夏野菜もオシマイ。もう玄関先にぶら下がっている事も少なくなった。
キュウリと紫蘇で『稲荷寿司』を作る。食感と香りを期待。

稲荷寿司は運動会の思い出とリンクする。まだ青いミカンの酸っぱさも同時に蘇る。思い出との出会いの一品。
子供の頃の運動会の記憶は、抜けるような青空と響く歓声、土の匂いと汗ばんだ体操服……視線が低い思い出。
自身が親になると、小さな子供の頭の先から誇らしげな熱気が立つのを思う。髪の匂いと笑顔が思い出。
子供の頃の地面近くにあった感性は、今や思い出になっているのを実感する。

運動会の思い出は、そうして変化しつつ継がれていくのだろう。
近頃は『5月開催の運動会』というのも聞くけれど、「あの青いミカンの立場は如何なものか?」と心配するなぁ。


今年は、夏の終わりから雨が多かった。まるで雨季。
その晴れ間に収穫したシソの実。香りを愉しむ仕込みとして醤油に漬けてある。
定番として、朝の『玉子掛けごはん』に使うのが好み。

一箸ごとに、心地よくプチプチと弾け、香りが鼻を抜ける。朝からの贅沢。
何故か、これは夜ではダメな組み合わせ。


さぁ、夏の振り返りは終わり。本格的な秋を愉しもう。

個人的には、展覧会シーズンも終了した。
次回の窯焚きを指して、「今回は、どうするか……」という気持ちになっている。という事は、完全に前へ進むタイミングになっているという事。

愉しみつつ、製作したいなぁ。( ← ヨモギの花粉症なので引き篭もりである)


新米の季節は目前。こちらも楽しみ。