備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

風邪継続中

2010-04-30 08:29:27 | Weblog
風邪をひき始めて、早2週間。
未だ風邪の症状からは完全には抜け出ていない。なかなか手強い。というか加齢による抵抗力ダウン?

市販薬から始まり、処方薬、アルコールほぼ抜き(時々呑んだ)、生姜湯、葛湯、黄ニラ雑炊……。珍しくお医者様にお伺いしたぐらい。
結構、自分では『患者様』対応なんだけどなぁ。直らない。
季節外れの風邪はしつこい。

窓の外では、鳥が啼き、花咲き乱れ、蝶舞う陽気。
「なのに……あぁ~、私だけ…。」というほどの大げさなものではないけれど、スッキリ爽快には、ちと遠い。


風邪ひき中にも季節は進む。雑草の勢いも日々増していて「草刈りせんとなぁ~」と思って、玄関先をキョロキョロしていると柑橘系のビビットなイエローが目立っている。

「コイツハ、何ダッタッケ?」
記憶を辿ると……、『年越しのレモン』だ。となると『木成り完熟レモン』だな。


でも今は取らない。

水分が無くて、バサバサなのは目に見えている。
他のミカンと足して、『木成り完熟レモン入り・マーマレイド』も良いかもね。
もうちょっとあとで採集して、完治後の楽しみに置いとこ。


あと一歩で、風邪が抜けそう。

今晩の窯焚きお手伝いも万全の体制で迎えんとなぁ~。

草食系じゃなくて…

2010-04-25 09:26:16 | 陶芸
今更ですが、小生は備前焼業界では『装飾系』です。
ちょっとアクセント的な加飾を入れる傾向があります。
お皿のリム、マグのハンドル、花入の共手、急須の摘み、透かし模様……。


今回は、「ちょっとやり過ぎ?」という新しいシリーズ。
でも、お客さんからのレスポンスに若干の手応えがあったりして、将来性を探っています。


これは、ロクロ成形の後、ひたすら全面を彫刻します。
最初は部分的だったのですが段々とエスカレートし、遂に『全面彫り込み・重複模様なし・限定30客』というラインナップになりました。

こういう立体感ある模様に自然釉が掛かると、掛かった灰の厚みの違いで、模様が透けて見えるようになります。丁度『青白磁』のような感じ。こういう自然釉の扱いも結構好き。

模様そのものは、「土俗的な雰囲気にしよう」と思っていたので、そういう系の模様を抽出&再構築。
須恵器の壷の内側にある『青海波』の叩き模様から。


作っている時は、深夜に黙々と修行のように彫っていました。

作業風景は、『装飾系』というよりは『僧職系』って感じです。(このオチは、寒っ!)




燃料から芽吹く

2010-04-24 08:59:56 | Weblog
「よぉ~雨が降りますなぁ~」と思いつつ、割り木置き場に目をやると、先日の伐採木無償配布で貰った柳の木が芽吹いている。燃料が芽吹いてどうする?

この生命力をもってして、あの繁殖力か。
さもありなん。

これらを敷地の境界線にそって並べておけば、たちまち柳の並木が出来るに違いない。
しないけど。


以前、クヌギの切り株をアチコチに、ポツン、ポツンと置いていて、接地面が腐り始めた頃に見ると、クワガタやらカブトムシやらがワシワシと居たことがあった。

「近所のガキンチョにあげれば、小生の株も上がるか?」と思いきや、こんな田舎のガキンチョでも「虫が怖い」と言い出す始末。

ハァ?……( ̄□ ̄;) 小生の幼少のみぎりには考えられんセリフ。

あとで来られたお客さん(アラフォー♂)にあげると凄く喜ばれた。だって、特大ヒラタやミヤマが大量だったしね。
まぁ、外国産クワガタが大人買いされている事を思えば、納得か。

ガキンチョは、カードかゲームで『紙』でも集めとけ。ったく……
(……そういえば、小生も切手を集めてた事もあったっけ)


さて、柳から芽吹いたとて、如何しようか?

どうにもなぁ……。放っとこ。


椿事! 珍事…。

2010-04-20 08:32:34 | Weblog
まぁ、なんと!
細君の『各種寄せ植えスペース』から、タケノコが。
ここ数年、竹林はイノシシに散々やられていて、タケノコが口に入るとは思ってなかったので、ちょっとオドロキ。
春の椿事!

隣りの竹林からの先発隊。
当然の如く、その日の夕飯には食卓に上がっていただく。
タケノコご飯、グッジョブ。


タケノコを掘り起こした後、しっかりと地下茎を抜いたけれど、全ては取りきれなかったので、将来に禍根を残した可能性大。
竹は始末が悪いなぁ。


さて、意外な出来事といえば『風邪』をひいた。冬ひかなかったのに、今さら。
春の珍事…。

先日こられたお客様が「風邪がヒドイのよ」と言っていて……、お気楽に(移ると思わず)長々と話し込んでいた。
帰られてから急に、オカン…じゃなくて悪寒が……。(関西人の常套句ですな)
しかも、声がでない。

久しぶりに、葛根湯やら生姜湯やらの味比べ大会の様相になっている。
葛根湯は『ツム○』の処方薬が美味しいな。


一方の細君は、晴れたら花粉症。


ウチは今、『目病み女に風邪引き男』の揃い踏みです。



あながまの備前焼 山二屋

2010-04-18 12:46:36 | 展覧会・ご案内
アチコチからネット販売についてお問い合わせを頂きながらも、全く出来ていなかったのですが、遂に始めることに致しました。
まだまだページに不備があるかもしれないので、静かにオープンです。
ちなみに看板も仮設置です。

ショップは、『あながまの備前焼 山二屋』です。http://bizen-watanabe.com/

店名の『山二屋(やまにや)』は、父方の実家の屋号です。
かれこれ14代続いていますが、とりあえず、勝手に頂いときました。

親戚一同様。 m(_ _)m  

ご先祖様へ。 ( ー人ー)|||~~~ ナムナム



という事で、ネット関連は、

・HPの『備前焼 渡邊琢磨

・ブログ(ココ)の『備前焼 やきもん屋

・Web-Shopの『あながまの備前焼 山二屋

・その新着ブログの『あながまの備前焼 山二屋 新着情報!

・若手備前焼作家のグループブログ『けらもす』(毎週火曜日が担当)

となります。

(何だか、多いぞっ!!)



「いったい何者ッ?」って感じですが、自分でも何故こうなったのか不明です。
これがライターさんなら売れっ子?

ショップ以外は時間は掛からない(晩酌がてらチョイチョイ)と思うので、良いのですが……。

それにしてもネット環境に応じて順次始まった結果ですが、自分自身のブランディングの無さにあきれるラインナップです。消費心理学・広告学・マスコミ概論で学んだ事が全く活かされていません。「いつかキチンと……」って、しないままになりそうです。
リアルとバーチャルの使い分けは出来そうですが……。

『備前焼やきもん屋・渡邊琢磨』こと『山二屋・なべちゃん』をヨロシクっ!(長いわ~)



●下記のサイト様は、以前からお世話になっています。

備前焼わかくさ様 http://www.bizen.biz/

名産品・特産品の“岡山堂”(晴れの国 おかやま)様 http://special-product.com/

合わせてよろしくお願い致します。


今回の……

2010-04-16 09:11:38 | 陶芸
窖窯(あながま)は、酸化焼成を狙って焚きますが、実際の窯の中では酸化・還元の雰囲気にバラツキが出ます。
その範囲を想定して、酸化に適した土、還元に適した土と粘土を使い分けます。
従って焼きあがったモノは、バラエティーに富んだ発色をします。

今回は、窯の最後列を還元気味にして焚いたので、連房式登窯の焼成のような発色になっています。
連房式登窯なら当然の発色でも、窖窯では、ひと工夫必要になります。
このあたりが、窖窯の難しくも楽しいところ。


時々、都合で予定外の窯詰めをした結果、「おぉ~?」という事になることがあります。
それが、残念な方向だったりウキウキする方向だったりイロイロ。

問題は想定外でも「いいなぁ」と直感するものを、ベストで止められるかどうか?という事。

手の中の女神の微笑みが、一瞬のうちに霧散する事はよくある。
その直感で感じた状態を、もれなく掬い取るのがセンスなんだけど、これが一番難しい。
センスも才能の一部。

ロクロなら「いつ手を離すか?」だったり。
窯焚きなら「いつ止めるか?」だったり。


『上手く作る』『上手く焚く』事は大事。
と同時に、『上手くやめる』事も大事です。

特に、窖窯は……。ね。

観光気分で

2010-04-14 00:46:37 | Weblog
配達を兼ねて倉敷漫遊。大義名分の仕事が済んだ後は観光です。

足の向くままアチコチの露地に入り込んでみる。
普段出会わないようなお店を眺めつつ歩く。
マニアックなお店、外国人オーナーのお店、完全に自己満足パラダイスなお店など。


知り合いのいるギャラリーを覗くと、これまた知った人が展覧会(陶)をやっていて、本人不在ながらも、しばし談笑。
POPな色絵炸裂。そして圧倒的数量の仕事量。
一見、乙女テイストなのに、実はパワフル。すっかりやられてしまいました。


どこかの露地から入った喫茶店で、コーヒーをゆるゆると。漆喰壁をバックに散る桜を眺めつつ……。
クラシカルな作りのお店で、トーネットNo.14(復刻?)の椅子がズラーっと並び、カップはアラビアだったかな? 
観光地特別価格も止むを得ないか……と。

曇天にて少し肌寒く、観光客が少なかったのでウロウロするには良い感じでした。


備前との観光行政の違いを感じつつ、山へ帰りました。


You don’t have to be a Rockefeller to collect art

2010-04-11 20:26:53 | 陶芸
最近見て、良かったもの。

『Herb & Dorothy』。(画像はpress用をDL)

日本での公開が未定のドキュメンタリー映画ですが、世界各国の映画祭で合計5つの最優秀ドキュメンタリー作品賞と観客賞を受賞した映画です。監督は、佐々木芽生(めぐみ)さん。

こちらでトレイラー(予告編)が観られます。(英語・字幕なし)


内容は、『NY在住のハーバート&ドロシー・ボーゲル夫妻が、こつこつと現代アート作品を買い集め、世界的コレクターになっていく』という実話です。

コレクターといっても富豪ではなく、郵便局員(夫)と図書館司書(妻)の夫妻です。

妻の給料で生活し、夫の給料はアート作品の購入に費やされたとか。
現在、80代後半になった夫妻の日常を追いながら、多くのアーティストのインタビューを中心に、夫妻の人生を辿っていく作りになっています。

登場する顔は知らない方が多いのですが……、時々、知っている画風の作品が見えるとちょっと嬉しくなります。セラミック関係は特に。
クリストが喋っていたり、キース・ヘリングもチラッと見えたりします。


夫妻のポリシーは、
『自分たちの収入で買える作品』
『NYのアパート(1LDK)に収まるサイズ』
『転売しない』

なので、アパートは作品で溢れかえり、後年、所蔵品をナショナル・ギャラリー(美術館)に寄贈した時の搬出で、トラックが5台分必要だったり……。(作品点数は2000点以上とか)

その新婚から住んでいるアパートで、現在も年金生活をしているところが感動モノ。
それを踏まえての最後のメッセージが良かった。

You don't have to be a Rockefeller to collect art.

誰でも美術作品に触れ、所有することが出来るというメッセージ。
価値は価格だけでないって事も当然だし、アートが富豪だけのものでないという事。


二人が手に手を取ってお互いの体を支えあいながら、美術館や画廊に出向く姿が、実に良い感じです。
普段着の彼らと業界人との(あらゆる意味での)ギャップも考えさせられます。


「鑑賞者側にも製作者側にも刺激になるのではなかろうか」と思います。


まだ、公開予定が立っていないそうなので、(日本語字幕版はあるらしいですが)
「画廊や映画館での企画でいかがでしょう?」と、独り言。


予告編を是非。



今回の……

2010-04-10 12:39:50 | 陶芸
結構長く続けている『実の形象』シリーズ。
これは、初期タイプに近いモノ。通称 『 葉っぱ付き 』。

特定の実をモデルにしていないので、「何の実?」と訊かれると「南方系」とだけ答えます。
しかしながら、齧った歯形があるので食べられるのでしょう。


開いている穴に小さな野の花を挿せます。

という事で、「誰かが齧って、ほったらかしにしていた実から花が咲きました~というイメージで作りました」という一言を添えることにしています。

メルヘンですなぁ~。(作り手に似合わず……。)


この『実の形象』シリーズは作っていても楽しいので、イロイロ作っていくうちに、遂に100種類を越えたので、過日行われた個展で一気に発表しました。
それで個展タイトルを『百‘果’展』にしていたという訳。


大体みんな、手のひらサイズです。
ちなみに、今使っているPCまわりには、何故かピーマンタイプが……。

まっ、ちょっとしたテーブルのオブジェです。 (^。^ゞ


今回の……

2010-04-09 12:08:12 | 陶芸
満を持して、『今回の……』。

恒例の窯出しご紹介を、忘れていたわけじゃありません。(←言い訳)
「忙しかった」という表向きの理由です。
チョットづつご紹介していきます。

思い起こせば『やきもん屋』のブログですから、ヤキモノの話も……。(だから…忘れていたわけじゃぁ…。)


まずは、ハンドボールぐらいの大きさの花入から。

備前焼では、昔から野菜の名前が付く事があります。
蕪、辣韮、芋、阿古陀(瓜)、茄子……。

これは蕪の形に、ランダムな面取りをしています。
ちょうど皮剥きの途中のよう……、なので、名前は『備前面取蕪花入』。まんまやなぁ。


個人的には、このランダムな面取を『はつり』と呼び習わしています。
石切り場などで石を『はつった』ノミ跡のような雰囲気を持っているので……。
または、ランダムな面取を縮めて『ラン面』とも。まんまやなぁ。

自分だけに判る隠語です。スケッチブックなどの覚書きに書いてあります。

他には、フニフニ、杉綾、かぶせ、南蛮鎬、絞り、⑤、⑥、⑦、ティルジャガとかありますが、他人には「なんのこっちゃ?」ですし、技法は訊かれると恥ずかしいので言えません。(書いてるけど……)

『備前面取蕪花入』の場合には『風土・ラン面・首ラインあり』とあります。(意味は訊かないで下さい)


さて、今回の……。
特徴は、コントラストのハッキリとした発色。
向きによってかなり景色が違うので、花がある時、無い時で、使い分けが出来るかと思います。

個展でお買い上げいただき、「可愛がってもらえよ~~」って、送り出しました。

写真だけが手元に残っています。


さて、次のご紹介は何にしようかな?

(おぉ~、陶芸ブログみたいになってきたぞ~~。 ←いまさら)