今回の個展では流雫(るな)シリーズを始めています。それらについて少し……。
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さて、これまでに伊部手(黒備前)に対して素材のテストした。
そして、次は技法のテストを始める。
自分の絵画センスは甚だアヤシイのだけれど、かつては音楽の趣味として不協和音、変拍子、十二音技法、無調性などが好みであった。
その所為なのか、抽象画は好きな部類である。
無釉焼締めの景色もいわゆる抽象画のようなもの。やはりここは抽象性を目指すのが自分にとっては自然なのだろう。
絵唐津や志野ではなく、ジャクソン・ポロック氏のpouring、河井寛次郎氏の打薬、弥七田織部のテイストを無釉焼締め陶でするという事。
自己内面的には、これまでの象嵌文様のカウンターであるのかも知れない。
手元には『自家製 備前産ベンガラ』と『備前産一次粘土』がある。
黒と白。「いかに使うか……」と、考える間もなく手が動いていた。それも衝動的に。
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◆テストピース製作◆
塗り分け。ベンガラの濃淡による発色の検証。
「焼く前の秋色コーデっぽいのん、エェなぁ~」とは思うけれど、そうはならないのがヤキモノである。
焼き上がり。
鉄以外の金属もあるのだろうな。キラキラも出るぞ。
これはこれで、良き。
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◆テスト色々◆
焼成条件を変える。
ベースの土を変える。
いやはや面白いな。
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ちょっと迷彩柄っぽくもある。
ちなみに迷彩柄は4色構成が多い。それが数学の4色問題に関係するのかは知らない。
今ある素材での発色は『素地の地色、ベンガラ、泥漿、自然釉(ゴマまたはヒダスキ)』である。
ちょうど4色ぐらいの数。
さてさて、これに焼成条件や火の走りも入れると無限の組み合わせであるなぁ。
いやはや大変だが、楽しみ。
……という事で今後も続けるべくシリーズ化します。
そして、最後に恒例のCM~~~~~~~~~。
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◆流雫シリーズは下記で展覧中◆
タイトル : Sturm und Drang 2020
会期 : 6/26(金)~7/1(水) 11:00~19:00
会場 : 備前焼ギャラリー夢幻庵 銀座店
〒104-0061 東京都中央区銀座5丁目6−10
TEL 03-3289-8585
※在廊しませんが、会場からZOOMでウチと繋いでお話できるようにしています。ご希望ありましたら是非!
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世界的厄災によって、価値観やスタイルの変更が急激にもたらされた。
疾風怒濤吹き荒れる時ではあるが、新しい何かが生まれるタイミングでもあろう。
そのタイミングでシリーズ化した『流雫(るな)』。
実験考古学的に始めた素材考証だったが、一気に新たな技法となった。
でも、それも良いと思っている。 Sturm und Drang
ただし、願わくば「月が綺麗ですね」とサラリと落ち着いて言える心情は持っていたい。
『流雫』シリーズ。今後ともよろしくお願い致します。