備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

金糸梅

2009-06-30 21:40:21 | Weblog
金糸梅(キンシバイ)も、そろそろ終了。

公園の植栽などで、大きな塊になっているのを見かける花。
ウチの場合は、自由奔放に枝が伸びていて、成長著しいレンギョウと日照権の奪い合い中。

この花が終わる頃には夏本番だ。


雑草も一雨ごとに丈を伸ばしている。

今年は徹底的に草刈りをしないことにした。地面からの照り返しが少しでも和らぐように。ただし、足の無い細長い生物がいる場合には、わかる程度の丈にしないといけない。その辺りが難しいところ。

一定の長さまでで草刈りをし続けると、背の高い雑草が駆逐されて、芝生の様に背の低い草しか残らなくなる。常にその状態を保つ為には数年頑張る必要あり。雑草の中には種の状態で、土の中で長年芽吹かずに待てるヤツがいるし。


某温泉旅館の離れのように、格好良く雑草が残るのが理想。
実はそれが手間が掛かるのだが……。気長にやる予定。


80年代に…

2009-06-27 22:48:31 | 料理・食材
80年代に影響を受けた人の訃報が続くと、ついつい、その頃の自分を思い出してしまう。
ちょうど中学・高校・大学の頃。


 でっかいどお。北海道。
 女は、ナヤンデルタール。
 恋を何年、休んでますか。
 イマ人を刺激する。
 あんたも発展途上人。
 ホンダ買うボーイ。

中学生の頃にぼんやりと将来を考えている時に知った職業が、コピーライターだった。漠然とモヤモヤした世界を、短いセンテンスで切り取るという潔さに憧れを抱いていた多感な頃。
コピーとしての好き嫌いで言えば、別の人を挙げるけれど、その入り口を意識させてくれた人(眞木準)の訃報。


高校の頃、音楽的には影響されなかったけれど、周りの同級生が感化されていたのがマイケル・ジャクソン。映画のようなPVに影響を受けて、ダンスや映像へと道を進めた連中も多かったなぁ。これでもう伝説の人となったな。


大学でオケをやっていた頃によく読んだのが、黒田恭一氏の批評。
レトリックを駆使した論評や一見論理的に見えるありきたりな記事ではなく、最終的には読者が判断する事を第一義とした書き方だった。短い言葉でレッテルを貼るという事はしなかった。批評をコピーライティングしなかった人。
でも自分が、文章の向こう側にある書き手の心には迫れていなかったと思う。音楽批評家というよりもオーディオ批評家という認識が大きい。初心者にも判り易いのが長所でもあり……。今、その立場の批評家っているのかな?


80年代を振り返ると、お酒を覚えたての仲間内で流行ったのがハイボールだった。あの頃は背伸びしてただけで、カウンターで丸い氷の入ったハイボールをカラカラと回す自分に酔っていた。カフェバーとか言ってた時代。カクテルとかで散々遊んだ。
独りで神戸の北野のバーで呑みながら世の中の観察をしていたな。


最近、すっかりハイボールの存在を忘れていたけれど、メディアで目にする事が増えた。今の年輩には懐かしく、若者には新鮮なのだろう。
個人的には、昭和オヤヂのノスタルジックさを感じるが、馴れ親しんだ味。


あの頃を懐かしんでハイボール……と、思ったけれど、ウイスキーが家にない。


ジンジャーエールを焼酎で割って、見かけはハイボールで……。


素直に多感な頃の気持ちに遡れないのは、年を経たせいか、それとも偽ハイボールのせいか……。

少しひねたハイボール。
でも、バカラの重みが手に馴染むのも確か。



「 あのころの未来に、僕らは立っているのかなぁ 」


庭先で

2009-06-24 21:30:31 | Weblog
ほぼ毎日おいでになるウサギ。クローバーのあたりがお食事処。
在来種なのかは知らないけれど、飼いウサギに比べるとスリムで胴と足が長い。
夏毛のせいなのだろうか?

出来るだけ脅かさない様に気に掛けているいるけれど、保護色なので動き出してからコチラが気付く事もしばしば。
それでも、毎日顔を合わしていると警戒心も薄れるのか、かなり近くまで寄っても逃げない。

耳を立てて、鼻をヒクヒクさせているのを見ると「やはり野生だな」と感じる。野生動物が馴れてくれるのは嬉しいけれど、絶対的な線引きがあるのが飼い犬との違い。

で、愚犬はというと「吠えても無駄」と悟ったのか、近くまで来ても反応なし。
コイツはウサギ狩りには使えん……。


最近は、ホトトギスが来るようになった。声はすれど姿は見えず。
ウグイスの声は、ひと頃よりも少なくなった。
けれど、そのうちの幾つかはホトトギスに托卵されているかと思うとお気の毒。


『 鳴かぬなら それでいいじゃん ホトトギス 』 織田信成

時代に空気を反映している。うまいなぁ~。


小生はまだ、なんとも……。どちらかと言うと秀吉寄りかな?

ナウでヤングなポップ弁当

2009-06-21 09:32:24 | 料理・食材
急遽、細君にかわって弁当作り。
部活に出かける子供のぶん。子供の弁当を作るのは初めて。
ちょっとウキウキするが、6:00に起きて作る必要がある。
おおむね15分で作る予定。平行して麦茶も。


寝起きの状態で、昼食の事を思って作るのは、ヒラメキでは無理。食欲のない時にガッツリとしたものはイメージ出来ない。
前日の夕飯の頃に食材の確認をして、ボリューム、彩り、持ち運び、保存の面から組み合わせを考えておく。ちょっと覚え書き程度のラフスケッチも。あとは作りながらでも何とかなるだろう。


ちょこちょこ作って、先の細い箸で小さな箱に詰め込んでいくのって、やってみると意外と楽しい。
味の面で入れていた白ゴマが、いざ盛り込んでみると、あとから振った方が見栄えが良かったり……。発見もイロイロ。

作る前に、弁当名は『ナウでヤングなポップ弁当』と言っていたけれど、実際は、な~~んにも関係なし。
「サプライズがあるようで、何もなかった」という捻ったオチなのだが、その辺りの反応はなかった。やはり正統なサプライズが判りやすかったか…。と、関係ないところで反省。
次回は『お子様弁当』と称して、ご飯に海苔で似顔絵書いて、国旗を立ててやる~~。前日は、海苔を切り絵だな。

弁当を食べた子供の反応が気になる…という気持ちがよく判った。


周りの同級生からの感想は、冷凍食品、既製品がなかったことが高ポイントだったらしい。
となると、俄然、2日目も張り切ってしまう……。


毎日ともなると、惰性となるか、かなりヤル気になるかは判らないけれど…。
たまに作るのだったら、弁当も面白いな。

これもパズルのひとつ。


レンガでパズル

2009-06-18 23:40:25 | 窯作り・窖窯について
一基目の窖窯(あながま)を作った時に、「還元が出来る小さい窯が欲しいな」と漠然と考えていた。

酸化も還元も、ひとつの窯で同時にしようと思えば出来る。
連房式登窯の後ろの部屋で酸化焼成をしたり、逆に窖窯の後ろに小部屋を設けて還元焼成したりという工夫は備前焼に限らず多くの人がしている。

そうではなく完全に別の窯でやりたい。かといって、大きな連房式登窯は要らない。

小さな窯では、還元焼成より酸化焼成の方が難しいと思っている。なので、あくまでも小さい窯は還元焼成用。それ以外に火が走る事も考慮に入れて……。


窯は小さすぎると、かえって焼成は難しい。それが棚組みの場所かも知れないし、温度帯かも知れない。原因と結果の検証も難しくなる。


個人的には、小さな窯は灯油窯や電気窯程度しか経験がない。
備前には、通称『角窯』がある。遠目に見たことがあるぐらいで、よく知らない。


さて、考えていたのは、炎式こそ倒炎式にあたるけれど、イッテコイではない。
灰や熾きによって景色となすのが備前焼。それを享受できる事が第一条件。


でも、経験もノウハウもなし。
あるのは規格外の中古レンガが数百丁分。これらをパズルして果たして窯として機能を持たせる構造物が出来るのか……。


想像しながら、経験と推理でアドリブかます。JAZZの時と一緒だな。
ただJAZZと違うのは形として残るし簡単には壊せない。

さて、どうするか……。


でも、石窯としてピザやパンを焼く事は間違いなく出来るだろうなぁ。


ブランディング

2009-06-16 22:04:11 | 料理・食材
例年なら子供の誕生日は、細君手作りケーキの登場となるのだが、今年は諸般の事情で日をずらしてお店にて購入。

岡山の人気ケーキ屋さんのひとつで。いつ行ってもお客さんが多い店。
2階の大きな壁面ガラス越しに、パティシエさんのキビキビした働く姿が見えていて気持ちよい。


ラインナップは、昭和の香り…ではなく保守系。
種類は多いものの、既視感たっぷり。

いつ行っても同じモノがあるのは、安心感があるけれど、それをきちんとブランディングして、価値観へと転換させられているかと言えば……。
簡単に言うと、お馴染み商品にプレミアム感があるか?なのだが…。
店としては成功しているけれど……。


商品を見る時、老舗和菓子屋さんなら看板商品の種類が限定的で、かつ判り易いので、「まず定番なのか、それ以外なのか」という選択肢から入れる。
『定番商品>店』という関係。店名は知らなくても、そのお菓子は知っているというパターン。

でもショートケーキは数が多くて、そうはならない。ブランディング効果は薄まる。

競合の種類が多い袋菓子も状況は似ている。
よくある作戦としては、時折、期間限定のフレーバーや味を前面に出して競合商品との差別化をはかるというもの。結果として限定商品も定番商品も両方の売り上げを伸ばしている。


実際のところ、味は舌に乗せてからなので、それが定番だろうが新商品であろうが美味しければ良い。なので少数の看板商品の力ではなく、商品全体からの成果として、その店名のブランディングを図るのも手。
そして、この方が、新商品の売り上げは伸ばし易い。『店>商品』という関係。この店の場合はこちらのパターン。

成功の大きなポイントは、近くに競合店があるのか無いのかという環境もある。独占の強み。


でも、逆に言えば、味に自信がある店舗は、このお店の近くで店を開けば……。
パチンコ屋さん、居酒屋チェーン、家電量販店のマーケッティング方式。


さて、マーケッティングは、おいといて……、


個人的には、ケーキ屋さんのウインドウではウキウキ感を楽しみたい。

ケーキを食べるという事は、日常の中にあってもその瞬間は『ハレ』。選ぶ時はその前段階なのだから。お楽しみは長くあったほうがいいに決まっている。ウキウキのあとで美味しい!のがいいなぁ。


その点、手作りケーキは、作る過程そのものがウキウキ感。ボウルの音、焼ける香り、子供の声など、盛り上がる要素が沢山。だから、食べた時の幸福感が大きい。
それと「空腹は最上のソースである」し。



ケーキ屋さん、パン屋さん、ヤキモノ屋さん……みんな、やきもん屋。

定番路線とやりたい路線とをいかに訴求するかは、どの職種でも共通。
その両方が提示出来ると、お客様満足度が高くなるのだろう。


自分がお客さんだと良く判るけれど、作る立場では、なかなかムズカシイ。


お皿に残ったチョコレートをフォークで寄せて、ひとなめ。

いつもより、ちょっと後味が苦い……。





犬も人間も

2009-06-14 22:03:57 | Weblog
今日は、拙宅のチビッコの誕生日。……人間のちっちゃい方の。

朝から田植えをしている田んぼへ出かけていき、ずーーと眺めていました。
片手にバケツ持って、何してるのやら。(ノビノビしてると言うべきか)

小学校の授業で稲作について学習したばかりで、興味が続いているのだろう。
それと、去年捕まえた『豊年エビ』が捕りたいらしいが……、まだ早い。


番犬福助も、もうちょっとしたら誕生日。こちらは推定の誕生日。

現在、16歳に相当するとか。高校生か……。
でも、やっている事は、ガキンチョの頃と変わらない。
動物が出てくると吠えないといけないし、夜は、カエルの声に興奮している。
初めて見るホタルも気になるし、最近はウサギにも興味深々。

犬も人間も、新しい発見はそれなりに、あるらしい。


カメラを構えていたら、新しいおもちゃと思ったのか、
人間の子はシャッターを押したがり、
犬はダッシュで駆け寄ってきて、レンズのフィルターを舐める。

ったく!!


旬の魚の名を挙げよ

2009-06-12 00:46:47 | 料理・食材
夕刻、魚屋前の細君からTelあり。
「今が旬の魚の名を挙げよ」と出題される。

いきなり不意打ちの出題に、記憶の引き出しをバタバタと開け閉め。
「アイナメ、アジ、イワシ、ハモ、アナゴ、カツオ、キス……意外とカワハギ」と回答。
電話の後で「アレがあったな~」とか「アレを言えば受けたのに…」とか、ひとり反省会。


さて、何を買ってくるか…。

見るとアジ。
内心「ちょっと張りが無いなぁ」と思っていたら、オーブンで焼くとの事。
きっとオリーブオイルを掛けて野菜をのせて……だろう。
オイルを加えてソースがあれば、いい感じかな。口出しせずにおまかせ。

果たして……。オリーブオイルをひいて、アジ、タマネギ、トマト、セロリ、チーズを重ねていき、最後にパン粉。そのままオーブンへGo!


『千代の亀 純米吟醸(生)』を冷蔵庫から出して、焼き上がりを待つ。

アジは、ふっくらと仕上がり、箸で摘む場所によって違う味が楽しめる。なかなかに美味しい。セロリ、バジルの香りも華やか。
発見は、アジの代わりに厚切り牛肉で同じようにしても美味しいかも…というイメージ。

お酒は…といえば、輪郭のはっきりとしたピンと立つクリアな口当たり。トマトにもチーズにも負けない。香りのくすぐりが少ないので、食べながら呑むのにはいい感じ。あと口を引かずに洗われるような感じが好ましいなぁ。
韓国料理に合わせるとお互いが引き立つだろう。

食べている途中で「写真でも」と思いつき、数カット。そして何事のなかったかのように、すぐに晩酌再開。


脂のある魚にトマトとチーズはいいなぁ。そして、キレのあるお酒も。

組み合わせに納得できた日は、つい呑みすぎるのが難点。


鉄に木を接ぐ

2009-06-10 09:25:57 | Weblog
普段、窯の周りには割り木が積み上げてあるけれど、窯焚き後は、その割り木が無いのでブルーシートを張っている。風除けと雨よけと目隠し。

このブルーシートが劣化すると、途端に殺伐とした風景になる。これが嫌でシートを白、シルバー、緑と変遷してきた。
しかしながら抜本的に色はともかく、風が強い時や大雨、台風ではヒモが切れたり、ちぎれたり…と、何かと安心できない。


そこで、梅雨入り直前にホームセンターで波板がセールになるのを待っていた。
そして先日、その日が来た。ほぼ半値で仕入れる。
その他の材料は既に調えてある。といっても、柱はその辺にあったもの。桟は近所の建具屋の親方の所から。

問題は、鉄骨にいかに取り付けるか…?である。
恥ずかしながら、小生、溶接は出来ない。

鉄骨に針金グルグルは、スマートでない。鉄骨に穴を通して、木をビス止めにする。相手が木なら何とかなる。

本来ならば、電動ドリルなど大きなものでいくのだろうけれど…。インパクトドライバーで打撃が加わらないように注意して、ドリル先が焼け付かないように、オイルを噴きつけながら……。意外と簡単に穴あけ終了。

あとは、鉄に木を接ぐ。
「木に竹を接ぐ」だったか「竹に木を接ぐ」だったか…と逡巡しながら作業。

一人でまっすぐ取り付けるのは難しい。何とか終了。


機能的に明るさ確保の為に、半透明の波板にしたのは良いけれど、反面、あり合わせ大工のいい加減さを露呈している。美的にはダメ。

カッコわる~~。┐(-。ー;)┌

針金グルグルと大差なし…。残念。

野良ウサギ

2009-06-08 21:40:25 | Weblog
先日、沢山のコロコロとした動物の排泄物を発見した。シカにしては小さいし、タヌキにしては形が整っている。
何かな?とは思ったが、さほど気にも留めていなかった。

そして、ごく最近になってその主が判った。
でも臆病で、なかなか写真が撮れない。

外に出ている時にもカメラを傍に置いて準備。
写真と仕事のどちらがメイン?という状態。なんとなくいつもキョロキョロ。

そして、やっと撮影成功。


それにしても、ウチは『野生の王国』か? ┐(-。ー;)┌