備前焼 やきもん屋 

備前焼・陶芸家の渡邊琢磨(わたなべたくま)です。陶芸、料理、音楽、路上観察……やきもん屋的発想のつれづれです。

大根葉の餃子

2019-11-05 20:54:46 | 料理・食材


作物には『端境期(はざかいき)』というものがある。走りと名残りの間に生じる空白期間である。
街中に住んでいるとそのあたりの感覚が希薄になるけれど、「あれ、何か野菜が少ないなぁ」とか「高いなぁ」と感じる頃がそうであったりする。
拙宅周辺では、ちょうど今の時期。まぁ、田舎なのでご近所周りの畑を見れば判るのであるが。

その端境期には、ヒョイっと現れるサポート野菜がある。
先日の『青パパイヤ』などは、沖縄の端境期におけるサポーターであるとの事。

ご近所の畑では冬野菜が大きくなってきて、丈夫なものを選抜する為に育ちの遅いものを間引きをする。
その間引いた葉菜がこの時期のサポート野菜となる。
いわゆる間引き菜。

さてさて、ご近所さんからの到来物である。「間引き菜というには立派過ぎるんやけど……」といって頂いた。
立派な事は良き事であるし、そして、立派な量でもある。
ありがたや~。
(注:間引き菜は、まだ双葉がついているぐらいの段階から採り始めるものではある)

確かに立派であるな。良き。

みずみずしく、茎と葉がシャンとしていて、如何にも「養分を湛えている」という風情。


さて、メニューは……。 う~~ん。 <(-。ー;)>

シャキシャキした歯応えとジューシーさに期待して、餃子にしよう!

大量なので、文明の利器登場。

あとは、あまり水を出しすぎない程度に塩揉みして、練っておいたミンチと合わせて、エッチラ、オッチラ包む。

包んだそばから、ホットプレートへ整列~~!

焼く……。
おNEWのホットプレートの調子が判らず、若干コゲが発生するものの、それでも中はフンワリと。

大根葉に溜め込まれた養分のおかげであろうか。甘味のあるジューシーな肉汁が~~~っ!
最盛期の大根葉での荒々しい筋っぽさが無い。今の時期ならでは、なのかもしれないな。
田舎暮らしの良いとこである。

ムハムハ、ハフハフを繰り返して終了。
非常に満足度の高い一品でありました。

ここ数日、マジメに引き篭もっている成果と致しましょう。


さて、あと一週間はガッチリ引き篭もりますよん。(*^ー')b
























ほぼ妄想ガイコク料理 ~青パパイヤ~

2019-10-28 22:13:03 | 料理・食材


朝、キッチンにゴロンとウリっぽい何かが転がっている。
青パパイヤ。別名、野菜パパイヤとか。

見慣れぬ野菜があると仕入れるのが、ほとんどクセになっている細君の所業であろう。

さてさて、扱った事のない食材である。
これを使った本場の料理を知らない。
「チャンプルにすると良い」とか「サラダが良い」などの助言を頂いたので、それでやってみよう!

『ほぼ妄想ガイコク料理』である。


まずは『ソムタム』とかいう生サラダ? ……らしきもの。

東南アジアの屋台っぽく、俎板を使わずに空中で野菜をカットしてみる。
包丁で叩くように切れ目を入れてから削ぐ。まぁ、笹掻きのような千切りが出来る。

しかし、……うん、危ない! 
ケガをする前に、俎板を使っての千切りに変更する。安全第一!

灰汁があるとの事なので、水に放っておく。

ちょっと齧ってみたが特に青臭い訳でもないな。

ドレッシングはご在宅メンバーで。
ナンプラー、レモン汁、砂糖、胡麻油、胡椒。(体積比順)

これにエビ由来の魚醤が入るとそれっぽい……が、ご不在である。
おつまみのナッツ各種を砕いて投入する。

味を馴染ませてから頂こう。


もう一品は、チャンプルである。
しかし、適切なカット方向と厚みが判らない。.....( ˘•ω•˘ ).。oஇ

縦切りと横切りの2種類にして、厚さはひとまず3mm程度にする。
次回、修正すればよろしい。キリッ。

チャンプル手順は、いつも通り、ザ~~ッと、ガ~~ッと、ガンガンして、ハイ! 出来上がり。

よし!!


サラダ


チャンプル


青パパイヤ自体はメロンのような爽やかな香りがあり、味は至って淡白でクセは無い。
香りを活かすなら生で扱うのが良いのかも。


サラダはドレッシングにしっかりと馴染ませるのが吉、チャンプルには薄くカットするのが吉の様である。
正解の味と姿は至って不明ではあるが、まぁ、いつか本場の味に出会う時の楽しみしておこう。

本来は、葉野菜が不足しがちの夏場に頂くものらしい。
「この季節に……」という事は夏の名残りであるか。

秋もいよいよ深まって参りました。

お楽しみはこれからだっ! ( ̄∀ ̄*)






























鮭の焼き方

2019-10-15 19:09:04 | 料理・食材


日ごとに深まる秋。

魚屋に行くと秋鮭が大量にお目見え。紅色の身に輝く銀皮。すぐ横には筋子や白子が揃い踏み。
生きた実物を見る事は無くとも魚屋で感じる鮭の回帰。

切り身が並ぶ中に脂濃厚な腹身を見つけた。仕事の雑さ故か……部分的にハラスも。掘り出しものじゃん!
「子供ってこういうのが好きよね」と思いつつ、手に取って眺める。
何だか一期一会な気がして購入に至る。

脂が多いので、普段なら買わないかもなぁ。

きっと、これは秋の花粉症の所為だっ! ( ← なんでも花粉症の所為にする今日この頃)


まずは、塩を当てといて……。

さてさて、魚を焼く順番。

皮からか、身からか。
実のところ、これは料理人、漁師、釣り師、料理研究家、主婦、酔っ払いの間で百家斉鳴である。

まずは魚の状態が色々ある。
 ・尾頭付き丸まま
 ・切り身
 ・干物
 ・海魚、川魚

そして、熱の伝え方が色々。
 ・直火の上火
 ・直火の下火
 ・フライパン介在

さぁ、これらの正しい組み合わせは?


普段、我が家ではお決まりの呪文であるところの「鶏皮魚身」で焼く。
つまり『鶏は皮から、魚は身から』である。魚は海魚。


しかるに「今回は如何するか?」であるが、これは、昔年に出会った北海道のおばちゃん流『ハラスの美味しい焼き方』で!
『鮭のハラスは、フライパンで皮から焼く』のが我が習い性である。

  → ※2016.11にハラスの焼き方をお馬鹿丸出しで記事にしている。『生鮭のハラス』

皮から。

焦げ目を確認。

(美味しそうな焦げ目になったらひっくり返すんやで……)とおばちゃんの声が!


身から脂が溢れ、自らを揚げるが如く焼かれていく。
香り、音ともに気分上々である。ウッヒョ~~~~イ。

焼きあがったら、ダッシュで庭の柚子を採りに行く。


醤油を少し垂らす。脂で醤油が弾かれ流れる!
言わずもがなの白ご飯。

秋ですな。


さてさて、フライパンに残った鮭の脂であるが、これは料理の最中に決定済み。

「オレ、これで明日のお昼は焼きビーフンをするんだっ!」
そっとお皿へ集めて冷蔵庫へイン。


楽しみすぎる秋のドミノ倒しメニューやわ。


太るな……。 (これも花粉症の所為やな)
























マコモダケと豚肉の炒めたん

2019-10-11 20:28:21 | 料理・食材


気温が下がってくると出回る食材に『マコモダケ』がある。

過去の『ふるさとあっ晴れ認定委員会』でも取り上げられたことがある。
2016年2月/第4回 ふるさとあっ晴れ認定

先日、出先で見掛けたので購入しました。

しかし、商品名のシールに『キノコ(菌茸)』と。
まぁ、間違っちゃいないが……、ねぇ……。
お客さんに誤解を与えるかもなぁ……。


マコモは、かつて健康法『マコモ風呂』で有名になったアレ。( ← 知ってる人の方が少ないか?)
種子の『ワイルドライス』が通じるか。

マコモダケというものは、このマコモの一部である。
マコモが黒穂菌(こくぼきん)に寄生されて、根元部分が肥大した部分がマコモダケ。
この肥大した部分が食用になる。

という事で、特定の植物名ではなく、菌に寄生された部分であるから……いやいや、やっぱり『キノコ』は言い過ぎだわさ。
菌をメインに食べるのではないからね。


食感はタケノコとかヤングコーンのような感じ。
味は淡白なので用途は広い。
ご存知無き方は、見掛けられましたら是非!


さて、料理を。
本日は中華方面で。

イネ科なので筋張った葉は食べられないので剥く。

剥いてカットする。仕込みはこれだけ。


◆料理名:マコモダケと豚肉の炒めたん

【手順】

 油を熱して、ショウガのみじん切りを入れて香りが出たら、豚肉を炒める。
 豚肉に概ね火が通ったら、マコモダケ投入。

 居合わせたマイタケさんも緊急参加。
 お酒で蒸し焼き状態に。フタ有り。
 水分が飛んだら、オイスターソース、ナンプラー、料理酒、ゴマ油で味付け。
 ガチャガチャっとして、ホイッ、出来上がり。
 仕上げにゴマをパラっと。

ジャ~~~ン!!



マコモダケは、蒸されたことでフンワリと柔らかく仕上がりました。
これをビールにて。ご満悦。


さてさて、まだ知名度が低い食材のようなので、今後如何になりますやら。
まずは、売り場での表記を改善して……だな。

料理法など説明があれば売れると思うんだけどなぁ。

「春のタケノコ、秋のマコモダケ!」てな感じで如何でしょうか?







鹿のアヒージョ 

2018-12-08 16:41:52 | 料理・食材


先日の『鹿のアヒージョ』。

今期、初登場ジビエです。
備前産、未経産のメス1歳。

シカは脂が少ない赤身。
最近は、『脂がしんどいお年頃』であるので、赤身は大変喜ばしい。
獲れたコンディションと年齢・性別によっては、爽やかな香りさえ感じる。

先日、イタリアン・シェフと呑んでいた時に、ジビエの話になりました。
「害獣駆除の有効活用ではなくて、積極的に美味しく食べる工夫をするべきだ」という意見に、激しく頷いたものです。もうムチ打ち気味。
きちんとすれば美味しいのです。野生のものは個体差がありすぎて難しいけど……。


さて、今回使った部位は、ワナに掛かった側の後ろ足の良いとこどりと前足でした。
良い部分を切り出していましたが、いつもより若干アクが出る。なるほどなぁ。

ワイン片手にヒョイヒョイとアク掬いをする。
「いつか無くなるでしょ」という悠長な心構えで。(途中で延々と続く気がしたけど)

アクが無くなったら、ローリエを入れる。
白ネギ、マッシュルームも追加。

煮立たせずに、しばし待つ。火力は抑えて。
あくまでもオイルで『煮る』という事。揚げてはいけない。

アク掬いが終わると、作業がなくなっってしまった。

片手にはワイン。

「ん~~~~~」

……となると、やっぱり焼くよねぇ。・・・・・・仕方ないよねぇ。


スライスした鹿肉をオリーブオイルで浸してから焼くのがウチの流儀。
作業の一番初めに仕込んでおいた。こういう段取りの良さは、我ながら素晴しいぞ。( ← 全く「仕方無さ」がない)

アヒージョとは味を変えたいので、細君管轄のローズマリーを無断拝借する。
香りを纏わせるようにして焼いていく。

焼いた後には、油と肉汁のミックスしたものがフライパンに残っているので、デグラッセする。
日本酒を入れて、醤油、味醂。最後にワサビを溶かし込む。ハーブは使ったが概ね和風の方向へ。


『備前産 鹿のソテー ローズマリー風味・ワサビ醤油ソース掛け』の出来上がり。

ローズマリーが野生味を添える。
ガツンとした味と香りだが、スライスしたサイズ感が丁度良かったみたい。
あくまでも食前のおつまみ。本命のアヒージョを前にして、お腹に溜まるのは宜しくない。

しかし、旨し。

おつまみ焼肉で吞んでいるうちに、アヒージョも完成。


さぁ、ジビエシーズンの幕開け。

テーブルに出した途端、子供たちが一瞬でさらってしまう勢い……。
丁寧にアクを掬ったおかげで、首尾よく出来たようです。
この後は、いつも通り、ご機嫌なワカランチンにて終了しました。

残ったオイルは翌日のパスタに使って、ひとまずキリをつけておいた。


冬野菜も育ってきたし、「お楽しみはこれからだっ!」だな。


(*^ー')b



『アーティストが作った料理 作家が作った料理』

2018-12-02 12:24:00 | 料理・食材

上記画像は、公益社団法人岡山県文化連盟のサイトから。

『アーティストが作った料理 作家が作った料理』というイベントへ参加しました。
岡山で行われているアートプログラム『芸術文化交流実験室』の一環です。(PDF:リーフレット
内容は、トークセッション&ワークショップです。


今回は、『食』がテーマ。
アーティスト、工芸家などモノ作りの人々で料理をする人は多い。中には、日記に書いたり出版したりする人もいる。
「そのような著作物からレシピを紐解いて作ってみよう」という企画です。
個人的な読書会などでは、本の内容を題材としたオヤツや料理と一緒に語り合う事もあるけれど、それのイベント版という感じ。( ← 読書会の経験は無いけどね)

別の参加動機としては、このところイベント主催が増えたので、お客さんとして行った自分が何を感じるのかを確認しに。
ちょっとズレているけれど、イベント構成、話術、自己観察を別件テーマに抱えてました。


街中の商業施設のカフェスペースに集合する。


まずは、パウル・クレーの研究者がお話を。
バウハウスへ招かれるまでの主夫としての料理作りがメインでした。
なかなか身につまされるし、共感もするし……、心中穏やかならずでしたが。

内田百閒にも触れられましたが、そもそも畑違いゆえご愛嬌。地元サービスですな。
『餓鬼道肴蔬目録(がきどうこうそもくろく)』あたりから何か出てくるかな?とも期待しましたが……。


休憩を挟んで、次はワークショップ。


ほぼ初対面な方々で、7人ごとに3チームに分かれる。
全員に小さなカップが配られる。「クレーの遺したレシピから作られたスープ」との事。

講師から「では、スープを試食して食材を想像して下さい。水以外は6種類あります」

トロみがあり、タマネギ、大麦が入っている。
柑橘の香り。
味は薄いが、旨味はある。
動物性はない。

班ごとに食材を想定したら、手順も推測して料理再現という流れ。
食材を当てても正解に辿り着くか否か……クイズみたいで面白い。

我々の班の食材は、タマネギ、大麦、ジャガイモ、オリーブオイル、白ワイン、レモンとした。
どのチームもトロみが悩ましいようで、他の班では、蕪とかコーンスターチとかも。
我々は、ジャガイモを摩り下ろしてトロみ対応する事に。

予め準備された食材以外が出てきた場合は、スタッフが買出しに走る手筈になっていたようです。
我々の出したジャガイモ、白ワインは想定外食材だったようで。

まぁ、大丈夫さ。

こういう事に興味がある方々が集まっているので、調理はサクサクと進む。
メンバーは、小学校の家庭科教諭、自治体職員、マスコミ、主婦、料理人などとの事。

皆で分担して共同で作る。

トロみの再現はバッチシ。
あとは塩分を入れたらかなり近いが、食材に入れていないしなぁ。メンバー全員が「塩、塩、塩」と。
日本の料理酒なら塩が入っているけれどなぁ……。
最後にレモンを加えてフィニッシュ。


全部で3つのスープが出来た。
それぞれに微妙に異なる仕上がりながら、どの班も「ウチのが美味しい!」と。
手前味噌ならぬ手前スープ。
面白い。


講師からレシピ発表!
食材は、タマネギ、大麦、オリーブオイル、レモン、塩、胡椒。
あんなに悩んだ『トロみ』の正体は、「スープを前日に作ったところ、一晩たったら出ていた」というオチ。
大麦由来なのだろうな。
若干「それは無理ィィィ!」という思いも無くは無いが、まぁ、笑えるオチとして。


他のレシピ再現は、予め講師が作っていらっしゃいました。

ライ麦パン、英字ビスケット、カリフラワーのサラダ、洋ナシのコンポートなど。
『食とアート』というよりは『あの人が食べたあの料理』という感じで。
百閒好みもあり。


頂いた後に解散。


外はすっかり真っ暗。

高まるクリスマス・ムード。

寄り添うカップルの無言の笑み。忘年会のおじさんの大声。
町のコントラストが面白い。

脇目に眺めつつ通過する。




帰り道。どうも主催者側で発想するのが癖になっているようで……、歩きながら企画を考える。

・美術館で絵画鑑賞があれば、尚の事盛り上がるかなぁ。

・内田百閒ゆかりの場所をツアーして、途中でお茶して、最後に料理を頂くお散歩企画とか。

・プロ料理人と作品のコラボ。
 『カンディンスキー・モチーフの平皿スイーツ』
 『点描モチーフのランチ』
 『スプーンを額縁に』
 『野獣派モチーフの刺身盛り合わせ』
 『アーティストによるお弁当・盛り込み対決』

・超絶リアルな美術作品と精進料理。
 「さて、どちらが食べられるでしょう?」

・以前、自分でやった『備前擂鉢ワークショップ』の改良点も。


なかなか、面白く学びました。(主催者の意図とズレている点はご容赦を)


皆様、有難う御座居ました。m(_ _)m



































柚子あれこれ

2018-11-27 12:08:45 | 料理・食材


過日、敷地の柚子を採取する。一本の木ではあるが、レジャーというよりは収穫労働。


途中でサルの集団が見に来る。窯場の渋柿を全て食べて、満腹なお腹をさすりながら睥睨されている。

うっかりその場を離れようものなら奪取されるかも知れない。
遠巻きに対峙する緊張感の中、一気に集めて家へ。へへん、サルに勝ったぜ!(柿は毎年、完全敗北)

多かったのでご近所まわりにお裾分けなども。
この日は、これだけで疲れて終了。


さて、後日に加工する。
遅くなるとコンディションが悪くなるので、時間勝負である。


まずは、ウチのメインである『柚子酢』を。
酢といっても果汁100%搾り汁。お鍋の季節には必需品である。
経験上、冷蔵庫に入れておけば3年は大丈夫。むしろ1年超えてからの方がマイルドかな。

梅の季節には『梅仕事』などという雅な言い回しはあるけれど、そんな雰囲気ではない。疲れても働く。
いや、働け!
 
家庭内ブラック手工業の始まり~~~。2升近く作った。


一段落したら、細君はマーマレードを。(写真は失念)
山の一軒家の明るいキッチンで、小鳥のさえずりに耳を傾け、紅葉を眺めながら、ハーブティーを飲み……じっくり弱火で。( ← 字面だけなら、なんてステキな!)
実態は、ブラックだけど……。
休日の朝に小鳥がさえずるより早くから始めて、落ち葉に埋もれた庭を見て、水分補給。離れられないコンロ前……である。


残った皮は、白い部分を外して干す。
柚子皮の『陳皮(チンピ)』は細かくして、七味に混ぜる予定。香りが良い。

干し場は、軽トラの荷台。サルに見つからず、イノシシも盗らない場所。


あとは、ペットボトルに種と水を入れて「化粧水がナントカカントカ……」も。
小生は管轄外にて。


ということで、諸々出来ましたっ。


以前、子供達に『6次化産業』の話をしていたところ、自主的にラベルも作って貼られる手際の良さ。



さぁ、冬の美味しいもの! 来いっ!


(……疲れた)














備前産素材で、フレンチ&イタリアン

2018-11-21 12:15:20 | 料理・食材


過日の事。
倉敷でのグループ展会期中でしたが、細君とディナーへGO~~。
岡山の玄関口のホテルにて、『備前の里海里山の恵み』が主題で開催されました。

シェフは、岡山を代表するイタリアンシェフとフレンチシェフ。
イタリアンとフレンチの融合コースというのが興味深い。コースの組み方は、どのようになるのだろうか?
予想するにイタリアンシェフのスペシャリテ『リゾット』が出るだろう事にも期待大である。

スタートは、シェフのご挨拶から。開始前から作り手が楽しんでいる感じが出ている。

満席一斉スタートなので、時間配分が出来ているのだろうなぁ。余裕感じるなぁ。自信もあるだろうし。

開始!


『ブイヨン・ド・レギュ-ム』

このレストランのお決まりのスタート方式。本日のブイヨンを小さな器で頂く。
瀬戸内ブルーを意識した瑠璃釉の伊万里、島のようにひとつ備前が。
野菜エッセンスが複合した奥深さ。戻り香が心地よい。口の中が温まって期待が高まる。
幕開けにふさわしい一品。


『お魚と野菜の一皿』

フレンチシェフの「野菜の素材感をダイレクトに味わって欲しい」との事からサラダから。
混ざっているのはコハダ。コハダにしては味が濃い。口の中でペターっと広がって行きそうな脂を野菜がキュッと纏める感じが面白い。
ドレッシングの油を魚の脂に置き換えるという感覚なのか。足し算なのか引き算なのか判らない絶妙なバランス。
シャキン!とした葉物に対して、根菜類のホッとする食感。

野菜なのにワイン切望。

ワイン。

岡山で注目されているワイナリーのもの。


『蛸とトマトの一皿』

黒いのはイカ墨。トマトビネガーは初めて。トマトの香りが強く立つ。
注目したのは蛸の切り方。蛇腹の切れ込みに味が入り、噛み切りやすく、野菜と合わせても口の中でタコだけが残らない。
複数の素材が乖離しないカットなのか。
これ、今後、拙宅でも真似するわ。



『海老とお米の一皿』

イタリアンシェフのスペシャリテ。この日はこれ目当て。個人的にはメイン相当だ。シェフのリゾットを頂くのは3回目かな。
お米は岡山産『ひのひかり』。大粒の品種でスープの吸い込みも多いので、ふっくらと。
上に掛かっている『ゆかり』の様なものは、スマックという中東のスパイス。味は……ゆかり。
……ということは、自宅で再現する時には、ゆかりだな。
 (厚さのあるエビに火を通しつつ、堅くならない方法は後でシェフに訊いた。これも真似するぅ)

「しかし、和食ならご飯が出たら終わっちゃうしなぁ。途中でお米が出て、この先はどうなるのだろう? お米は野菜という西洋感覚なんだろうなぁ」と要らぬ心配をして、内心ドキドキ。
さてさて……。


『貝類と蕪の一皿』

「そう来るか!」という一品。「……これ、茶碗蒸しだわ」
出汁で味覚をリセット。箸休め的な一品を挟んで落ち着いてメインへという事ね。生の蕪の清涼感ある香りで嗅覚もリセットされる。
前の皿からは『味のグラデーション』となり、次の皿へは『味のコントラスト』になっている。最高の脇役プレーだなぁ。
出汁の余韻をもってメインを待つ。高まる期待。
ワクワク!


『渡り蟹と木ノ子の一皿』

濃厚ッ!!
本日、一番の濃厚なソース。渡り蟹はパイ包みにする事で形も取れて無駄が無い。しっかりとした塊になるパイ包みって良いなぁ。
これまでの素材を感じる淡い味、香りなどから、一気に渾然一体とした濃厚さへ。
打ち上げ花火を見るような破綻無いアッチェルランドな展開。
いやはや……。


『みかんと白インゲン豆の一皿』

野菜に拘りたいフレンチシェフが、白インゲン豆を形を残して甘く炊いたとの事。想像すると愉快にも。
そして、この時期には酸味がある温州みかんは、直接産地で特に甘いものを選別し、丸ごとコンポートに。見ただけで判る丁寧な仕事。
アイスでクールダウンされて、大輪の花火がスッと消え、印象だけ残ったかのような充足感。

一幕のドラマのような美味しい時間でした。

一品の存在感と順番に役割があって、それぞれが確立しつつ全体を作る。
きっと、あの人なら「我々の間には、チームプレーなどという都合のよい言い訳は存在せん。有るとすればスタンドプレーから生じる、チームワークだけだ」って言うんじゃないかな。( ← 違っ!)


お皿チェンジの間にはシェフ二人が漫才、……じゃなくて、解説してくれるのも楽しくありました。


それにしても、普段買い物先で見かける備前の食材が、斯くも変わるプロの技術の凄さ。


細君もご機嫌にて、良い時間でした。 

有難う御座居ました。 m(_ _)m






















照りっ……な具合で

2018-09-22 18:43:29 | 料理・食材


過日の事。

いつも色々とお世話になっている伊部のど真ん中のお寿司屋さんに出向いた折に、大将から頂き物をしてしまいました。
商売モノを頂いてしまい恐縮千万。
しかも、家族全員の口に入るように。アリガタヤ~~。

渡される折に「照りっ、テリッに仕上げてや!」と言われて、「おぉぅ」と若干のプレッシャーが。

出来るかしら? ヒヤヒヤするなぁ……、いや、目指すのはテリッテリッだ。


商売モノの素材なので、バッチリ掃除済みのコンディション。流石。

おっ、ヒレはエラの中に入れて形を保つのか……。なるほど、勉強になります。


大きな鍋を用意して、スタート。

あれこれして、しばし。

もはや「テリッテリッ」は呪縛だ。ちょっと意識し過ぎて手元が狂う。
「ん~~~、味醂プラス砂糖が多目になったか?」
しかし、これで煮汁が飴状になれば、シズル感ある「テリッテリッ」だ! 
あとは待つのみ……。

弱火でジンワリと。しばし、しばし……。


とっっっっ! 


冷蔵庫にオカラとヒジキがあるのを思い出した。「この煮汁、美味しいぞ」と思っちゃったんだから仕方ない。
汁っぽさが少し残るぐらいで終了する事に。

お供にしたのは、ゴボウ、ニンジン、サヤインゲン、シイタケ。
ゴボウは必須なのよね。多分、何処かでの刷り込み体験なんだろうな。

「テリッ!」ぐらいな仕上がり。(これで許して頂こう)

てな事で完成~~。



煮汁は、早速、別料理へと旅立って行きました。
頂き物から派生メニューまで、美味しく頂きました。



ごちそうさまでした~~。 m(_ _)m


 ・
 ・
 ・


……ってな話は、随分と前の事でありまして。

本日は梱包発送作業を朝から、ず~~~~~っとやっていてお疲れMAXです。

そろそろ、本日の『酒器の勉強』を始めなきゃなぁ……という時間。

あぁ、ツライ、ツライ……。(「どうしようかな?」と考え出すと、なんか元気出てきた)



さぁさぁ、どうなりますやら。



















会期中の食レポ(番外編) と……

2018-07-01 12:26:15 | 料理・食材


上京した機会に、挨拶まわりやら、打ち合わせやら。


●下北沢
このところ、ちょくちょく来ている町。

数十年前の実家のある駅(神戸市垂水)周辺の雰囲気を想う。
特化した趣味全開の個人商店。曲がった坂道。商店街を抜けると住宅地。道にはみ出す植木鉢……。

まぁ、垂水は、今や何処でもある商業ビル、パチンコ、ファストフード……のある駅前になっている。いわゆる『ファスト風土化』やねぇ。
勝手に泳いでた小さなプライベートビーチは、アウトレット・モールになってるし。
だからこそ、ゴチャゴチャした商店街がホッとするのかも知れないな。

大きく違うのは文化面か。道端に俳優養成所のチラシが落ちてたり。垂水はイカナゴぐらいしか落ちてへんわ。

風が吹いても海の香りがしない……。暑ぃ~~。

カキ氷をゴチになりました。今季初です。

抹茶ミルク。
ご馳走さまでした。



●青山・外苑前
漫画の『へうげもの』企画でお世話になっているギャラリー。

初めて来れた! 超絶、忙しそうだったので早々にお暇を。


あと、いつもお手伝いし合うヤキモノ屋さんが、ごく近所で個展中という奇遇な状況だったのでそちらも。(写真、撮ってなかった……)


●阿佐ヶ谷
初めて降りる駅。少し歩いて和風喫茶店へ。一年前に新規オープンの為に拙宅へお越し頂いたオーナーの店。
常連さん共々、笑顔で迎えて頂きました。オーナーの充実ぶりが伺えました。


常連さんオススメの煎茶を水出しで。10分後にシャンパングラスへ。色が綺麗。

戻り香が強い。ゆっくりと頂いて余韻を楽しみたい一杯です。流石なチョイス。

カウンターだったので、そのまま二煎目、三煎目も淹れて頂きました。変化していく渋味と甘味。

二煎目で『コケモモのワラビ餅』、三煎目でお手製の餡の『最中』を頂きつつ、久々にゆっくりと煎茶を楽しみました。
有難う御座いました。


●浅草橋
隅田川沿いにある瀟洒で小粋な一軒家のギャラリー。
ビルの合間にある立地がその矜持を示すのか、内側の空間には独自の時間が流れています。
ヘリンボーン張りの床、つぼつぼ意匠の建具、石組みの露地、小さくもしっとりした庭、隅田川の空……。

住所を見て納得です。柳橋といえば花柳界。

清元・長唄・小唄の名取。美貌と美声で有名な当代随一の市丸姐さんの旧宅との事でした。


●個展会場の近所だった銀座三越
カレーの為の器展『今日も、明日も、カレー日和。』にも顔を出す。
へうげものメンバーのグループ展。流石、スパイスの利いた熱量ある展示でした。梅雨も夏も吹き飛ばさんばかりの勢い。



……と、いう訳で、今回、連れ帰った作品たち。

●昨年、麻布十番の個展で、古陶のような『かすれ』と『貫入』に魅入ってしまった赤絵。

使っていくと変化しそう。

●手で隠せるほど小さな『豆向付』。

豆とは言いながら、本歌写しの小さな実力派です。


その他、擂粉木やらスパイスも業者並に購入。(築地はヤベェ~~ぞ)


さぁ、報告はここまでとして、次への仕事をします! 


(こう見えても忙しいねん。現実逃避っぽいけど)