備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

第2回 ふるさとあっ晴れ認定委員会

2015-08-31 12:46:22 | Weblog


昨日は、オフィシャルなお仕事。

来年4月からの『晴れの国おかやまデスティネーションキャンペーン』に向けての『第2回 認定委員会』でした。
●詳しくはコチラ


岡山・備後エリアでは有名だけど、じつは県外では知られていない『えぇとこ・えぇもん・うめぇもん』を『吉備之国くまなく旅し隊』が探し出して、『ふるさとあっ晴れ認定委員会』が認定します。
選ばれた逸品は岡山駅(新幹線改札内)の『ふるさとキューブ』という特設店舗で販売されます。現在は『第1回』で認定されたものが並んでいます。また『1000円以上のお買い物で入場料キャッシュバックあり』です。


はい、沢山の固有名詞だらけですが、まだ、あきないで……


さて、昼過ぎに会場入り。
試食があるので、味覚を研ぎ澄ますべく昼食は控えて軽いブランチで臨む。「空腹過ぎてもいけないし、満腹でもいけない」と自分ルールでいざっ!
事前にお酒のランナップが多いことを知らされているので、お勉強も楽しみもありつつ。

今回のエリアは、真庭市と新庄村でした。
中国山地に近く林業、乳製品が充実し、蒜山高原、湯原温泉などの有名観光スポットもあります。

自席から。

プレゼンを伺いつつ試食していて、写真は撮り損ねました……。


働きもののキャラクター『くまなく』。肉球はモモとマスカット。


認定メンバーはメディア界、シェフ、女将、女優、アーティスト、杜氏、それぞれの業種で活躍されている方々ですから、コメントにも「なるほど!」と刺激があります。
チーズに蜂蜜をつける事での激変ぶり、海外シェフの器の使い方例、お酒の温度と貯蔵との関係、女性目線のデザイン……。
審査しながら勉強してます。


さてさて、厳正なる審査の結果、選ばれたものはまた報告致します。




【追記 2015.9.2】

メディアに結果発表されましたので、あっぱれ大賞を記載。

湯原温泉
郷原漆器
GOZENSYU 9 NINE (日本酒)
リコッタ・フレスカ (チーズ)




続々と……茶の湯イベント

2015-08-20 20:26:34 | Weblog


「ヤキモノを生業に」と思い定めた学生時分にお茶を習い始めた。しかし、備前に来た直後にお茶の師匠が亡くなり浪人状態。と同時に「ビタミンCに弱い」という決定的な弱点が露呈する。
次第にお茶から疎遠になりつつも、血脈からか茶室・茶庭には興味があり、付かず離れずの関係性で遠巻きに眺めるのみ。さりとて実際に茶室を作るべくもなく、転じて現代アートとして「いつかはやりたいリヤカー茶席」と虎視眈々として構想を温めるや幾星霜。
意義に共感してくれるメンバーも現れ、紆余曲折ありつつ周りの皆様のお陰をもって遂に現実のものとなり、今、運用出来ている。本当に感謝。
そして今もなお、想像以上に皆様が楽しんで頂けているのが嬉しい。ここへきて「な~ん茶ってな『リヤカー茶人』もよきかな」と思っている次第。出来て良かった。

以来、『瀬戸内国際芸術祭2013』を始めとして、お茶に関わるイベントやお茶会に参加することが増えてきた。


今年だけでも……、


●5月はお客さん。
『備前大茶会2015』で大井戸と光悦2碗、織部の茶杓が印象的な濃茶席。

薄茶席では軽ワゴン車を改造した茶室へ。亭主曰く「リヤカーに負けじ」とも。嬉しいねぇ。また、相まみえましょうぞ。


●6月はお点前さん。
岡山市内で開催された『ひがしやま備前焼市』にてリヤカー茶席を出す。

限定プレミアムチケットも用意。特別なお菓子とお茶、掛け軸から茶碗まで道具全てを『人間国宝尽くし』でありながらリヤカーで……という「凄いんだか、何なんだか?」というギャップを楽しんで頂けたなら幸い。

お手伝いでは、『あやめ茶会』に関われた事が素晴らしかった。

早起きして『伝・尾形光琳の燕子花図』を独り占めで悠々と拝見。楽代々の茶碗、真葛の香合を今も思い出す。


●7月はお客さん。
岡山の路面電車で『納涼茶会』。

夕方ながら熱気冷めぬ電停から路面電車に乗りこむ。涼を凝らした設え。知人も多く楽しめました。


裏千家青年部の皆様の機動力に目を見張る。日々の鍛錬や、さぞかし。


電車が揺れるたびに、お点前さんとお客さんではヒヤヒヤとニヤニヤの違いが交錯する。双方いと楽し。


七夕だったなぁ。どうりで織姫ヘアースタイルの方も。


●8月はお点前さん。
山陽新聞社の本社中庭にて『リヤ茶』を開催。

準備万端にお膳立てしてもらって、当日は揚々と茶筅を振るだけのポジション。素晴らしい&有難う。
但し、氷水で冷水点てなので「溶けろ~~」と念じつつ。日差しがきつければ自分が溶けてただろうな。当日は曇天で良かった。通り掛かりの方々から注目され、質問も多くて結構忙しかった。


真夏の街中でありながら爽やかな環境。ビル風の中、自服にて。


床は見立てで。世界的彫刻家の作品と『晴れの国おかやまデスティネーション・キャンペーン』の幟を軸代わりに掲げる。どこでも設え可能なのが強みという事を再認識。
リヤカーの引き手に吊った備品の風鈴が売れてしまうというアクシデント(?)にニヤリとする。但し、拙作にあらず。


こうして見ると春以降、ほぼ毎月お茶に関わっていましたねぇ。


そして、
●9月は……。

満を持して『へうげもの』にいよいよ参戦。
勝手に古田織部没後四百年シリーズ『へうげOH!茶湯(ちゃのゆ)2015』(SHUHALLY+『へうげもの』presents)です。
(クリックで拡大)
全国から、へうげたる茶人が集まるフェス茶。サマソニやJazz Streetにも負けぬ熱気を予感しています。

備前からは初参加との由。「備前のへうげをご覧じろ~~」という気概にて参上。 9/28(土)、29(日)横浜・三渓園にてお会い致しましょう。


あっ、茶碗作らな~~。





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タイトル : 『へうげOH!茶湯(ちゃのゆ)2015』 詳細【FBページ】

日時 : 2015年9月26日(土)・27日(日)
会場 : 横浜・三渓園
       神奈川県横浜市中区本牧三之谷58-1 鶴翔閣 白雲邸

料金 : 5,000円(一日券・全席に入れます)   SHUHALLY公式サイトで好評発売中

 ●26日チケットはこちら

 ●27日チケットはこちら



※ 両日ともチケット枚数に制限がございます。オンライン決済につき、キャンセルできません。(なお、当日現金払いご希望の方は、事前予約の上SHUHALLYまでご連絡ください)
※ 一日券は当日のみ有効です。二日間通しでご入場くださる方は、チケットを両日分お求めください。
※ 一日券で当日全ての茶席にお入りいただけます。ただし、席によっては予定数終了に伴い、入場をお断りする場合がございます。あらかじめご了承ください。


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●参戦茶人 : 濃茶席、薄茶席、立礼席、茶箱席、野点席など (予定・順不同)


SHUHALLY (横浜)
SECONDGRID (広島)
備前楽茶 (岡山)
陶々舎 (京都)
給湯流茶道 (東京)
しもきた茶苑大山 (東京)
農友閑人 (東京・東京農大)
T'sストーリー (東京・成蹊大学)
カマーソニック (岐阜&東京)

いさ珈琲 (東京) ※26日のみ
清品茶房茶通 (東京) ※27日のみ

and more! 流派・流儀にとらわれぬ独立系茶人がさらに参戦予定にて候。


●詳細はこちら。【FBページ】






萌えじゃなくて……

2015-08-08 16:04:13 | Weblog


先日、豊橋電鉄でのイベントの時。路面電車運行折り返し地点が操車場であったので、トイレ休憩を兼ねた時間が『大人の社会見学』状態になりました。
普段入れない場所ですから、キョロキョロと。

整理された工具類に、「流石、プロの現場ですなぁ」という素直な感想が出ます。


大容量の電気を通す太い電線と大きい碍子(ガイシ)。

しかし特に古そうに見えないので伺うと「前に倉庫が燃えたんよね」と。
あっ、どおりで……。


見慣れない部品関係はサッパリ判らないながらも興味を惹かれます。というか完全に「萌ぇ」。( ←既に死語?)
え~~と、最近では、「あぁ^~こころがぴょんぴょんするんじゃあ^~」ってやつですかね? ( ←俄か仕込み)


たぶん、モーター。


たぶん、ブレーキシュー。


何かをプレスする機械かな?



くぅ~~~~~~~~。
オイラのスチパン魂に火がつくぜっ!

色々と参考になりました。 m(_ _)m
ということで、また作りたくなってきたなぁ。『スチームパンク シリーズ』( ←これでシリーズ化決定か)

例えば、こんなのとか。

『ミライノカセキ』

歯車もリード線もぴょんぴょんするので、製作に時間が掛かる。その上『男子絶賛・女子置いてけぼりシリーズ』なのが経営的に悩みどころ。いやはや。
しかし、ガンプラもそうだよなぁ。……という事は、大丈夫か?( ←何が?)
ここは「人類の半分ぐらいは男なのだ!」という気概で臨むべしだな。きっと。


作るぜっ! 


(是非、一家にひとつ『スチパン備前』をよろしくお願い致します)




【蛇足】
・・・・・・・・・・・
●スチパン (スチームパンク、steampunkの略)

蒸気機関の発明によってもたらされた機械の発達、産業革命が、その後、電気、ガスなどのエネルギーにとって代わられなかった未来は一体どうなっていたのだろうかというSFジャンルのひとつ。
日本では、『未来少年コナン』『天空の城ラピュタ』『ハウルの動く城』『スチームボーイ』『AKIRA』『鋼の錬金術師』 などの時代錯誤的ガジェットが登場する作品に象徴される。

サイバーパンクから派生したサブジャンルとされているが、隣接ジャンルとしてディーゼルパンク(ディーゼル機関)、クロックパンク(歯車、ぜんまい)、エレクトリックパンク(真空管、電線)などがある。

拙作では『ミライノカセキ』シリーズが相当……するハズ。




















天然の青 と カミシモ

2015-08-05 17:15:00 | 料理・食材


お寿司屋さん@伊部にて、ご馳走を頂きつつ鼎談していた時の事。

大将:「今日は天然の青が入ってます」
我々:「白焼きが良いです」「じゃ、三人分。山葵多目で」 (小生:うっっひょ~~い)


『天然の青』とは『児島湾産・天然ものの青ウナギ』を指します。これが冬場なら『天然の青』が『天然の青首(マガモのオス)』だったりしますが、この場面ではウナギ一択。
こういう時はマゴマゴしてはいけない。美味しいもののチャンス到来には丁々発止の勘働きが必要。すかさず、しっかり、ちゃっかりと頂きましょう!

『天然の青』は岡山の食材として誇れるもののひとつ。「海、汽水域のウナギは美味しい」と広く世間で言われますが、それに加えて児島湾ではアナジャコ(シャコとは別種の甲殻類)をエサに食べています。きっとこれが美味しさに繋がるのでしょう。
初めて頂いた時は、見た目よりサラッとした脂、馥郁とした立体感ある香り、口の中でひたすらに渦巻くような滋味そのものに驚いたものです。「うんまい!」の一言。
ちなみにエサであるアナジャコの唐揚げも乙なものであります。雰囲気としてはソフトシェル・クラブならぬソフトシェル・シャコと言ったところですか。


さてさて、程なくして大将が「ウナギは尻尾側が旨いので、目上の方には尻尾側を出す方が良いって聞いたんですけど……本当?」と言いつつ持ってこられました。
食に信頼の置ける同席の面々は「うん、うん」と頷く。これを知らないのは小生のみ。
「へ~~」と思っているうちに「どうぞ、どうぞ」と譲られました。「あっ、スミマセン」と頂戴しました。こういう時に遠慮しないのも鉄則。だって、知らないんだもん。

落語の中で「秋刀魚カミシモってぇのはあるけれど、三等分して頭ってぇはねぇ…」という事をカウンター気味に思い出していました。(ちょっと違っ)


頂きつつ伺うと「大きいウナギを蒸さずに焼く場合、頭側は脂が多過ぎるのでサッパリと頂ける尻尾側が美味しいんだよ」という理由のようです。「あと、脂が多いと焼きの上手い下手がかなり出るよ」とも。
「ほほぅ、そういう事か」と皮目のパリパリ具合を楽しみました。頭側メンバーも「美味しいねぇ」と。大将GJ!
ノンアルでしたので、ありがちな「酒で脂を流す」という事態にならず、確かに身の味がよく判りました。多過ぎる脂でワサビが中和されて双方の香りが飛ぶという事もなし。ふむふむ、成る程。

ただ、本職のお寿司屋さんが提供の仕方を迷うという事は世間には認知されていないのでしょう。やはり頭側は主賓という感覚か……。
宴席でも魚の切り様でもカミシモある場合、お店は気を使いますねぇ。お疲れ様です。


今シーズンは、『天然の青』チャンスは2回到来しました。有難いことです。

前回は、うな重で。「青あるよ」「じゃ、それで」
ウナギ好きの細君が黙りましたねぇ。


さて、皆様。
東京あたりなら味に驚く以前に、鼻血が出そうな価格の青ウナギです。今日あたり『土用二の丑』ならば最高かと。
という事で、岡山に来られた折には是非ご賞味あれ。「岡山=青ウナギ」と覚えていても損は御座いません。チャンスには『備えよ常に』です。

尚、お会計は『食べ放題、払いたい放題』で心行くまでどうぞ~~。

また、ご相伴につきましては随時ふたつ返事で承っております。こちらも合わせてご利用頂けると幸いです。スタンバイOKですよん。 ( ̄ε ̄)~♪















『備前焼×フレンチ』 @豊橋

2015-08-04 12:58:12 | Weblog


昨日は、愛知県豊橋市へ日帰り出張。

民間運営ながら「市電」と呼ばれる地元愛の濃い路面電車『豊橋鉄道』のイベント『開業90周年事業』へ参加。
岡山の路面電車と姉妹提携している関係で、このたびのイベント『岡山・備前焼 × 豊橋・フレンチ』が開催されました。

過日、岡山で『お電車』=『おでん車』=「路面電車で豊橋おでんを楽しむイベント」があり、今度は豊橋での開催という運びです。
一日一往復だけの限定運行。レアです。エンブレムもしっかりと装着。

それを狙ってか、路線際には撮り鉄さんも多数いらっしゃいました。


さて、朝5:30に家を出て伊部経由『同業二人』となり、一路、東へ。三木SAで朝食予定のパン屋さんが「開店前じゃん!」という前のめりなスケジュール。
アレコレ話をしている間に豊橋到着。30秒程打ち合わせをして乗車。

電車に乗り込むと、地元食材のフレンチがずらりと!

綺麗な料理と備前焼の渋い色との対比。

拙作も。

備前焼のアースカラーと馴染んでいます。


出発前にはレセプション。


関係各位のご挨拶、シェフのメニュー説明、報道関係……皆さん、乾杯前にてウズウズ。(ビールが飲み放題なので)
地元呑ん兵衛のお歴々が、天井にある揺れず鳴らずの備前焼風鈴を睨みつつ「いまや遅しっ!」と期待値が高まったところで「しゅっぱ~~つ!」の声。

一気に、拍手!! ( ←こういうのは何処でも一緒ですな)
もう乾杯の声だか、鬨(とき)の声だか。


で、「YOUは何しに豊橋へ?」ということですが、備前焼についての説明をしに。電車の中央で独演会?

軽いアルコールの席なので、軽妙なトーク……いや、単なるくだけたトーク……いや、トークが砕けて……それでも、最後は「何でも質問して~~」という時間で賑やかしを。
お客さんの興味具合を見極めつつ、話の盛りでスパッと終了すると、個人的にまだまだ興味がある方々から大声で質問攻め。賑やかしい状態が続く。
もう、最後には「今度、団体旅行で行くから!」

かくも楽しく、普段は入れない操車場にて折り返し。


小生もこの機会に記念撮影を。



普段、この車両はビール電車として使われていて、なんと市内でのビール消費量が一位という大人気イベント車両だそうな。
チケットは即日完売という地元民ラブな恒例イベント。ということで、乗っている人、見送る人、運行している人がみんなニコニコ。
訊けば、この車両は還暦とか。そうは見えないメンテナンス振りに、いかに大事にされているかが判ります。


復路では、お客様から「よっ大将、お疲れ!ビール呑みなっ」という事で、こちらもご機嫌で楽しみました。

時計の針がテッペンを回って帰宅。

旅芸人な一日でした。